爆発的ヒットの裏側を検証

他人に見えやすい結果が決め手? 男性頭皮ケア市場の展望

skarupd.jpg
「スカルプD」HP

 いま、男性コスメ市場の中でも突出して「男性の頭皮ケア」が熱い。続々と新ブランドが投入され、大物俳優が広告に登場するなど、飽和状態だったビューティー業界に新しい風が吹いている。「男が、外見を気にするなんて」という時代は、とうに終わりを告げていたことを実感するこのブーム。どのように男心を刺激し、消費行動へと移させているのか考えてみたい。

■なぜ男は、頭皮ケアにお金を落とすのか

 今まで、メンズコスメにまったく興味を示さず、お金も落としてこなかった男性が急に頭皮ケアを始めようと思う理由。「明らかに、髪が薄くなってきた」「同い年の友人が急激に老け始めた」「父親が薄く、遺伝的に自分もそろそろ……」など理由はさまざまであるが、老化現象が分かりやすい急激に現れる部分だということが一番の理由だろう。

 男性の場合、シワも魅力のうちになり、シミも渋みや年輪に置き換えられないこともない。しかし、髪が薄くなることは自分で想定している以上にビジュアルが変化することであり、脱毛という見えやすい「老化」に耐えられない男性が、少しでも予防しておきたいという心理が働くのではないだろうか。

■薄毛予備軍の心理をつかみ大成功を収めた「スカルプD」

 薬用シャンプー「スカルプD」は自社製品を使って薄毛を克服したお笑い芸人により、その知名度を高めた。頭皮のケアを身近に感じさせ、潜在的に悩んでいた薄毛予備軍の購買意欲を刺激したのはいうまでもないが、さらに国民的アイドルSMAPのメンバーを起用したのが大きい。

 アイドルとはいえ、老化は止められないという事実。また、頭皮のケアは当然のエチケット、という具合に自然に勧められたことで、薄毛予防をする気恥ずかしさや、後ろめたさが一気に払拭され、背中を押された男性も多いことだろう。「スカルプD」はマーケティング能力により、業界でも一歩リードしているといわざるを得ない。

 後発でありながら浅野忠信や豊川悦司ら大物俳優を起用し、話題になっているのが「リガオス」だ。「頭皮を洗うだけのスカルプケアでよいのか?」という商品コンセプトにもあるように、「スカルプD」を強く意識している。価格は「スカルプD」より安く設定し、内容量も多い。髪や頭皮に悩みのない一般層にはそれでも高めの価格だが、悩みを持つ層には使い続けられる、もしくは今の商品から乗り換えやすい価格といえる。「スカルプD」がこのまま王者でい続けるのか、「リガオス」が追い越すのか、男性ヘアケアブランドの熾烈な争いの行方に注目したい。

■ヒットの秘密は「夢」を買うこと

 特にビューティー関連の商品には、男女問わず「これを使えば今の自分が変わるかも」「モテるようになるか」という夢を持てる、夢を買える商品にはお金を投下する傾向にある。しかし、男性の場合、期待値が低いものには投資しにくい。メンズコスメが爆発的なヒットに結びつかないのは、そのあたりに原因があるのではないかと思う。スキンケアを地味に毎日やったところで、その効果は他人からは「見えにくい」。スキンケアを続けて肌の色が明るくなったところでモテるのかと考えると、モチベーションが上がらないのもうなずける。女性は、地道なことが後に大きく花開くと信じてやっているが、その美容に対する執念は男性にはないだろう。

 一般的に、「男性の消費者のほうが、ひとつ気に入った商品があると、それを買い続ける傾向にある」といわれている。メーカーからすれば、リピートし続けてくれる大変ありがたいお客様ということになる。

 しかし、男性はその分結果に対しては手厳しい。特に悩み商材に対しては「なんとなくこれを使っている自分が好きで満足」という選択肢はないと思ったほうがいい。費用対効果をシビアに見定める男性たちの期待に、これらの頭皮ケア商品がしっかりと応えていけるのか、にかかっている。

恩田雅世(おんだ・まさよ)
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。
■公式ホームページ「オンダメディア」

『スカルプシャンプー プレミアムXL 500ml』

とりあえず、SMAP担当は買いでしょ!

amazon_associate_logo.jpg

【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】
異業種参入のビューティ業界、化学的根拠と”女ごころ”を掴んだヒット作はコレ!
資生堂「IN&ON」に見る、化粧品と美容医療のバランス
“幸せマインド”を作る、姫系コスメの実力

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク