[女性誌速攻レビュー]「LEE」1月号

売れない時代ゆえの勝者? 「LEE」のバランスの良さが他誌を追いつめる

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「LEE」1月号(集英社)

 今月号の「LEE」、まずは巻頭の連載コラムに驚きです。フランス生活でのあれやこれやをつづっている中山美穂の連載「『気づくこと』の楽しさ」。今回の内容をざっくりとお伝えすると、「パリは寒くってベランダでオリーブを育てようと思ったら、凍っちゃった。テヘペロ」ということなんですが、芥川賞を受賞した準女装旦那が監修しているのか、とってもオシャレで分かりにくい文章になっていました。が、そんなことはどうでもいいんです。問題は写真!!

 美人女優で鳴らしたミポリンの写真が色飛びしちゃって、もはや誰だか分からない。真っ白けっけの顔。恐らく自撮りしたように思われますが、デジカメ全盛期、というか携帯電話のカメラだって高スペックなこの時代、「写ルンです」で失敗した時のような写真になっています。筆者は2011年も年の瀬を感じるこの頃に、ミポリンだか樹木希林(a.k.a綾小路さん)だか分からない写真が雑誌に載るとはゆめゆめ思いませんでした。時代に追い付く気がないのか、追い付けないのか、ミポリンという女に無駄に思いを巡らせてしまいました。みなさんも大掃除の合間にでも、ミポリンのことを考えてみてください。

<トピック>
◎パリvs.日本 おしゃれ上級者スナップ対決!
◎雅姫さんが訪ねる TRUCKの「ごきげんさん」な家
◎自分史上最強エンタメはこれ!

■やっぱ、「ごきげんさん」の「さん」は必要?

 今月は一つひとつの企画を見ていくというよりは、ファッション誌・ライフスタイル誌・生活情報誌の役割を1冊でかなえる稀有な存在、「LEE」という雑誌の成り立ちを俯瞰的に眺めていきたいと思います。

 まずはファッション編。今月号の大きな柱は、「パリvs.日本 おしゃれ上級者スナップ対決!」という、ファッション誌定番。ほかにも、売れ筋アイテムの紹介やプチプラアイテムの着回しコーデなどがそろい、ボリューム的にも適度な感じ。いわゆるファッション誌は、編集記事のように見せる広告で成り立っているため、同じ号に何度も着回しコーデが載っていたり、広告主のアイテムだけをひたすら掲載するページがあったりと、重複が見られます。それに比べたら、「LEE」のコンパクトに収まったファッションページは読者にとっても見やすい! 「ESSE」(扶桑社)や「Saita」(セブン&アイ出版)のように生活情報の合間に気休めに載っているファッションページと比べると、「LEE」はファッション誌の役割も担っているから、スタイリングや掲載アイテムへの信頼感が大きい。

 続いて、ライフスタイル編としては、「雅姫さんが訪ねる TRUCKの『ごきげんさん』な家」が「LEE」読者の憧れを体現しているようです。TRUCKとは家具職人の夫と、イラストレーターの妻のクリエイティブユニット。大阪に店舗、アトリエ、カフェと自宅を構え、こだわりの家でのオシャレな生活を、「LEE」におけるカリスマモデル&デザイナーの雅姫がレポートするというもの。筆者は「『ごきげんさん』の”さん”ってなんだよ~」とブタっ鼻鳴らしちゃいましたが、もう嫌みのないオシャレな家に脱帽。木やかごを多用しての見せる収納、「LEE」読者の大好きな”ぬくもりある”小物使いや部屋のレイアウト、見ているだけで癒やされます。納得するまで業者と話し合い、家が建ったあともコンクリートを抜くなど、住みやすさのために妥協しないとおっしゃる二人。コレを読んだら「私も!私も!」と前のめりになりそうですが、筆者はあえて無粋なことを言います。1.お金があって、2.業者と渡りあえるぐらいの知識を自分で身につけて、3.いろんなものを同一テイストに見せるセンスの良さ、この3つがないとこうはなりません。特に1が大事なような……。金額や、収納方法など具体的な情報を一切盛り込まずに夢の時間を与える、ライフスタイル誌にありがちな現実逃避ページでした。

