[女性誌速攻レビュー]「STORY」2月号

小泉今日子、泉ピン子、林真理子が「STORY」で40過ぎた女の生き方を語る語る!

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「STORY」2012年2月号(光文社)

 今年最後の「STORY」、今月の大特集は「輝け!40代のための40代による冬の買い足し完全マニュアル」です。「いくつになっても『着ていく服がない!』と毎日クローゼットの前で嘆くのは女の性なのでしょうか……。まだまだ買い足りないけど、人混みの多いセールに行くのは億劫とワガママなSTORY世代。これから買い足すべきアイテムを完全マニュアル化してみました」というリードそのままに、「まだあんまり買っていないあなたへ」「買おうと思って、尻込みしているあなたへ」「人ごみ苦手、セール嫌いなあなたへ」「いっぱい買った気がするのに、うまくいかないあなたへ」など、いくつかのシチュエーション別におすすめアイテムを紹介しています。これは分かりやすい。最近の「STORY」お得意のヲタ的リサーチで、「魅せる」というより「買わせる」誌面づくりになっています。しかし、若干ショックだったのは「人混みが苦手」「ブーティとかどうすれば分からない」などSTORY世代の悩みとされるものに、いちいち反応してしまう自分。40代なんてまだまだ先と高を括ってきたのも今は昔。筆者が「STORY」に近づいたのか、「STORY」が筆者に近づいたのか。安物を「プチプラ」とか、加齢を「経験値の高さ」とか、都合よく脳内変換するようになるのかなぁ……そんなババアのATOKは「STORY」で学ばせていただきますよ!

<トピックス>
◎気になるのは、同級生!
◎和製シャレブ・インターママをSNAP!
◎STORボランティア隊の「人のため、は自分のため」実感記

■キャンペーンを張る人の自然体ってなに?

 「STORY世代は”男”より”女”に認められたい。そうやって自分の中の”女”を克服しようとするのではないか」と、以前このレビューで書かせていただきましたが、今月のこの企画もそれが当てはまるようです。「気になるのは同級生!」では、40歳から45歳までの”気になる”同級生の過去と現在を追っています。いわく「頑張るためのフラッグは、同い年のあの人です」。

 登場するのは、45歳・小泉今日子、44歳・ヴァイオリニストの寺井尚子、43歳・羽田美智子、42歳・映画監督の河瀬直美、41歳・指揮者の西本智実、40歳・木佐彩子。変遷をなぞるように、彼女らと同い年のスタイリストやモデルたちの歴史も会わせて紹介する、といった内容です。みなさん大筋では”もがき続けた20代、30代の果てに輝く40代がある”といった趣旨のお話をされていますが、やはり注目はKYON2こと小泉今日子。

 まず写真がスゴイです。若干落ちくぼんだ瞳にピントが合い過ぎていて、夢に出てくるレベル。強い意思を感じさせるというより、目があったら石になりそうな凄みが。そんななんてったってアイドルが大人の女優になるために「密かにキャンペーンを張ってきた」というKYON2。「向田邦子さんが好きで、作品に出演したいと思っていたから…(中略)写真撮影のときは、向田作品に合う大人の表情をしてみたり(笑)」このキャンペーンが功を奏したらしく、見事向田作品に出演したほか「30代では、”脇役キャンペーン”をして、犯人役を演じたり」。そのキャンペーンの詳しい内容が知りたいような知りたくないような。たぶん天下のアイドルKYON2さんだけに有効だと思われますので、良い子は決してマネをしないように。

 YOUと並び現代のサバサバ女子の頂点に君臨するKYON2。「45歳って何だか青春っぽい(笑)。男友達とも意識せず遊べるし、年下の女友達と遊ぶのも楽しい」と、ANEGO的現役感を出しまくっていました。しかしなんでしょう、「STORY」とKYON2、どうもしっくりきません。そもそも「STORY」の提唱する”現役感”は、KYON2的女子願望とは似て非なるもの。「STORY」のそれは、若さや女性ホルモンがこぼれ落ちて、何にも無くなってしまった拳をぎゅーっと握り締めながら「よっしゃこい、40代!」と自分を鼓舞するような捨て身術なんですよ。筆者などはそこにグッときちゃうわけですが。だからKYON2さんの醸しだす「自分、自然体っすから。クラブとかで遊んでますから」オーラが「STORY」では浮いてしまうわけですね。「STORY」の勝者は”クラブ”じゃなくて”ラウンジ”に居るんです!

