噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第95回】

橋田壽賀子はポスト森光子? 橋田ファミリーとジャニーズの蜜月

2011/10/04 22:00
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「女性セブン」10月13日号(小学
館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第95回(9/30~10/4発売号より)

宮城県の知り合いから聞いた話に驚いた。「今年はイノシシを食べられない。大量の放射性物質が検出されたから。イノシシは土の中のミミズやどんぐりを食べて内部被曝したんだ。熊は大丈夫だったようだよ」。人間が管理しない野生動物の大量被曝だ。人里離れた山が自然がどんどん汚染されていく。来年の山菜など、絶望的かも。

1位 「一門襲名で幕を開けた香川照之と”猿之助恋人40代”が画策する故藤間紫さんへの復讐劇」(「週刊女性」10月18日号)
2位「恩讐45年、猿之助”火宅の父”が帰るまで」(「女性自身」10月18日号)
3位  「橋田壽賀子さん86才の私3時間立ちっぱなし SMAP『神様の魅力』」(「女性セブン」10月13日号)

 香川照之の歌舞伎界入り会見を見てテレビに釘付けになった。だってあの会見はまるでホラーだったから。45年も蔑ろにされ、あげく身体の不自由になった父親の面倒を甲斐甲斐しく見る息子。しかも最近になって同居まで始めた。家庭は一種の密室である。体の不自由な憎き父親の生殺与奪を完全に握った香川。完全勝利である。年老いた父親は優しくされればされるほど、甲斐甲斐しくされればされるほど、恐怖を感じるのではないか。あれよあれよと全てを息子に牛耳られてしまった。出て行きたくても、自分の意思は通じない。しかも息子は東大出の頭脳を持つ男。どんな策略を考えているのか――。キャーーッ! そんな人でなしの妄想をして、ひとり盛り上がってしまった。怨恨、裏切り、血縁、役者、絡み合った愛憎、プライド、確執、ドロ沼の人間模様――名門芸能一家の裏事情に加え、今後は、どんな展開になるのか、大変恐ろしいことが起こるのではないか。”人の不幸は蜜の味”興味でワクワクドキドキ。まさに女性週刊誌向きネタの発生である。

 まずは事件の概要を簡単に説明したい。歌舞伎役者・市川猿之助と女優・浜木綿子の間に生まれた香川照之だったが、父は師匠で家元の”妻”藤間紫への想い絶ちがたく、2歳の息子とその母を捨て出奔した。母親とふたり、必死に頑張り東大を卒業して、日本を代表する俳優に成長した。結婚して長男も生まれた。その頃、父は病に倒れる。その父を引き取り介護までして、長男のため45歳にして歌舞伎の世界に足を踏み入れる香川。周りからは茨の道といわれても、全ては父や息子、そして”歌舞伎の血”を守るため。簡単すぎるが、愛人やら血縁が入り乱れ、事は複雑怪奇だから、このくらいで仕方ない。歌舞伎の世界はいつも複雑だし。

 その複雑怪奇さは、これを取り上げた『週女』と『自身』の切り口を全く違ったものにした。一方は美談で、一方は復讐劇だ。

 そもそもワイドショーでは完全に美談仕立て、一様に応援ムードだった。その空気は『自身』を読むと分かる。母・浜木綿子が語る”涙の家族ドラマ”とタイトルにあるように、「私も幸せな気持ちになった」「とっても嬉しいです」という浜木の好意的コメントを掲載、さらに今回の父子和解劇の裏に、父を略奪した紫の存在がある(!)とまで書いている。いわく紫が病床で「もういいんじゃない?」と口添えしたこと(歌舞伎関係者)で、今回の関係修復が実現した。だから今回のことは紫から猿之助への”最後の贈り物”だったと。そして最後に「今、父帰る」と結ぶのだ。いろいろあったけど、結局はよかったね。結果オーライ、ってやつである。登場人物もみーんないい人、許し合い、仲良しになったから一件落着、チャンチャンである。素直といえばそれまでだが、全くひねりがない。芸がない。

 一方の『週女』を読むと様子は一変する。関係修復は紫に対する”復讐”であり、そのキーパーソンは猿之助の恋人A子さん(40代)だというのだ。この物語も恐ろしく複雑だ。

 周囲から交際を反対されているA子さんだったが、現在では猿之助を完全なる支配下においている。邪魔なスタッフを辞めさせるなど、まさに女帝そのものだ。だがそんなA子さんに、香川はある計画を相談する。まず猿之助の甥である亀治郎に”四代目・猿之助”を襲名させ、その後に香川の長男を継がせるという謀略である。長男を是が非でも梨園に入れたい香川とA子さんの思惑が一致した。なぜなら、紫は生前「血縁関係のない右近を後継者にしたい」と言っていた。しかし右近は猿之助とA子の交際に反対だった。右近が継げばA子の居場所はなくなる。「父を奪った紫は憎い」と思っているであろう香川と、A子の利害一致でもあった。現在A子も一緒に同居しているらしい。市井の庶民からしたら窺い知れない家族の肖像だ。

 香川の血への執着心にも驚くが、それ以上に 『週女』ではA子さんをどこまでも酷い人間、ヒール的存在としてクローズアップした。これはなかなかナイスなセンスである。”敵”の存在は物語には不可欠だ。一門からは相当嫌われているらしいA子。どんな悪者なのか。もっとキャラを知りたい!! 美人なのか? 財産狙いか!! 高嶋政伸・美元離婚と同じくらい、今後もA子さんの動向は要注目したい。

 結成20年にして初の海外コンサートを行ったSMAP。その北京コンサートに脚本界の大御所・橋田壽賀子センセイが駆けつけた! というわけで、橋田センセイ自らがSMAPコンサートの様子を実況中継かと思いきや、そういう記事ではない。コンサートは導入部分だけ。橋田センセイがSMAPとの関係を自慢そうに話す企画なのである。何でも橋田センセイは中居の大ファンで『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で一緒にレギュラーを勤めた時は「天にも昇るような気持ち」になった。香取とは同じく『いいとも!』繋がりで、その後も毎年盆暮れ誕生日などにプレゼントが届くという。草なぎは橋田ドラマの主演になり、熱海で一緒にステーキを食べた(キムタクと稲垣はそれほど親しくはないらしい)などなど、いつものコワモテとぶりとは一転、うれしそうにハシャいでいるのだ。よっぽど『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)から解放されてうれしいのか。しかし何だ、この企画。しかもトップから2番目の特集記事なのだ。だが、もしや、と思った。

 橋田センセイとジャニーズの関係は意外に深い。『渡る世間~』には東山を筆頭に少年隊全員、岡本健一、TOKIO城島茂、山口達也、国分太一やJr.などが歴代出演しているのだ。ジャニーズの多くは橋田ファミリーでもあったのだ。そして”今”である。何しろ、長年ジャニーズタレントと蜜月関係を築いていた”おばさま”である森光子が体調不良で入退院を繰り返している。橋田は森より5つも年下。体力もありそうだし、まだ時間はある。チャンス!! そう、橋田センセイは森光子の後釜を狙っているのでは!?

 今週は妄想が走り気味である。

『渡る世間は鬼ばかり パート1 DVD-BOX 1』

渡鬼の打ち上げレポートも載ってます

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最終更新:2011/10/04 22:07
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