 そして、生活情報ページには、栗原はるみ、ケンタロウ、ワタナベマキ、雅姫らその道の有名人が次々登場。そして「”ダンドリ力”で時短ラクラク大掃除」のように、実用性の高い企画もありがたい限り。なんてったって、大掃除のタイムスケジュール、手順を決めてくれているんですよ。さらには「お風呂場のゴムパッキン部分のカビには、こよりに水をつけたものでパック」など、キンキンが登場しちゃうくらいの「なるほど!」な情報も。素晴らしい。

 ほかにも、美容・コスメページ、花王やパナソニックなどの読者体験風広告記事ページ、ジャニーズタレントのインタビューページ、本・映画のカルチャーページも充実していて、向かうところ敵なし! 「LEE」1冊さえ買えば、ある程度の情報は得られそうです。ファッション、ライフスタイル、生活情報のどれにも特化せず、奇跡のバランスで成り立っていること、そして一人で月に数冊も雑誌を買う人が少なくなった時代が、「LEE」の31万部の要因なんだと再確認しました。でも、情報はあくまでも表層的、本来雑誌の個性でもある「情報の深さ」「どういう切り口で、事象を紹介しているか」という視点で見るならば「LEE」は物足りないはず。いや、「LEE」じゃ物足りないという人が増えないと、雑誌ビジネスは上を向かないはずなのですが……。

■優香31歳、どこへ行く

 さて、真面目に「LEE」を語ってしまったので、今月号におけるどうでもいいトピックもささっとご紹介します。

 まず、リレー連載で久々の登場となった、一男三女のパパ・つるの剛士。まず、3人の娘たちが「パパのひざの取り合いっこ」をしていると、いいパパぶりをアピール。ところが後半は、「子供たちはいつか旅立っていきますからね。最後まで人生をともにするのは奥さん」と、話を夫婦のあり方に。長男が生まれたとき「俺のおっぱい、おまえのものになっちゃった」と、妻へのおっぱいへの愛情をダイレクトに表現した後は、イクメンと言われるものの自分では意識していないことを告白。「むしろ奥さん大好きの『オクメン』です」と言い放ち、写真のキャプションでは奥さんとふたりきりで海外旅行をしたと報告しました。もう100点! 自分の支持層、「LEE」の読者層を考えてみても、これ以上ないというくらいの模範解答。さすが、羞恥心のリーダー! ブンシャカブンシャカ言いながら車に写経していた彼とは大違い。ちゃんと生き残る術を見極めています。

 こちらはそろそろ本気で芸能界で生き残る術を考えていただきたい優香が、「自分史上最強エンタメはこれ!」に登場し、小説と海外ドラマを語っています。が、そこで「『セックス・アンド・ザ・シティ』にも流行りだからと挑戦しました。でも赤裸々な恋愛模様に置いていかれて(笑)」と、車中愛を2度も報道された人とは思えないカマトト発言、優香31歳! ちなみに、『デスパレートな妻たち』がお気に入りで、「一見地味そうなキャラで子供たちに愛情深いスーザン」が好きとのこと。このドラマをよくご存じの方なら、納得する答えですよね。スーザンは無邪気という隠れ蓑のもとに、好き勝手暴れまわる迷惑者ですから……。

 というわけで、今月号は妙に連載やコラムに食いついてしまいました。「LEE」編集部も、芸能人ご本人もその気はないのに妙な空気が滲み出てしまうのは、やはり「LEE」という雑誌が持つ魔力のせいなんでしょうか。来月は北陽・虻ちゃんの旦那さんが登場し、極上パスタを教えてくれるそうです。ありがたい、ありがたい。
(小島かほり)

「LEE」

今月号、さりげなく「しまむら」が出稿してたべさ

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