『田中さんちの白米ちゃん』レビュー

読めば読むほど味が出る!? 擬人化された食卓ドタバタコミック『田中さんちの白米ちゃん』

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『田中さんちの白米ちゃん』(竹書
房)

 ”トイレにはキレイな女神様がいる”と歌った曲が去年から今年にかけて大流行したのは、おそらく日本人の魂に刷り込まれた言葉だからだと思う。トイレにも、その辺に落ちている石ころにだって神様が宿っているという古き良き日本人の感性が多くの人の心に届いたのだろう。”トイレに女神様”説は聞いたことがないけれど、”米粒の一つ一つに神様が宿っている”説はおなじみの話じゃないだろうか。親にそんなこと言われたな、とふと思い出させてくれるのが、食卓擬人化コメディーマンガ『田中さんちの白米ちゃん』だ。

 主人公は色白もっちり、あきたこまちの白米ちゃん。ごく普通の独身男性・田中さんの家で炊かれる、擬人化されたお米の女のコで、田中さんにおいしく食べられるよう、いつでも健気に頑張っている。田中さんは今ドキめずらしく、よく自炊をするため、他にも擬人化されたキャラクターがたくさん出てくる。田中さんに情熱的な想いを寄せるみそ汁ちゃん、男か女か分からないたこさんウィンナーさん、よく猫に狙われているアジさん、温室育ちのトマトちゃんなどなど……。

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 ゴハンなんて食べられちゃえば消化されちゃってハイ、おしまい。……となる気がするが、田中さんがあきたこまちを買い続ければ白米ちゃんはずっと田中さんの家にいられるらしい。田中さんならいつまでもあきたこまちを買い続けてくれるに違いない……とピュアなハートで強く信じている白米ちゃんの姿は、お米の品種なんか気にせずスーパーで一番安物を買っている筆者の心をチクリとさせる。

 また、田中さんの同僚で、木下さんという美人で気立てのよい職場のアイドルがいるのだけど、木下さんの持ってきたお弁当の具材たちは、調理を失敗されてまるで地獄絵図のように悶え苦しんでいる。おいしく調理してくれないと、食材たちはボロボロでフラフラな姿になってしまうらしい。

 そんな風に、食べ物に目線を合わせてみる世界は、思わず吹き出してしまう要素がたっぷり。幼い頃、親から「お米の一粒も残さずに食べなさい」と言われ、面倒だなと軽く舌打ちしていたけれど、残さず食べられて喜ぶ白米ちゃんを読んでいたら素直に残さず食べていたかも……? 国を擬人化したコミック『ヘタリア』(幻冬舎)や祝日を擬人化した『カレンダーボーイ』(新書館)とは、またひと味違う噛み応えの『田中さんちの白米ちゃん』。日本人なら、読めば読むほどこの味に共感できるはず。

『田中さんちの白米ちゃん 1 (バンブーコミックス)』

無洗米のやすいやつしか買ってません……

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