[女性誌速攻レビュー]「STORY」1月号

「STORY」いわく、”帰省”は女の幸せ度を測定する一大イベント!

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「STORY」2012年1月号(光文社)

 「独身だった時は、クリスマスはいつも痛みを持ったものだったような気がする」と、連載「出好き、ネコ好き、私好き」で語る林真理子先生。「家庭を持つというのは、こうしたイベントを何の感慨もない日常にするということである。なんて素敵なんだろう、なんていいんだろうと、しみじみと思ったものだ」そうです。しかしここで”結婚サイコー! 家庭マンセー!”とはならないのが、さすが先生。

 「しかしこのトシになってくると、あのやきもきしたクリスマスが懐かしくて仕方ない。(中略)クリスマスではなく、恋をした若い季節が懐かしいのである」。ここから話は、ホップステップなく突然のジャンプを。「よっぽどひどい別れ方をしたならともかく、今の世の中、昔の恋人と何かしら連絡をとるものである」。先生曰くこれは「『焼けぼっくい』がまだ灰になっていないか、確かめる楽しみ」であって、決してやましい行為ではないのであしからず。みなさん、40過ぎたら乙女ゲームを楽しむが如く、リアルな元カレゲームに興じましょう! いや「『元カレ』という言葉は、味もそっけもなくて大人の女には似合わない。少し淫靡に『昔の恋人』と発音しよう」でした。先生、マジでそういうアプリ開発してくださいよ! 350円までなら出します!

<トピックス>
◎大特集 忙し楽しい年末年始も「無糖派」で勝負だ!
◎STORYモデル「家族の写真館」
◎豆涼さんの「祇園ごよみ」最終回・中谷美紀さんと、大人の京都”はんなり女子会”

■40代女性の「帰省」という戦い

 真理子先生の連載と表裏の関係にある企画が、「STORYモデル『家族の写真館』」です。人気モデルたちが、子どもや夫、両親たちと並んで「最幸の”いま”を記録」するというもの。表紙モデルの富岡佳子は最愛の娘と、前田ゆかはお嬢さんの七五三ミサに参加した後に家族と、マエノリこと前田典子は実家のご両親も呼んでパチリ。「STORYに登場するモデル陣は、プライベートでは妻であり、母である、ごく普通の女性」とありますが、”普通”という言葉はそこまでストレッチ効いてますか? というくらい、美男美女でオシャレな家族の肖像が並んでいます。例えるなら、「すごい理想的なご家庭から家族写真付きの年賀状が送られてきちゃったよ、オイ」という感じ。あまりにも素敵過ぎて、「家族の絆」というテーマが逆にブレちゃうという、悲しい逆転現象が起きておりました。

 しかし、「家庭生活を大切にしているからこそ」、仕事もデキるし、焼けぼっくいゲームも楽しめる。家庭への揺るぎない思いは「大特集 忙し楽しい年末年始も『無糖派』で勝負だ!」にも見ることができます。11月号でも特集された「無糖派層」(=甘さを抑え、グレーやカーキーなどの煮しめ色を中心にした地味めなオシャレスタイル)が、年末年始の着こなし指南として再登場です。

 企画の冒頭に無糖派スタイルを好む4人の40代女性が座談会をされているのですが、忘年会やクリスマスなどのパーティースタイルより気にされていること、それは「帰省ファッション」。

「私は旦那さんの実家とは仲がいいんだけど、だからといって挨拶時にドカジュアルはNGだなぁ」
「いわゆる無糖派でシンプルなものって派手すぎず、いいと思うんだけど。でも手抜きだと思われちゃうとちょっとまずいよね……」

 えぇ! まずいんですか!? おばあちゃんがぽたぽた焼きを焼きながら「アンタらが顔見せてくれるだけで、わしゃ幸せだでのうぅ」と歯のないスマイルを振りまいてくれる……そんな帰省に思いを馳せてたら、痛い目に遭いそうです。

 「無糖派の私のままで『旦那の実家へ里帰り』着回しSHOW」では、「初日のご挨拶は義母にも兄嫁にも好印象を与える知的なパンツスタイル」「大晦日には腰の悪い義理の両親に代わって大掃除をお手伝い」「旦那の親戚がたくさん集まる新年会にはニットワンピでテキパキ働く!」など”良い嫁”を演出するためのワードロープが紹介されています。嫁がオシャレなのに越したことはありませんが、白いパンツとオシャレニットで「お義母さま、掃除手伝いますわ」って言われても、「じゃ、じゃあお飾りをお願い……」くらいしか言えないんじゃないですかね。もしやこれは義母への先手必勝大作戦か。

 そもそも無糖派層は地味めなだけにオンとオフの切り替えが難しく、言うなれば「常にオシャレ」を強要されているわけです。ギラギラなバブルとはベクトルの違う大変さがあるのですね。

 その後、スピリチュアル・カウンセラーの江原啓之さんが何の脈絡もなく登場し、「無糖派ファッション」を「ブランドにも家庭にも男にも媚びない、新しい女性の生き方」と礼賛しておられるのですが……「(無糖派は)年配の人たちにも受け入れられやすい色使いだし、派手には見えない」「派手な色を使わなくても自分で考えてコーディネートし、個性を主張する」と、パッと見米良美一にしか見えないド金髪の江原さんがおっしゃっても説得力ゼロです!

■京都って、怖ェとこだなァ……

 今月をもって連載「豆涼さんの『祇園ごよみ』」が終了します。祇園の人気芸妓・豆涼さんが四季折々の京都を紹介するという人気企画。この豆涼さんが誌面に登場するだけで一気に「覚悟しいや」の世界になり、筆者などは京都の四季そっちのけで楽しんでわけですが、最終回にはスペシャルゲストとして「以前から親交のある」女優の中谷美紀が登場。その名も「中谷美紀さんと、大人の京都”はんなり女子会”」です。

 顔に凄みのあるおふたりですから、対談もまた然り。「美紀ちゃんと知り会うてからまだ1年ぐらいのお付き合いですけど(中略)初対面のときも初めて会うた気がせえへんどしたなぁ(豆涼)」「いつぞやは、雨に濡れた新緑も美しきお茶会にお誘いいただいてありがとうございました(中谷)」。中谷さん、日本では明治以降言文一致のはずですよ!

 やはりこの場は豆涼姐さんのホームということで、若干優位な試合運びに。「四季折々の表情が楽しめるのが京都の魅力やけれど、敷居が高いともいわれるんどす。でも、伝統文化のことも美紀ちゃんはよく勉強してはるし、すごいと思う!」という豆涼ローキックを、「いえいえ。涼さんが相手にしているのは何百年という伝統なので、背負ってるものが違います」と、いなしながらコーナーに追い詰めるデストロイヤー美紀。京都というリングで、和服という戦闘着を身にまとい、”はんなりキック”や”どすえパンチ”を繰り出すおふたり。たった1ページの対談にもかかわらず、読みおわる頃にはコッチが息切れしました。

 先月号では、雨宮塔子と中村江里子が「タイマンin PARIS」を繰り広げておりましたが、京都もまたアラフォー女を狂わせてしまう魔窟。自分を見失わないようにしたいものだと心をあらたにした次第です。

 2011年は顧客の入れ替わりや編集長の交代で大幅な変貌を見せた「STORY」。筆者も徐々に(というかほぼ)「STORY」世代に近づいているという現実も踏まえ、2012年の「STORY」がどんな驚きの仕掛けを見せてくれるのか、楽しみでなりません。林真理子先生は……いや、どうか、そのままで。
(西澤千央)

「STORY」

帰省コーデは「VERY」の方が狂っている

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