イケメンビジネスの行方(前編)

視聴率の不振、共倒れする雑誌……飽和状態のイケメンビジネスはどこへ?

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赤西仁、KAT-TUN中丸雄一に囲まれる、幼き日のHey!
Say! JUMP薮宏太。層の厚みがジャニーズ帝国を支える

 7月に入り、夏の新ドラマがスタートした。今期は『花ざかりの君たちへ ~イケメン☆パラダイス~2011』(フジテレビ系、以下イケパラ)、『美男(イケメン)ですね』(TBS系)、『桜蘭高校ホスト部』(TBS系)など、若手イケメン俳優を大量投入した作品がそろっているのが特徴だ。しかし『イケパラ』は初回視聴率10.1%(2話目は6.0%)、『美男ですね』は10.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と芳しくない。

 多くのイケメン俳優を輩出してきた、『平成仮面ライダーシリーズ』の放送開始から10年以上が経ち、「イケメン俳優」が溢れる状況に。またK-POPスターたちの進出・人気拡大を受けて、イケメンビジネスは転換期を迎えている。そこで今後のイケメンビジネスの行方を多角的に検証してみた。

 イケメンビジネスの先駆者的存在といえば、やはりジャニーズ事務所だ。今期のドラマ『美男ですね』には、Kis-My-Ft2から藤ヶ谷太輔と玉森裕太、Hey!Say!JUMPから八乙女光が出演しているが、他の大手事務所とのイケメンの育成方法や売り出し方の違いはどこにあるのか。芸能レポーターの城下尊之氏はこう語る。

「ジャニーズのタレントは歌って踊れるイケメンで、なおかつ面白いこともできるというのが基本です。だからライブでもコント的なコーナーを挿んでみたり、バラエティーの司会もこなせたりする。他の事務所はそれとバッティングして潰されないように、例えば阿部寛のようなモデル出身者など、ビジュアルに華がある人の中から演技力のある俳優を育てていく。そうした育成途中の俳優が『イケパラ』などの若手イケメンカタログ的なドラマに出演できれば、1話でもフィーチャーされる回があるなら事務所にとってもうま味がある、というわけです」

 イケメンの発掘・育成の流れとしては、ジャニーズ事務所は今もオーディションだが、他の事務所は『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』などで原石を探してブラッシュアップしていく、という形が一般的だ。

「まず舞台などに出してみて、個性が光る人に対して売り出しの道筋を作っていく。事務所もどんなタイミング、きっかけで売れるかわからないから、とりあえず人数を多く抱えているというのが現状ですね」

 昨今は五十嵐隼士らワタナベエンターテインメント所属俳優による「D-BOYS」の選抜メンバーである「D☆DATE」や、イケメン俳優がバンドを組んだ「ココア男。」など、ジャニーズ同様に音楽業界に進出するグループが出てきたが……。

「ジャニーズは常に人気のグループがいるので、そのバックダンサーなどに新人を付けて顔を売っていく。要は売れているうちに次のスターを作るんです。それとD-BOYSを比べると、人数が圧倒的に多くて次々に新グループを出せるジャニーズは有利。『ココア男。』も複数の事務所の俳優でグループを組むというアイデアは面白いと思いますが、露出が少ないですよね。テレビ局もジャニーズには気を使っているから、歌番組なんかで見る機会は少ないんじゃないでしょうか」

 ではテレビでなく、イケメン俳優をメインに扱う雑誌やムックはどうなのだろうか。「Myojo」(集英社)や「JUNON」(主婦と生活社)など、ジャニーズやバーニング系の事務所と懇意にしている雑誌は比較的安定しているが、こういった王道媒体もタレントブログやwebニュースの台頭で、年々売り上げが減少に転じている。そしてライダーや戦隊シリーズ、『ミュージカル テニスの王子様』(以下テニミュ)などに出演している、いわゆる腐女子層に人気の俳優を集めた雑誌の数も、やはり近年は減少傾向にある。あるアイドル雑誌の編集者はこう指摘する。

「ジャニーズファンなどと比べると数が少ない上に、似たような雑誌が増えて共倒れし始めたというのが原因だと思います。あとは、グラビアにコストがかかりすぎるということもありますね。イケメンはいくら素材がいいとはいえ、ヒゲ跡や輪郭のゴツゴツ感が目立つような人が意外に多いんです。腐女子層に受け入れられるキレイめなグラビアを撮るためには、ヘアメイクやカメラマン、スタイリストにまで高い技術が求められるし、結果としてコストも高くなってしまうんですよ」

 生き残った雑誌に共通する特徴としては、ひとつは少人数の俳優を取り上げて1人に多くのページを割く”ミニ写真集”的なものだという。

「これなら爆発的に売れなくても、特定の購買層が見込めます。ほかは『ザテレビジョンHOMME』(角川マガジンズ)や『PATi★ACT』(ソニー・マガジンズ)など、テレビ誌や音楽誌の別冊という形のもの。この場合は一度に2媒体分の取材が可能だったり、雑誌作りのノウハウが一緒なので、部数が伸びなくてもダメージが比較的少ないという利点があります」

(後編に続く)

『KAGEROU』

イケメンビジネスの限界をあらわした1作

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