TVアニメ『うさぎドロップ』もいよいよスタート

「子育てを楽しむ方で伝えたい」、宇仁田ゆみが『うさぎドロップ』に込めた思い

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(C)2011 宇仁田ゆみ/祥伝社/アニメ「うさぎ
ドロップ」製作委員会

 30歳の独身男性・ダイキチが、祖父の隠し子である6歳の女の子・りんを引き取り、子育てという経験ゼロの出来事に向き合いながら奮闘する姿が描かれたマンガ『うさぎドロップ』。りんを子ども扱いしすぎないダイキチの言動や、子育てマンガにありがちな過剰な感動演出を一切排したストーリーは、子育て経験のない女性にも支持され人気を集めている。「FEEL YOUNG」5月号(祥伝社)にて5年半もの連載に幕を下ろしたばかりの著者・宇仁田ゆみさんに、作品を通して描きたかったことを伺った。

――この作品は「FEEL YOUNG」に連載されていましたが、女性向けの雑誌で男性が育児するといったストーリーにしたのは?

宇仁田ゆみ氏(以下、宇) 担当編集者から「独身男性と女の子の話を書いてみませんか」という話を頂いたんですね。その中で、自分の描けるものを形にしたという感じです。

――ダイキチは独身男性の割には、すんなりとりんがいる環境を受けて入れて、どちらかといえば女性らしい性格ですね。

 そうですね。一見ゴツいキャラだけど、柔軟さ、しなやかさを持った人間として描いたつもりです。

――りんがダイキチと出会う前提として、りんの実の母親がりんを置き去りにし、自身の夢を選んだという問題があります。

 初めはその部分を描かないつもりだったんです。連載が延びて行くにつれて、描かなきゃいけない感じになったので、腹をくくりました。簡単に描ける話ではないので、やっぱりいろいろ考えました。

――りんの母親を見ていると、母親としては確かに問題があるかもしれませんが、「女が母親として生きるか、仕事をとるか、人間としてどう生きるか」という複雑な問題を抱えているように思いました。先生自身も、同じような経験をされたことはあるんですか?

 私はマンガ家になれたのが遅かったので、デビューするころには結婚が決まっていたんですよ。子どもがほしいという思いがあったので、未来に対する設計があり、その形でできる範囲でできることをやるという感じでしたね。最初は仕事も少なかったですし……。

――実際に仕事と育児に迷われている人も多いと思います。『うさぎドロップ』ではそういった女性に向けてメッセージが織り込まれているのでしょうか。

 特にメッセージと言うわけではないのですが、主人公たちが楽しく子育てしている姿を読者に見てもらいたかったですね。子どものことを描くにしても育児を描くにしても、辛い方からアプローチする描き方もあったと思うんですけど、私は楽しい方で伝えたかったんです。

――ダイキチの同僚でワーキングマザーでもある後藤さんが、ダイキチとの会話の中で、「出産してみて初めて子育てママへの風当たりの強さが分かった」といったような会話が展開されています。

 実際にそう思う出来事はあると思います。ただ、子ども持っている人も「みんなに守ってもらっている」と意識しないといけないんじゃないかなと思います。「私は子どもがいるから、周囲の人に助けてもらって当たり前」という意識はまずいんじゃないかと。「当たり前」にしちゃうと、周りの人もすんなりとは助けられないので、そこは人間関係をうまくやらないといけないと思います。

――ダイキチも花形部署から配置希望を出しますね。子育てしながら仕事をすると、100%の完璧というのが難しくなるのでしょうか。

 子育てしながらだと、働く親としては時間の使い方が小刻みになってしまうんですね。それをうまく活用する必要が出てきます。私の場合、すぐに集中できるようになりましたよ。机に向かえば集中できる感じになりますね。小刻みな時にやる仕事と、子どもがぐっすり寝ている時にやる仕事を分けるとか。どうしても集中したい時は子どもが寝てるときにやるとか。

――8月20日には実写映画も公開されます。映画の撮影現場にも足を運ばれたそうですが、松山ケンイチさんが演じるダイキチの印象は?

 松山さんはもう「ダイキチ」そのものです! マンガでは描いてない動作が、完全に私が思い描いていたダイキチでした。立っている姿も、体格的にもピッタリでしたね。マンガを描くときはモノの大きさと比較して人の姿を描くのですが、松山さんの場合、鴨居の高さとのバランスがすごくしっくりしました。昭和風の家にいるときのバランスが思い描いた通りでしたね。

――松山さんも撮影当時は独身で、お子さんもいらっしゃいませんもんね。

 そこが良かったんだと思います。私は子どもがいますから、赤ちゃんのときからずっと成長の過程を見てきているので、子どもに対する”体験”が積み重なっているんです。でも松山さんが撮影の時に初めて、りん役の芦田愛菜ちゃんに会ったそうなんですよ。そういう意味でもうまくダイキチを表現されていたと思います。

――そして本日7月7日からはアニメ放送が始まりますね。原作者として楽しみにしているところは?

 登場人物たちの動きは私の頭の中にしかないものなので、それがどう描かれるのかが楽しみです。

TVアニメ『うさぎドロップ』
7月7日より毎週木曜24時45分~フジテレビ『ノイタミナ』ほかにて放送(初回のみ25:00~放送予定)
関西テレビ:7月12日より毎週火曜25時58分~(初回のみ26時23分~予定)
東海テレビ:7月14日より毎週木曜26時5分~
BSフジ:8月6日より毎週土曜25時30分~(毎月最終週のみ26時~放送予定)

公式HP
(C)2011 宇仁田ゆみ/祥伝社/アニメ「うさぎドロップ」製作委員会

『うさぎドロップ』

ダイキチみたいな旦那ほしいわ~

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