[女性誌速攻レビュー]「家庭画報」12月号

家柄、血筋を欲する中流家庭に「家庭画報」が「成金返し」の罠を!

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「家庭画報」12月号(世界文化社)

 皆さま、アンニュイな昼下がりをいかがお過ごしでしょうか。この気持ち悪いセリフは、假屋崎省吾が生けた花をバッグに語っていると想像ください。なんといっても、女性誌レビューに「家庭画報」(世界文化社)が初登場です。そりゃ花も背負いたくなるわ。

 ご存じのとおり、経済的に恵まれているミドルエイジの最高峰というべき雑誌、それが「家庭画報」。常に表紙には「宮家ゆかりの~」「茶人の粋」など、成金をひるませるための「ねずみ返し」ならぬ、「成金返し」が仕掛けられています。そうです、「家庭画報」において経済力の高さは当たり前。むしろ、「家柄」「血筋」といった、「選ばれし者の優越感」が雑誌丸ごとコーティングしているような世界。ただ、実際に「選ばれし者」の割合は半数以下で、あとは良家ソサエティーに片足だけ突っ込む資格を得た人と、それに憧れている人、というのが実情ではないでしょうか。上流に憧れる中流家庭、というのは実はメンタリティーにも厄介なもの。ベンツや家はお金があれば買えますが、「家柄」「血筋」はどうやっても買えない。その渇望こそが歪んだ自意識となり、「上」へ対する劣等感と「下」に対する優越感の間で行ったり来たりし、二重の苦しみとなりそうです。ま、想像ですけど。というわけで、ハイソサエティーの内幕を覗いてみましょう!

<トピック>
◎「器」の心に触れる
◎母と息子の肖像
◎パリ発―花で祝うクリスマス

■「おいし~い」の甘えた声が許されぬ世界

 それでは、今月号の特集「『器』の心に触れる」を見てみましょう。尾形乾山、北大路魯山人が並ぶページには、この企画における名器の定義付けが書かれています。1.時代を経て評価されたもの、2.一般的に広く認知されたもの、そして3が肝心です。3.名陶ではあってもあくまで食器であること。つまり「名陶を使うことができる人」向けの企画ということです。「名器」と聞いて、アッチ方面を想像しちゃった人!! 「家庭画報」から出禁食らいますから、気をつけてください。

 そして、「名器で味わう至極の贅」では、京都・名古屋の名料亭3軒の料理と名器が紹介されています。つまりこれ、どういうことかと言いますと、「うちは名陶を食器として出せるお店どすええ」という料亭さんの矜持と、「味がいいのは分かります。そして、その器の意味も理解したうえで『美味しい』と申し上げてます」という客(=「家庭画報」読者)のプライドによる静かな戦い。料亭というのは実は気付かねばならぬポイントが多く、掛け軸や生花といった「しつらえ」を愉しみ、献立を見ては料理の意味や食材から季節感を得て、料理がくれば器との相性を見る。それができなければ、無粋。こういった様式美は、良家の人は大好きなんです。だって、自分自身が「格式」や「先祖代々の~」といった様式美を守ってきたんですから。

 と語った舌の根も乾かぬうちに、コシノ洋装店で生まれ育ったコシノジュンコが古伊万里や青磁を語っていました。さすがにコシノジュンコぐらい世界で認められた人であれば、「家庭画報」に登場できるのですが、自身の才能だけで成功できる人はいないもの。それより、コシノジュンコと並列で名器を語っている伊藤邦英さん、肩書が「趣味人」となっていて惹かれます。魯山人の器を多く所有するコレクターのようですが、無粋な興味(「何して稼いでいるんだろう」などの類)を寄せ付けぬ凛とした表情が、「語りすぎる男」石坂浩二との差を生みだしてます。本物は違うわー。

「血」を守られねばならぬ人々は疲れそう

 親子対談「母と息子の肖像」には、藤間紀子と息子の歌舞伎役者・市川染五郎が登場。今回が「母と息子」シリーズの最終回とのことですが、「家柄」を愛する「家庭画報」において、「血」こそがすべての上に君臨する歌舞伎の住人をもってくるとはさすがの配慮です。香川照之はまだバタバタしてるから、この手のシリーズに登場するにはまだ時間がかかりそう。

 今月号には、遠い昔に染五郎が捨てた女優・寺島しのぶが登場してますし、もちろん対談の中でも染五郎の隠し子騒動のことなんてビタイチ触れられていません。「高麗屋」をどう守り、どう発展していくかということに終始しています。筆者のような一般人には抜き出してまで紹介したい言葉はないのですが言葉の端々から感じる、「この家を守ってきた」というプライドと緊張感に同調する人は多いのかもしれません。そう考えると、やっぱり歌舞伎役者と「家庭画報」読者の親和性は抜群かも。

 ほかにも今月はクリスマス間近ということで、「パリ発―花で祝うクリスマス」という企画もあります。パリにまで行って何をしているかというと、これまた「ロペス家」という名家と思しき家のデコレーションを紹介しているのです。また「家」かよ、と舌打ちなさらないで!! 食傷気味のあなたには、上田宗箇流家元と永青文庫館長の「茶の世界」対談がありますよ! もう筆者には何を語り合っているんだかわからないぐらい高尚な世界。「鎖の間は書院の茶のルネッサンス」といわれて100%理解できる人がいらしたら、どうかお声掛けを!
(小島かほり)

『家庭画報』

篠山紀信が撮るフィギュアスケーターの素顔、の企画で今月号は順調

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