[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」11月22日号

「生涯現役」の弊害・四十二病で溢れ返っている、「婦人公論」の40代特集

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「婦人公論」(中央公論新社)11月
22日号

 東日本大震災後、5月22日号(5月7日発売号)から表紙に「日本に希望を 女性の力を信じて!」というスローガンを掲げてきた「婦人公論」でしたが、前号からなくなりました。半年を節目にやめたようです。女性誌には珍しい硬派な被災地ルポ、女性目線の原発報道などを掲載してきた雑誌なのですから、読者に意識付けするためにもあと数年くらい掲げ続けてもよかったのでは? 復興にはまだ時間がかかります。あのスローガンの復活を希望します。

<トピック>
◎特集 40代から人生が開ける人、行き詰まる人
◎水野美紀 裸になるより、さらけ出したいものがある
◎チャンミン(東方神起) 情熱だけは誰にも負けない

■「まだ、これから」の弊害

 特集は「40代から人生が開ける人、行き詰まる人」。45歳で直木賞を受賞した浅田次郎、43歳で直木賞を受賞した木内昇、約10年間の潜伏期間を経て44歳で再ブレイクを果たした岡本夏生のインタビューのほか、六角精児と小島慶子の対談など、華々しく活躍している面々が登場しています。それぞれ30代40代の苦労話を語ってておもしろいんですが、そもそもこのテーマに疑問が募ります。昨今の女性誌では、「年相応」や「年甲斐もなく」といった言葉がゴキブリのごとく嫌われています。その代わり、「年齢なんて、ただのナンバー」(←平子理沙が言ってた)や「生涯現役」(←ノムさんも言ってた)という言葉が礼賛されています。40代なんてまだツボミ。しかし、そうやって公然と”タイムリミット”をとっぱらった結果、「私の人生これでいいのかな?」と自分探しの旅を延々と続けてしまい、結局まだどこにもたどり着けず不満だけが募っている38歳も意外と多いんじゃないでしょうか(筆者のことですけど!)。

「夜中に仕事仲間と飲んでいて、ふと、『私の人生って何だったんだろう』という思いがあふれてきたんです。結婚して、子どもを産んで、離婚して、再婚して、また離婚……。好き勝手に生きてきたように見えても、ただ仕事と子育てに没頭していただけ。私の人生には心からワクワクできるものがない、と気づいてしまって」

 これは、特集内のルポ「アラフォーアイドル『サムライローズ』の爆発力」で、リーダーのサラさん(45歳)が語った言葉です。「サムライローズ」は、35歳から59歳までの素人女性によるアイドル集団。いわばAKB中年版で、ミニの衣装で歌い踊り、メジャーデビューも果たしています。人材派遣会社を自ら経営するサラさんは、娘が就職し巣立ちの時期を迎えたところで、「アイドルになりたかった」という夢を叶えるべく、企画プロデューサーの泉忠司さんとともにグループを結成しました。一昔前なら「いい年して……」と笑いものにされたでしょうが、エイジレス礼賛時代は比較的肯定的に、特に「婦人公論」では多くの女性たちの心を解放する勇気ある行動として扱われています。

 そういえば、美容誌「美ST」(光文社)でヌードになったアラフォー読者も、同じように「子育てだけで自分のやりたいことは何もしてこなかった」「自分のやりたいことや幸せを探したい」とコメントしていました。なんなんですかね、この現象。早期更年期障害か、中二病ならぬ四十二病か。仕事もあり子どももいて、なぜ人生に虚しさを感じてしまうのか。虚しさを解消する方法が、なぜアイドルや美魔女やヌードなのか……。意外と単純にいつまでも他人から見られたいという女の悲しい性なのかもしれません。

 特集内のインタビュー「苦しいときこそ力を抜いて 自分を遠くから眺めてみる」で作家の木内昇は次のように語ります。

「よく、『○○ちゃんのママ』とか『××さんの奥さん』と言われるばかりで自分の名で呼ばれなくなった、人格をなくしたようだ、という悩みを耳にします。でも『○○ちゃんのママ』というのは、作家のペンネームや『部長』『課長』といった会社での肩書きと同じく、社会的役割を反映した呼び名なわけです。(中略)主婦は子育てや家を守るという大役を担っているのですから、その役名にもっと誇りを持ってもいいのではないかと思います。人を育てるというのはなによりすごい仕事だし、表立って評価されることは少ないかもしれないけど、暮らしの中で培われていく力って、それはそれで素晴らしいものですから」

 正論だけど、違和感を感じました。やっぱり「○○ちゃんのママ」じゃなくて「私」だけを見てほしいし、表立って評価もされたい。物心ついたときから女同士で張り合ったり服や小物を誉め合ったり、女性誌を熟読して異性の気を引くことに苦心して、優越感と劣等感の間で揺れながらアイデンティティーを確立してきたんです。加齢したからって家庭なんて外から見えないところに幸せを求めろと言われても、満足できるわけがありません。他人から分かりやすく見える幸せがほしい! ママ友から同窓生からみんなから「いーわねー」って言われたい! そんな幸せを求めて60になっても70になっても「私の人生って何だったんだろう」とつぶやき、こういう特集を読むんだろうなあ。と思ったら、だんだん暗い気持ちになってきました。

芸能界の世知辛さが垣間見える

 東電OL殺人事件に触発されたという園子温監督の最新映画『恋の罪』でヌードになり、話題となっている水野美紀のインタビューが掲載されています。「裸になるのは簡単なことなんです。服脱げばいいだけですから」と語る水野。ともさかりえの元夫で、演出家兼俳優の河原雅彦との交際については「まあ、順調ですよ」と答え、

「近ごろよく考えるのは、籍を入れると何がどう変化するのかな、とか。ここに子どもがいたらどんなものなのかな、とか」
「相方は、私の仕事については誰よりもわかってくれる人。だから、『仕事をやめろ』とは絶対言わないでしょう。が、『大変そうだから、家事を手伝うよ』と言ってくれる人なのかどうかは未知数」
「私が向こう2年間大殺界なので、アクション起こすならその後なのかな、と思ったり(笑)」

 と、かなり具体的に考えていることをうかがわせます。バーニングプロダクションをやめたことについては、「05年に大手事務所をやめて独立しました。仕事が来る保証などなかったし、独立後、大変な時期もあったけれども、あそこで思い切ったからこそ、今があります」とサラリと触れていました。そのあとの藤原竜也インタビューも、「僕なんて敵だらけの人間ですから(笑)、明日にはいなくなるかもしれないという危機感は常にあります」「同世代に刺激をくれる俳優さんがたくさんいますが、彼らから『ちょっと飲みに行こうよ』と誘われたら、逡巡する瞬間はあります。なぜなら、一緒にいると嫉妬してしまうから(笑)」といった本音が語られ、それぞれ作品からはうかがい知れない役者の心情を素直に話していて好感を持ちました。

 次号の特集は「スッキリ捨てて、運を呼び込む!」。運気がどうのこうのは興味ないのですが、「読者手記 汚部屋でかいた、忘れられない赤っ恥」が楽しみでたまりません。
(亀井百合子)

「婦人公論」

寂聴さんは真正のアイドルですから!

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