O・J・シンプソンは自白するのか?

米マスコミの女帝が、O・J・シンプソンや殺人鬼母へのインタビューに意欲的

2011/06/22 16:00
OprahWinfrey.jpg
右が女帝オプラです。日本でいうところの泉ピン子?

 アメリカでは大統領よりも強い影響力を持つとされる、メディア界の女帝オプラ・ウィンフリー。先日、25年間にわたり司会を務めた国民的トーク番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』を涙を流しながら幕を下ろしたばかりだが、早くも気持ちを切り替え、新しいトーク番組についての豊富を語り注目を集めている。

 15日、シカゴで開催された全米ケーブル電気通信協会(NCTA)主催のコンベンションに出席したオプラは、自身が設立した放送局オプラ・ウィンフリー・ネットワーク(OWN)の新インタビュー番組『Oprah’s Next Chapter』で、ぜひ、O・J・シンプソンにインタビューをしたいと告白。「私には夢があるの。O・J・シンプソンに自白させるっていうね」というオプラの言葉に、観客から歓声が巻き起こった。

 久しぶりに耳にする「シンプソン」の名前に大興奮する観客に向かって、オプラは「みんな、見ててよ。絶対に実現させるから!」と言い放ち、「私がしたいのは普通のインタビューじゃないからね」「ミスター・シンプソン、あなたが心の準備をし覚悟を決めた上でインタビューすることを、私は望んでいるのよ!」と、獄中のシンプソンに対して、一方的に挑戦状をたたき付けた。

 元アメリカンフットボールの花形選手であったシンプソンは、1994年に元妻ニコール・ブラウンと彼女の男友達ロナルド・ライン・ゴールドマンの殺人の罪をかけられ、警察とのカーチェイスの末に逮捕。裁判にかけられた。誰の目から見ても、有罪であることは明らかだったが、シンプソンは有能な弁護士を雇い、人種問題を持ち出したりしながら裁判劇を繰り広げ、無罪を勝ち取った。裁判の行方は全米が見守り、連日トップニュースで報じられるなど社会現象にもなった。

 なお、シンプソンは、その後転落の人生を歩んでおり、2007年にラスベガスで武装強盗を働いたとして逮捕。禁固33年の有罪判決を受け、現在ネバダ州のラブロック刑務所で服役している。

 オプラは、シンプソンのほかに「もう一人、ぜひともインタビューをしたい人物がいる」と続けて告白。「スーザン・スミスよ」と言い、観客席をざわつかせた。

 スーザン・スミスは、1994年に、新しい恋人と一緒になるため邪魔になった3歳と1歳になる自分の子どもを車のシートベルトにくくり付け、車ごと湖に沈め溺死させたという鬼母。我が子がもがき苦しみながら死ぬ様子を見届けた後、「幼い子どもたちが誘拐された」と警察に届け、メディアにも登場。涙を流す23歳の若き母親に全米の同情が集まった。

 しかし、警察は虚言であることを見抜き、間もなくしてスーザンは幼子殺害の罪で逮捕された。裁判では死刑を宣告されると見られていたが、16歳のころから義父に性的虐待を受けていたことなどが情状酌量され終身刑となり、現在、サウス・カロライナ州の刑務所で服役している。

 実は、オプラは昨年もスーザンをインタビューしようと試みたが、サウス・カロライナ州知事は獄中インタビューすることを不許可とし、実現できなかった。オプラは、「スーザンだけでなく、シンプソンへのインタビューも何回も試みたけれどダメだった」と明かした上で、「今、私は全エネルギーをOWNに注ぐことができるからね」と述べ、必ず実現させてみせると息巻いた。

 ちなみに、OWNはケーブルテレビ・チャンネルということもあり、思うように視聴率が稼げておらず、早くも危機に直面していると一部メディアは伝えている。しかし、個人資産額27億ドル(約2,200億円:フォーブス誌推定)とされる女帝オプラなら、きっとこの危機を乗り越え、さらに巨大なメディア帝国を作り上げるとも見られている。その足がかりとして、何としてでもシンプソンとスーザンのインタビューを実現させたいところだろう。

 なお、シンプソンは、98年に雑誌「Esquire」のインタビューで、「もし、オレが元妻を殺したっていうなら、それは彼女を愛しすぎていたからこそだよな」と語ったり、2006年にFOXテレビでのインタビューで「もしも自分が犯人だったら、どのようにして2人を殺害したか」を語ったり、シンプソンの発言をもとに執筆された『If I Did It (もし、私がやっていたとしたら)』が出版されるなど、世間には殺害を認めたようなものだと認知されている。しかし、シンプソンの口から「自分が殺した」という言葉は誰も引き出せておらず、できる人がいるのであれば、それは、オプラを置いて他にはいないだろうと言われている。

 粘り強くどん欲なオプラの夢は果たしてかなうのか。12年1月から放送される新トーク番組『Oprah’s Next Chapter』にアメリカ国民の大きな注目と期待が寄せられている。

『If I Did it 』

幼心に、この事件で米敏腕弁護士を勉強したわ~

amazon_associate_logo.jpg

【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】
Facebookで話題の6つ子家族に、あの人気番組が超太っ腹プレゼント!
バルーン・ボーイ事件の夫妻が、「日本に義援金を送るため」オークションに気球を出品!
9・11での救助経験を持つアメリカ人元消防士が、一人で被災地入りしていた

最終更新:2011/10/04 22:35
アクセスランキング