■ピン子はそっち側でしたか……

 人気お悩み相談「悩んだらピン子に訊け!」、今月号のテーマは「出産」です。相談に答えながらちょいちょいピン子先生の持ちモノ自慢、お宅自慢、旅行自慢などが登場し、読んでいるうちにピン子先生の日常にやたら詳しくなってしまうという、いらないおまけがついてくるこの企画。人生相談って”先輩ババアの自己肯定プログラム”という側面もありますからね。

 それはそうと、今回のテーマに関してはなかなか興味深いことをおっしゃっています。出産経験のないピン子さん、不妊治療で悩んでいる45歳の主婦に「子供のいない夫婦だけの人生を歩むまでは、そりゃ葛藤はあったよ」と心情を吐露。夫が子供を欲しがらないと嘆く結婚10年の女性には、「きっと、キレイで優しい奥さんが好きなんでしょう? それが無理やり子供つくって、髪の毛振り乱して、母乳だの、離乳だの、哺乳瓶だ、オシメ替えるからパンパース持ってきて、て生活になっちゃうと、あんたに対する愛情が失せてくるかもしれないよ」とズバリ。ここで「そんなガキみたいな男さっさと捨てちゃいな」とならないのが、ピン子流。

 「夫を愛してるなら、夫の意見を尊重してあげたら? 子供がいないのは寂しいけれど、いつか巣立っていくし、巣立たなきゃ困るしね」。姑・小姑にもまれながらラーメンを作ってきたピン子先生は”妻は耐え、夫をたてる”考えのお方。ご自身も夫の浮気に耐えながら、それでも離婚はせず現在まで。「子供がいないことは不幸じゃない。夫婦で楽しんで生きる。子供より夫だよ!」という言葉は、子アリ・子ナシ双方の夫婦にとって勇気づけられる言葉だと思いますが、その「夫婦で楽しんで生きる」下地が妻の我慢で成り立っているものだとしたら……”楽しむ”の意味がイマイチ分かりません。男は「子供欲しくな~い」と本音をぶつけ、それに対して女は「夫がそうなら仕方あるめえ」と引きさがる。そして夫婦円満どんと晴れ……になれますかね? 筆者だったら「アンタがあの時こう言ったばっかりに」と、死ぬまで恨みを持ち続ける気がするのですが。

 今月号もいろいろ感慨深かった「STORY」。だって、ページをめくり最初に飛び込んできた言葉が「ビンボー人に美人妻なし」ですよ(by MARIKO HAYASHI)。髪を振り乱しながらママチャリ走らせ、フリースには毛玉、センスのないジーンズ、スッピンでパートに行く女性が「美人の部類に入るという顔立ち」だったりすると「ああ、惜しいなあ…」と思ってしまうそうです。庶民のファッションにまで思いを馳せるとはさすがの慈悲深さ。これがホントの”上からマリコ”。先生いわく、フリースママたちは「もっと金持ちの男と結婚して、いい人生をおくろう」とかほとんど考えない残念な人たち、なんだそうです。

 しかし先述のピン子さんも然り「(いい)男に選ばれてこそ女の値打ちがある」という、一見前時代的な考え方が実は一段と存在感を増しているのが現在なのかもしれないとも思います。自由な時代に生きてきた40代女性たちが、ふたりのババアの意見をどう捉えるのか。これ、結構重要な問題ですね。
(西澤千央)

『STORY (ストーリー) 2012年 02月号』

上からマリコ、ほんと空気と時代の読めない女だこと

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