[女性誌速攻レビュー]「たまごクラブ」1月号

ページごとに矛盾が発生! それでも日本一の妊婦雑誌「たまごクラブ」

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「たまごクラブ」(ベネッセコーポ
レーション)1月号

 日本一有名な妊婦雑誌「たまごクラブ」。妊娠した女性がまず手にするバイブルというイメージですが、その中身は「若くて健康で、さらに優しい旦那様がいる妊婦」が対象なため、高齢出産の人やシングルマザーなどからは意外と「なんの参考にもならない」と切り捨てられている一面も……。

 とはいえ、「たまごクラブ」は「読めない、つけられた子どもがかわいそう」と揶揄される「キラキラネーム」を世に浸透させた張本人と言われ、なんだかんだで出産・育児界へ多大な影響を与え続けています。最近じゃ「ニンプリンセス」なんつーブッ飛んだ造語で「あたしはお腹の大きなお姫様! このトツキトオカの主役はアタシ!」と言わんばかりのテレビCMを流し、当の妊婦たちからもドン引きされている始末。それでも爆走しつづける「たまごクラブ」、現在妊娠8カ月のリアル妊婦ライターが読んでいきます!

<トピック>
◎トラッド×レトロ 妊婦流着こなし術
◎お産が楽になる『最強のコツ』厳選!BOOK
◎総額3万円に抑える!家計にやさしい出産準備


■妊娠8週の歌姫が半裸の下着姿で踊りまくる時代だもんね

 いや~、読めない、ほんと読めないっす。「心結(みゆ)ちゃん」「蒼空(そら)くん」「碧海(あくあ)くん」などなど、「たまごクラブ」に載ってる赤ちゃんたちの名前はマジで読めないっすよ。でも「読めない名前」がマジで多すぎて、妊娠して数カ月間「たまごクラブ」に親しんでいるうち、だんだん「読めない」が普通のことになってくるんですよね。「圭介」みたいな名前の子がいると「圭介と書いて『るきあ』と読むのかな? ……なんだ、普通にケイスケか…」とか、読めるはずの名前が読めなくなってくるから不思議です。

 「たまごクラブ」を閉じると浮世では未だに根強く「読めない名前バッシング」が繰り広げられてますが、これからは読めない名前が多数派になっていくことは間違いないんで、そろそろ断念して「美妃(みっふぃー)ちゃん」にも「光宙(ぴかちゅう)くん」にも驚かないメンタリティーを鍛えるほうが得策かもしれません!

 今月号の「たまごクラブ」のファッションページのテーマは「トラッド×レトロ 妊婦流着こなし術」。最近の妊婦はオシャレ、なんて数年前から言われていますが、それはボトムスは妊婦用の腹デカ仕様のものを着用して、トップスはゆとりのあるポンチョとかの普通服を着てるから、いわゆる「マタニティ服」って感じがしないんですね。

 でもそれは8カ月あたりまでが限界。臨月を迎える妊婦は腹が苦しいので機能性第一の格好になります。特に第2子以降の冬の妊婦は服装にかまっていられないのか、リュックを背負って防寒シャカシャカズボンに激暖フリースを着込み、逆に妊婦に見えない登山ルックになっていくのが現実。インナーも、足首を冷やすのが一番よくない、と言われているので、靴下を何枚も重ねてさらにレッグウォーマーを履いたり……。

 だけど「たまごクラブ」には、パンツのスソをロールアップしてまさかの「足首出しルック」の妊婦モデルが載ってるんですよ! 妊娠するとどこ行っても誰からも「足首、冷やさないで!」って言われるのに、妊婦雑誌日本代表みたいな存在の「たまごクラブ」ではオススメファッションとして足首出しグラビアが載っている現実。困惑です。

 妊娠8週の歌姫が半裸の下着姿で踊りまくる21世紀。もしかして妊婦の体も実は進化してて、冷やしても平気ってことなんですかね!?

