[女性誌速攻レビュー]「HERS」12月号

ズル可愛卒業の「HERS」と、片山さつきハマトラを脱せない読者の温度差が気になる!

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「HERS」12月号(光文社)

 先月号の「HERS」で、萬田久子が「ズル可愛は卒業」と発言し、シンプル路線への移行に躍起になっていましたが、今月号も浮かれモードを封印して大人の女路線を突き進んでいるようです。ただ、齢50を過ぎて今更「可愛い」を卒業して「大人」って言われても……という気も若干してしまいます。

<トピック>
◎萬田久子さん「愛しいのはセクシーで可愛い服」
◎SNAP関東VS関西 ”主役はブーツ”でお出かけスタイル
◎山田美保子の「世間が気になる」 岡野あつこ

■「不惑」をとうに過ぎてもまだ悩む

 第一特集の中での「自己分析 萬田さん”シンプル化現象”の真実」によると、「ほら、シンプルな服こそ、自信とともにその人流の個性が映し出されるものだから」とか、「私も、50歳になる頃にカッコイイで通してきた萬田久子を一度壊して、内に潜む”女の子”の部分をカミングアウトして十分はじけたから、今はもう一度”本当の自分”を確かめたいときなのかもしれません」などと、分析ならぬ言い訳めいたことを言っています。”ズル可愛”とはそこまでして封印したい過去なのかと勘繰りたくなる勢い。50歳を過ぎて、また一からカワイイにいったり、シンプルな本当の自分を見つけないといけないなんて……、閉経したり更年期障害に悩まされるような年齢になっても、20代の女性と同じような悩みを抱えて生きていかないといけないなんて、女の人生が長すぎてくらくらしてきます。

 よく考えるとシンプル路線に移行した萬田を見ても、いい年して「ズル可愛」と言っていたときのような心のザワつきは感じません。ちょっと寂しい気もしますが、むしろ「ズル可愛」と言っていたときよりも違和感が減ったことで、年齢や若さという概念とは別の次元で見ることができるのかもしれません。

夫の存在は偉大なり

 この特集のパート2ではスナップに力を入れています。しかし、萬田の”自己分析”や、”本当の自分探し”にかける気合いに比べればちょっと物足りないのか、シンプルというよりは、着こなしに”過去の栄光”にすがる媚態がまだ見え隠れしています。「HERS」がいろんな言葉でシンプル回帰を啓蒙したところで、世間は急な変化に対応するのも難しいし、もっと言えば、女というのは若いころにちやほやされた人ほど”過去の栄光”からは逃れられない生き物なのかもしれません。

 スナップを見る限り、片山さつきばりのハマトラ全盛期を思わせるレイヤーきつめの髪型の方から、特に”過去の栄光”への執着が強いオーラとなって漂ってきます。さつきヘアーの方々は、いまだにひざ上ミニスカにストッキングにブーツという出で立ちで、頭にサングラスを乗っけているのが特徴です。

 そういえば、「美ST」(光文社)の2011年12月号「美しすぎる大同窓会」特集に寄せた柴門ふみのコラムに、「女は、かつてぱっとしなかった男子が感じ良くなっていたらちゃんと評価してあげるのだが、男はいつまでたっても昔自分が可愛いと思った女しか認めない傾向がある」「過去地味だった女が今どんなに洗練された美女になっていても、過去の女王様(今は衰えている)にひれ伏してしまう」と書いてありました。いかに男性が第一印象や”美しき過去”をひきずっているかが分かる一文です。ただ、それは同級生や昔から知っている人に限ってのこと。日常というのは日々変化しているわけで、新たに出会う人にとっては”過去の栄光”なんて関係ない。ということは、”過去の栄光”にすがる気持ちが透けて見える人は、過去に出会った一番身近な男=旦那に対しての栄光を古いものにしたくないという気持ちから、今風ではないファッションに固執しているのかもしれません。

 そう考えると、こじつけかもしれませんが、萬田が内縁の夫と死別してから急にシンプル路線に変わった理由ともつながってくるような気がします。

歳の差婚の悲哀は日常に宿る

 今月で山田美保子の連載「世間が気になる」は最終回だそうです。今回は、夫婦問題研究家・岡野あつこさんが登場して「24歳年下ダーリンとの結婚生活・その実感は!?」というテーマ。

 この岡野さん、「離婚相談所を開き、20年間で2万人の女性に力を与えてきた」というだけあって、山田と読者への腹の見せ方が絶妙です。ダーリンの妹(既婚・29歳)を納得させるために、結婚生活の悩みを無料でカウンセリング、見事に妹を自分のファンにして味方につけることに成功したり、年下のダーリンを射止める際にも「女性が年上の場合は、愛や恋だけだと弱い。尊敬がポイント」と思い、彼女が校長を務める「離婚カウンセラー養成スクール」に彼に参加させたりと、さすが2万人の相談に乗ってきただけある! と思わせるエピソードを豪快にさらしたかと思えば、自虐ネタだってきっちり暴露。

 岡野さんのダーリンは、「自分のタオルと下着は分けて洗う」ほか「もちろん私の分はよけて」洗濯するそうです。これに対し、悪く考えれば「年上の私のものは、そんなに汚いの?」とケンカを売ることもできるけど、そういう「品種」なのだと理解していると語ります。まるで、「女子高生に、一緒に洗濯するのイヤ!と言われてしまうお父さん」並みのせつない話でもありますが、語り口がカラっとしているので悲惨さがない。

 芸人のシルクや磯野貴理子のように、最近は一回りも二回りも年下の彼氏と交際中の女性が話題になっていますが、実はそんなギャップに悩まされているのか……と下世話な好奇心を一気に満たしてくれました。
(芦沢芳子)

「HERS」

「過去の栄光への執着」を「純愛」に置き換えるのが男性ですから

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