[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」7月22日号

「40代は自分が主役」と「婦人公論」がバブル世代をズバリ解説

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「婦人公論」(婦人公論新社)7月
22日号

 今号の「婦人公論」の特集は「40代、50代、60代――女の転機を乗りこえる」。なんとなく既視感のある特集タイトルだなと思ってバックナンバーを見てみたら、今年に入ってから「40代からが女の人生の本番です」「40代から始まる妻たちの婚外恋愛白書」といった「40代から」系の特集をすでに4回組んでいました。40代は運命の分かれ道。更年期、親の介護、倦怠期、婚外恋愛、離婚、夫との死別といった数々の転機に、夫に振り回されることなく主導権を握りしめ生き抜く。それが「婦人公論」イズムです。ではさっそく中身を見てみましょう。

<トピック>
◎特集 40代、50代、60代 女の転機を乗りこえる
◎ルポ セックスを仕事の”武器”にし始めた女たち
◎帰ってきた昭和のアイドルs4

■「いい女は40から」を力いっぱい主張するものの……

 特集内の企画で最も興味深かったのが、「わたしたちの家族観・夫婦観・人生観」というページ。40~60代まで世代別の価値観を解説しています。その40代のページに掲載されていた44歳会社員の言葉がすごかった。

「昨年、43歳の誕生日に結婚し、息子が生まれました。それまでの私は、キャリア志向。25歳のときに英語をマスターしようと渡米して19年。35歳でMBAを取得、40歳で自分の希望していた企業へやっと転職できました。(中略)子どもが生まれた今、人生ではじめて脇役になることを体験しています。(中略)自分優先の人生をつき進んできたけれど、子どものために脇役になるのを嬉しく感じています」

 たった400字程度の体験記の中に「脇役」という言葉が2度も出てきました。しかも、我が子に対して「脇役を演じてやってんのよ」的な恩着せがましささえ漂っていませんか。解説文にも40代の「発想の原点は『自分が主役』。母や妻としてだけでなく、魅力的な女性でいるために、努力も投資も惜しまない人ばかりです」とありました。「主役」とか「脇役」って……マジですか。彼女たちの脳内にはおそらく「エキストラ」という区分も存在するんでしょうね。コワいっ! バブル世代(的な女性)の我の強さはあらゆる人類の中で最強ですね。その上「婦人公論」愛読者だったら、もう悩むことはないんじゃないでしょうか。「私は主役」というプライドだけでどこまでも突き進んでいけそうです。

 次のページには、「いい女ってやっぱり40からなんじゃない?」という鼎談記事が掲載されていました。沢村一樹や内野聖陽、高橋克典あたりが語ってくれるのであれば、気分もそこそこアガるテーマだと思うんですが、メンバーが南伸坊、嵐山光三郎、安西水丸という落とし穴……。

「30代、40代にならないと、全体にぐっとくるものがない」(安西)
「20代はコドモですね」(南)
「オレはキレイなだけの女には、全然興味がわかない。美人には欲情しないのよ」(嵐山)

 と言いたい放題なのですが、おじいさん方に何を言われてもうれしくなるわけでなし。「よもやまオヤジ鼎談」という副題以上でも以下でもない、そのままの記事でした。なんだこれ。

■どこから読んでもおもしろい

 毎度のことではありますが、今号の「婦人公論」はいつにも増して読み応えのある硬派な記事がたくさん掲載されています。「地震大国日本に生きる」第6弾は、原発作業員の寝食を支えるいわき市の温泉街のレポート「原発作業員の誇りと覚悟を知ってください」と米中露独仏からの証言を集めた「世界の女性は、『フクシマ』をこう見ている」。どちらもよくある原発関連記事とは異なり、女性にクローズアップした「婦人公論」ならではの記事でした。

 杉浦由美子によるルポ「セックスを仕事の”武器”にし始めた女性たち」は、ごく普通のOLが仕事を有利に進めるために、上司やクライアントとセックスしているという話。「どこまで本当なの!?」と言いたくなるような(もちろんすべて本当でしょうが)衝撃の体験談が綴られています。新聞業界でも美人記者が”体当たり”でネタを取ってくることがあるのだそうです。また、うつ病で偏差値29から東大に合格した作家・杉山奈津子とハーバード大卒のお笑い芸人パックンの対談「難関突破の原動力は、母への感謝の気持ちでした」も面白かったです。

■「僕らはエギ(江木)ザイル」というオヤジギャグも飛び出す

 濃い内容の記事の中でひときわ異彩を放っていたグラビアが「帰ってきた昭和のアイドルs4」。あいざき進也、元フォーリーブスの江木俊夫、元フィンガー5のT.AKIRA、元狩人の高道がユニットを結成したのだそうです。平均年齢53.5歳。元アイドルの片鱗をうかがわせないおじさんっぷり。その姿をじっくりと目をそらさずに凝視してください。そして想像してください。彼らは今、あなたが「素敵!」と思っているアイドルや俳優の30年後の姿だと。あなたは彼らを一生愛し続けていけるのかどうかを。このグラビアはある種踏み絵的な役割を担っていると思いました。ぜひお試しください。

 今号は爆弾ページはない代わりに、小粒の良記事がズラリと揃ったという印象の「婦人公論」。次号の特集は「人のために生きる、新しい私に出会う」。「人のために生きる」と言いながら、結局はそれが「新しい私」との出会いにつななるというブーメラン。「婦人公論」イズムが徹底されてますね。
(亀井百合子)

『婦人公論 2011年 7/22号』

よもやますぎるな

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