芸能レポーター・石川敏男の芸能ヒミツ便り

チャリティーコンサートの主催はおいしい仕事? やり方が大胆なのは……

2011/07/14 21:00
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渡社長率いる石原軍団は信頼でき
ます

 日本に大きな爪あとを残した東日本大震災、そして福島第一原発事故から4カ月が経つ。一向に進まない復旧作業。原発事故は収束のめども立たない。そんな中、義援活動は続いている。物資を積んでトラックでいち早く被災地に向かった江頭2:50や無洗米10トンと饅頭1万2,000個を持って被災地を回った小林幸子(57)。坂本冬美(44)も数回ボランティアに参加している。八代亜紀(60)、和田アキ子(61)なども炊き出し、慰問活動を続けている。避難所生活を余儀なくされる人々にとっては、大きな励みになっているだろう。東北は演歌のふるさとと言ってもいい。被災地・岩手県陸前高田市で生まれた千昌夫(64)や岩手県大船渡市出身の新沼謙治(55)などを迎える地元の歓迎ぶりもすごい。

 しかし、気になるのは、義援金の振り分けだ。現地に赴き手弁当でボランティアを続ける歌手がいるかと思えば「ボランティア、チャリティー」という名を借りた活動もある。「東日本大震災チャリティーコンサート」と、銘打って都内の大ホールや会館で大々的に興行を打つ。「一部被災地に」という呼びかけで義援箱を持ち会場を回る。千円札が次々に吸い込まれていく。これが曲者なのだ。葬儀で頂いた香典を「○○基金に寄付させていただきました」と、どのくらい寄付したのかも知らせないで香典返しもしないようなものだ。人の善意で集められたお金は「○○円を被災地に送らせていただきました」と、はっきり言うべきだ。

 主催者が「チャリティー」と謳い、ゲストにはノーギャラで参加を呼びかける。しかし、実際は「一部が寄付」され、残りは主催者の懐に消える。名前は出さないが、芸能界で1番ケチといわれている年配の俳優・歌手が主催者になったイベントのときは、そのやり口が一番大胆になる。

「チャリティーと言われると断れない。その活動を応援したいし。でも、ノーギャラでこちらは参加しているんだから、集まった金額を公表してそのまま全額を被災地に届けて欲しい」(音楽業界関係者)

 これからも延々と続く被災地へのボランティア。チャリティーとした以上「一部」の寄付ではいけない。また、募金窓口にあたる日本赤十字社は集めた募金の17%、ユニセフは25%までが運営費として認められている。チャリティーや募金に感じる違和感に慣れてしまわないように、はっきりと金額を公表するよう声を上げていかねばならない。

最終更新:2013/04/03 18:46
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