■好き勝手なことを言う先輩に振り回される感覚

 他にも、ヒールでワンピにダッフルコートなど「危ない・寒い・重たそう」という腹ボテにとって一番疲れそうな格好をした妊婦モデルが「今日はパパと久しぶりの待ち合わせ。平日なのに混雑してる!」と、東京タワーの前でつぶやいていました。「平日に東京タワーでパパ(旦那のことを既にパパと呼んでいる?)と待ち合わせ」って設定が複雑でピンとこないし、混雑する場所に行ってはしゃぐのもまったく共感できない。

 そんな白昼夢みたいなページを作っておきながら、次の特集では急に説教モードで「混雑した場所には行っちゃだめ」「冷やしちゃだめ」と書いてあるのが「たまごクラブ」です。「妊娠しても、ダサい格好したくないのが女じゃん? 旦那にいつまでも可愛いって言ってもらいたいじゃん?」と浅野温子ばりのニカ顔しつつ、こっちが可愛い格好してると「それNG~! アンタ、子どもを守る母性あるわけ?」と軽蔑しながら言ってくる、そんな、言動が固定してない女の先輩と一緒にいる感じがしてきます。

 その時々によって、情報の質にムラがあるのもこういう先輩の特徴。「たまごクラブ」も本当にどうでもいいことばっかり書いてあるページもあれば、急にタメになることも書いてあったりします。今月号の付録の「お産が楽になる『最強のコツ』厳選!BOOK」は、分娩本番に向けての対策が事細かく書いてあって、けっこう頼りになりました。

 ただそれもこっちの気分次第というか、胎児の不調など個人的に不安なことがあるときはこういう「イケイケドンドン! 元気な赤ちゃん産んで女はナンボ! マンボ!」なジュリアナ東京な先輩といるのってキッツイ。でも自分もイケイケドンドンな時は一緒にいるとけっこう楽しい、そんな「たまごクラブ」先輩です。

■まず、「人からもらう!?」

 先輩は、とんでもないことをサラリと言ってきたりもします。「総額3万円に抑える!家計にやさしい出産準備」特集は、たまごメイト(妊婦読者モデルのこと)の藤井さんが「出産準備グッズ購入を3万円に抑える」というミッションに挑戦する企画。ベビーベッドや肌着など、育児グッズをすべて新品でそろえると約24万円かかり、実際には9万円弱かけているのが平均とのこと。

 これを3万円で抑えるために藤井さんがまず取り組んだ「STEP1」は、「無料でもらえる&借りられるものをリサーチ」! 「頼りになるママ友に電話をしてみた」というところからスタートです。会話術が載ってるのですが、まずママ友に電話をかけ、「育児グッズを準備するときの注意点とかってある? できる限りお金をかけずに赤ちゃんのグッズをそろえたいんだけど」と、ハッキリとは言わない作戦をシレッと敢行。するとママ友が「きれいなままのものがあるからあげようか?」と一言。そこで「いいの!? うれしー」と藤井さん。「いいの!?」じゃねえよ、それが目的だったろーよ!

 さらに「厚かましいお願いで申し訳ないんだけど、他にも使ってないもので借りられるものはないかな? 冬生まれだからその季節に使えるものがあれば…」と、夏物はいらないけど冬物だけクレよ、と遠回しにアピる藤井さん。ママ友の「他の友達にもリサーチかけてみるね!」とお人よし発言にて電話終了。そして藤井さんはママ友からは服を大量にもらい、さらにママ友のお友達からも抱っこひもを「ゲット♪」していました。

 他にも体験談として「シュークリーム10個と交換でチャイルドシートをゲット!」とか書いてありますけど、そんなもんなんですかね、育児ママ界って……。2ちゃんねるでよく見る「クレクレママ(なんでも他人からもらおうとするママ友)」ってすごく嫌われていますけども。私自身、このあいだ知人から「うちも来年子ども作るから、1~2歳違いになるね。子ども服とかちょうだいよ、全部こっちまわして!」と言われて、まだ子ども服なんて買ってもいないのに、ゆくゆくはこの人にあげるものとしてこれから買いそろえるなんていやだ……と思っちゃいましたよ。

 藤井さんの「STEP3」は、「必要なものに優先順位をつけ、予算を決める」でした。それ決めるよりも「人からもらう」が先なの!? まあ、疎遠にされちゃってもいいやって相手には「ちょうだい」って言ってみるのも手かもしれませんね! マジで「たまごクラブ」先輩には毎月ギャフンと言わされますわ~!

 こんなふうに、毎号かなりページによって支離滅裂な「たまごクラブ」先輩。先月言ってたこととまったく違うこと言い始めたりするくせに、「妊娠線」「おっぱい垂れ」の危険をあおって後輩に「予防マッサージクリーム」を熱烈にオススメしてくるのは絶対毎月忘れません。そんな「妊婦の裸ケア」にかなりうるさいのに、基本的に下ネタはあまり言いません。言うとしたら、「旦那ちゃまとの愛の行為」的な言い方をする潔癖気味な先輩。ま、悪い人じゃないんで、適当に距離持って付き合っていく分には頼れるお姉さんかも。
(田房永子)

『たまごクラブ 2012年 01月号』

パイセン!

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