[連載]鹿砦社・松岡社長の「暴露の花園♪」第32回

「あえて負ける道をとることも」、芸能裁判はなぜマスメディアに不利なのか?

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――『ジャニーズおっかけマップ』『タカラヅカおっかけマップ』や、”松田聖子の愛人ジェフ”による『壊れた愛』など、芸能人の研究本・暴露本など問題作を次々と刊行してきた、鹿砦社・松岡利康社長。”言論の自由”を守るために闘ってきた、社長の壮絶出版人生に迫っちゃうぞ~!

【芸能裁判編】

 ”鹿砦社vsジャニーズ裁判”や、”文春vsジャニーズ裁判”のように、ドコソコの芸能事務所が、あの出版社を訴えた、というのは話題に上っても、何を争っているかの詳細が広く知られることは少ないもの。あらゆる芸能裁判を一冊にまとめたのが、『平成の芸能裁判大全』(芸能裁判研究班・編著/鹿砦社)です。第一章は「人権(名誉毀損、肖像権など)」、第二章は「金銭トラブル」、第三章は「薬物事件」と、訴訟内容の種類で分け、章の中でそれぞれの中心芸能人ごとに詳細な内容が書かれています。

 例えば、第一章には、「稲垣吾郎」(「週刊文春」が薬物使用疑惑の記事を掲載し、稲垣とジャニーズ事務所が提訴)、「デヴィ夫人」(デヴィ夫人に殴られた元マネジャーA氏が、デヴィ夫人を告訴)などが載っています。

 そして、何よりも本書の見どころは、第六章『表現の自由と人権について ――インタビュー』。日弁連「人権と報道に関する調査研究委員会」委員の眞田範行氏、「噂の真相」編集長の岡留安則氏(当時)、文藝春秋社長室の法務・広報部の責任者、3人それぞれへのロングインタビューが掲載されているのです。

「3人とも、鹿砦社の本のインタビューをよく受けてくれたよな(笑)。特に、文春広報部の人なんかは、この本がきっかけで付き合いが始まって、僕のアルゼ裁判の判決も傍聴に来てくれたんだよ」

 と、目を細める、鹿砦社社長の松岡利康さん。自身がジャニーズに宝塚、バーニングと芸能事務所を相手に裁判を重ねてきたことからも、この本には思い入れがあるようです。

「これは我ながらよくできてる本だと思うよ。今までにこういう芸能系の裁判を一冊にまとめた本は出ていなかったからね。芸能関連の裁判事例を集めた専門書と言ってもいいと思う。コアマガジンが女子アナのアイコラを使った記事で刑事告訴されたときもそうだけど、一般的に『芸能人に訴えられる出版社が悪い』というイメージがあるよね。でも、実際は『表現の自由』について争っているわけだから、その本質を知ってもらいたい」

 冒頭でも触れたように、”裁判ざたに発展した”ということだけがスキャンダラスに報じられ、その詳しい内容が多くの人の耳に入ることは少ないことが、本書を読むとよく分かります。

「鹿砦社対ジャニーズや宝塚の裁判にしても、裁判内容は表現の自由に絡んだ重大なものなんだよ。芸能人裁判で難しいのは証人を出廷させること。極端なことを言えば、一番重大な証拠というのは当事者の近くにいる人しか知り得ないんだよ。その人がネタ元ということもしばしば。だから『この人に証言してもらえたら勝てる』と思う人でも証言台に立たせず、あえて裁判に負ける道をとるということもあり得るんだよね」

 どこまでが”表現の自由”の範疇で、どこからが”プライバシーの権利”に当たるのか、そこを明確にしきれないゆえに、熾烈な争いは続くわけですが、第六章のインタビューの中では、芸能人がメディアを相手に名誉毀損で訴えるケースが昔よりも増えてきている、と触れています。

「数多くの芸能裁判を担当している矢田次男弁護士や弘中惇一郎弁護士が出てきてから、特にメディア側が不利になったんだよ。彼らは腕がいいし、人の弱みを衝くのが非常にうまいから、多くの芸能人が、矢田・弘中に頼むんだよねぇ」

 次回は、本書第六章のインタビュー「『噂の真相』編集長の岡留安則氏(当時)」をもとに、松岡社長と岡留氏との芸能人プライバシー観や裁判の戦い方について迫りたいと思います。

■鹿砦社公式ホームページ

松岡利康(まつおか・としやす)
1951年9月25日生まれ、熊本県出身。同志社大学文学部卒業後、貿易関係の仕事に従事。サラリーマン生活を経て、83年にエスエル出版会を設立、88 年に一時期経営危機に陥っていた鹿砦社を友好的買収、同社社長に就任。05年にパチスロメーカー大手のアルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)を取り上げた『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』、球団スカウトの死に迫った『阪神タイガースの闇』などの出版物について、名誉毀損で神戸地検に逮捕、起訴され、有罪判決を受ける。「ジャニーズ研究会」も開設。

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