[TVツッコミ道場]

太陽のように輝く朝ドラヒロインの、人を哀れむ目線のおかしさ

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『おひさま』公式サイトより

 今回ツッコませていただくのは、8月25日放送分のNHK朝ドラ『おひさま』。ヒロイン・須藤陽子(井上真央)の初恋の人で、満州に渡った川原功一(金子ノブアキ)がやつれた身なりで陽子の嫁ぎ先のそば屋にやってきたのだが……。

 そば屋の店内で、客がひとり静かに飲んでいるにもかかわらず、陽子の夫と義父母、近所のオバちゃんは、客そっちのけで、宝くじの話題で盛り上がる。そこへ、ヒロイン・陽子が登場。店内で家族全員+ご近所さんが一緒になって、わいのわいのと、大盛り上がり! 隅っこにいた客(川原)は、とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、「ふざけるな!」と怒鳴る……という展開だった。

 ここでは「満州で妻を亡くし、すっかりやさぐれ、落ちぶれた川原さんとヒロインの再会」を描いているらしいのだけれど……なんかおかしく感じられる。お客さんがいるのに、店のど真ん中で店員だけが盛り上がっているようなそば屋に、再び行きたいと思える人って、どれくらいいるのだろうか。常連と店員だけで長々とくっちゃべっているような店では、他の客は疎外感を覚えてしまうというのは、よくあるケース。ましてまだ復員していない人も多数いる時代に……。

 店内での店員たちの大騒ぎに対し、怒鳴った川原さんの怒りは、ごくごく普通だと思うのだが、それがヒロインのフィルターを通すと「哀れな人」に見えてしまうらしい。さすが「太陽の陽子」(キャッチフレーズ)だ。

 それにしても、脚本家・岡田惠和先生は、とにかく”ガールズトーク”がお好きなようで、陽子の女学生時代は、ご学友(満島ひかり、マイコ)とのキャピキャピシーンが厚く厚く描かれていた。しかも、なぜか”ガールズ”限定ではないようで、須藤家の男たち(父と兄ふたり)が集うシーンも、やっぱりキャピキャピ。ガールズトークをあまりに重視しすぎて、ヒロインが師範学校に通っていた時代は、一瞬で終わってしまったほどである。そして、陽子が結婚し、子持ちになってからも、やっぱりガールズトークは続いている。

 主に繰り広げられるのは、陽子と義母(樋口可南子)の間で、そこに、近所のオバちゃんたち(白川由美、吉村実子)も加わる。関係性を問わず、何度も繰り返されるガールズトークは以下のパターンが定番だ。

「○○ですって!」
「ふーん、じゃ、△△ってことかい?」(ニヤニヤ)
「もうっ、□□さんったら! からかわないでください!」(赤面)
「ぷっ、アハハハハ」(一同爆笑)

 義父母と同居にもかかわらず、「授乳のため」と赤ちゃんを職場に連れて行っていたのもどうかと思うが、「太陽の陽子」フィルターを通すと、赤ちゃんの泣き声にイライラする職場の同僚たちも「哀れな人」に見えていたのだろう。

 NHK朝ドラヒロインは、いつも「上から目線」のお嬢ちゃんが多いというのもひとつの特徴だが、『おひさま』陽子も例外ではなく、毎日自分だけがキラキラ輝いています。
(田幸和歌子)

『連続テレビ小説 おひさま (NHKドラマ・ガイド)』

サイ女もいつも「上から目線」って勘違いされる

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