[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」8月号

「ペット用シートが使える!」、正統派子育て雑誌には載らないラブママの荒技

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「I LOVE mama」2011年8月号(イン
フォレスト)

 ギャルママたちが最もアガる季節がやってまいりました。今月の「I LOVE mama」は、ズバリ「ビキニ」特集。表紙に「ビキニを堂々と着こなせるカラダになる!!」と、この上なくデカい文字で書かれているもんだから、筆者、書店でレジに持っていくのをためらったほどです。もちろん速攻で「すいません、領収書ください!」と仕事を装いましたよ(仕事だけど)。「ビキニになるためデブは卒業!!」とか、ラブママって表現がストレートで傷つくわ~。ラブママたちが面積の小さい三角布にここまで執着するのはなぜなのか、早速中身を拝見したいと思います。

<トピックス>
◎ちびコと一緒にビキニサマー
◎火を使わず涼しくエコクッキング(はあと)NFC(ノンファイヤークッキング)
◎最新オムツ事情と美ママ的ルール

■熊田曜子、薄ぼんやりしたダイエット論を語る

 夏のダイエット特集はラブママでもテッパン企画。ママたちにとって「デブ」という言葉は最も侮蔑的なんです。「I LOVE mama」では「体形は個性」「ちょいぽちゃ」などというデブの詭弁はまったく通用せず、削るだけ削り、そして盛る――輪島塗の要領で、美ママは作られます。と、話はそれましたが、今回は「ビキニ」に焦点を当て、ダイエット、ムダ毛処理、水着ファッションと企画を展開しています。通常、おおよそ経産婦と思えないきゃしゃなボディーのママモ(ママモデル)たちが独自のダイエット法を披露するわけですが、今回なぜか投入されたのは熊田曜子。な、なぜ?

 「美ママに聞いた理想の美ボディの持ち主は?」というアンケートで、優木まおみ、ほしのあきを押さえて第1位に輝いたという熊田曜子。「美ママの憧れのボディのカリスマ登場だよ(はあと)」と、ビキニというより下着姿で肢体を披露しています。

 「(「I LOVE mama」はご存じでしたか?という質問に)もちろん♪ ママ雑誌の撮影は新鮮でした」と、”キス営業”(命名:有吉弘行先生)の名に恥じない心の無さも一緒に披露。部分痩せの方法として、「常にインナーマッスルを意識して過ごすと自然に引き締まるのでオススメ」「(お尻は)かわいい下着とか水着が似合うように、ちゃんと形のいい物を身に付けてます」と提案されておりますが、観念的過ぎて無垢な美ママたちに伝わるかどうか微妙です。

 何より「スタイルがいいと思う芸能人は?」というアンケートでは1位が安室奈美恵、2位が土屋アンナって書かれているのに……。「スタイルがいい」と「理想の美ボディ」は違うのか、それとも熊田曜子を登場させるための壮大なフィクションか。

 某テレビ番組で「女性からの人気が出てきた」と公言していた熊田女史。比較的拒否反応の薄そうなギャルママ雑誌への露出を吉と考えたのかもしれませんが、本当に若い美ママたちの中にあっての盛りメイクやツインテールは痛々しさしか残しませんでした。「ビキニ特集!」という爽やかな企画意図が、熊田曜子の登場により疑惑と疑念に満ちたものになってしまったようです。やっぱり、ホンモノの若さにゃ勝てませんって。

■「たまひよ」じゃ見られないぶっとび育児テク

 育児雑誌ということを忘れてしまうくらい、ファッションやメークに目がいきがちなラブママですが、”らしい”ページもちゃんとあるんですよ。「最新オムツ事情と美ママ的オムツルール」では主要メーカーのオムツ(Lサイズ)をズラリと並べ、お知らせサイン、テープ目盛り、吸収力などを徹底比較しています。生理用ナプキンのCMでよく見る青いインクで再現させているのですが、これがとっても分かりづらい。モノホンのうんちを並べる(しかも母乳orミルクの対比まで)「ひよこクラブ」(ベネッセ)などに比べると、どうもやっつけ感が否めません。

 しかし、その後の「ALLクチコミオムツマナー&オムツ替えテク」では、「たまひよ」では絶対にお目にかかれないだろうと思われる驚きのテクが満載です。「ペット用防水シートが使える!(汚れなければ再利用)」「使用済みおしりふきでウンチを捨てる(新しいティッシュを使うのがもったいない)」などは序の口。「ビニール袋を手袋代わりにしてそのまま捨てる!」→(ちびコのためなら何でもできるって常日頃言ってたじゃん!)、「逃げるちびコは足で押さえる!」→(プロレスか!)と、愉快にツッコミたくなる生活の知恵が。奥さん、これが21世紀型の母性です!

 一方で、美ママたちの真面目さはマナー集によく表れております。「飲食店ではオムツ替えNG!」「ママ友からオムツを借りたら必ず返す!」「友達が遊びに来ているときは別の部屋で替える!」などなど。「若いママだからダメだと思われたくない」という文言がしばしば登場する「I LOVE mama」。メークもファッションもそして育児も、常に他者の目を意識するところから始まり、そこから驚異的なオリジナリティーを構築する。美ママって、本当に面白いものですね。

 と、思わず水野晴郎氏になってしまうほど感慨深かったオムツ特集。純然たる育児企画をラブママ風に味付けすると、こんなふうに読み物としても面白く仕上がります。相変わらずタレントとの相性の悪さは否めませんが、それもひとえに「I LOVE mama」という舞台装置が美ママのためだけに向けられたものであるから。こういった読者への「寄り添い」感こそ、これからの雑誌に最も求められているものかもしれません。それでは次号もご期待ください、さよなら、さよなら、さよなら~(ここにきて淀川長治氏)。
(西澤千央)

「I Love mama」

「たまひよ」と義母の言うことを聞かない、っていうのがラブママ流

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