噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第79回】

いしだあゆみの”奇行”が浮き彫りにする、現代日本の暗部

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「週刊女性」6月28日号(主婦と生
活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第79回(6/9~6/14発売号より)

 女優・赤木春恵を久々にテレビで見た。87歳。以前よりかなり老け込んだ印象だったが、それでもさすがは女優、一般人よりはかなり若い。今夏明治座の公演で赤木は舞台から引退するとワイドショーなどは伝えていた。この報道で初めて、赤木と森光子が親友だと知った。森光子は91歳、赤木より4つも年上だ。そうとは見えない。森の方が圧倒的に若い印象だし現役感がある。赤木を見て、あらためて森光子の底の見えない恐ろしさを感じた。

1位「いしだあゆみ 信号無視、車道横断…危うき『独り散歩』(「週刊女性」6月28日号)
2位「岸部四郎独占直撃!『金は欲しい。立っているだけの仕事なら…』」(「週刊女性」6月28日号)
3位「独占秘話! 百恵さん『天国のスーちゃんへ…』涙で歌った追悼メドレー」(「女性自身」6月28日号)
3位「田中好子さん『二重生活夫』に見送られた『四十九日法要』の無念!」(「週刊女性」6月28日号)

 AKB48の選抜総選挙が行われたり、元モー娘。市井紗耶香の離婚スクープ(「週女」)があったりしたものの、今週の女性週刊誌はいつも以上に「熟年」「お年寄り」率が高い。これも暗い世情からなのか、ネタ枯れなのか。目次をぱっと見ても水野真紀(41)夫の浮気、鈴木京香(43)お誕生会、杉田かおる(46)福岡転居、地井武男(69)散歩引退、岡野あつこ(56)24歳下と再婚と40オーバーの芸能人たちの名前が躍る。いいのか、これで。いや、いいのかも。年々若年層読者が減少している女性週刊誌界にあって、介護や韓流、年寄り芸能人という流れになるのは当然なのだ。

 そして年寄りネタは切実だ。いしだあゆみ63歳に異変が起きているという。昔から薄幸そうだし、やせてたけど、おしゃれで時代の先端をいくような女優さんであった。しかし、最近はさらにやせ、その挙動がおかしくなってきているのだとか。大きなサンバイザーと頬かむりの布で顔を隠しキョロキョロと異様な雰囲気。何車線もある横断禁止の道をすたすた渡る。赤信号を全く気にせず横断――。さらには昨年母親を亡くしたこと、東日本大震災の影響などから「何か心のバランスを崩したのかも」と危惧されているという。

 ただそれだけの記事なのだが、現在の日本を象徴している記事だと思う。芸能ネタといえども、いまだ震災から離れられないという現実だ。いしだの最新作である映画『エクレール・お菓子放浪記』(公開中)のロケは宮城県・石巻を中心に行われたものだ。地元住民も多くエキストラとして出演しているが、その中の2人が亡くなったという。映画の舞台あいさつの際にいしだは泣いていた。

 暗い。暗すぎる。でも、これが今の日本である。いしだの奇行は震災に加え、高齢化という問題をも浮き彫りにする。有名女優といえども高齢化問題からは容易に逃れられない(そういった意味でも91歳の森光子は化け物だが)。今後ずっと、この二つの言葉は日本にとって逃れられないキーワードになるのは間違いない。それを予感させるという意味で今週1位の記事だった。

 次のお年寄りネタも切実なんだけど、いしだに比べてなんだか妙に明るい。そして、どうしても笑ってしまう。岸部四郎62歳である。伝説のバンド「ザ・タイガース」の一員としてデビューし、その後もテレビ司会者として活躍、2億円もの年収を誇っていたが、知人の借金の連帯保証人や浪費がもとで自己破産。極貧生活の中で脳出血を患い、14歳年下の愛妻に支えられて生活したが、その妻は急逝してしまう。その後は時折、貧乏と自虐ネタでテレビに出演するも、体調不良のためそれもままならない。現在は視野狭窄や不安神経症との診断を受け、姉を頼っての生活だ。まさに波乱万丈の人生――。

 そして今回、岸部は震災にまで翻弄されてしまったらしい。震災前、伝説のバンド「ザ・タイガース」再結成が予定されていたのだが、岸部の体調に加え「震災や活動への方向性の食い違い」によりオジャンに。お気の毒である。彼を襲い続ける過酷な運命はいつまで続くのか!? 岸部四郎の運命は過酷だが、なぜか笑える。彼のキャラクターがなせる業だと思う。それは凄い才能だ。取材に訪れた記者に岸部は言う。「うつといえば、うつですね」「立っているだけでいいという仕事があれば……だから楽な仕事を。お金は欲しいし」

 素直なんだな、この人。さらに「宝くじ(ドリームジャンボ)、いよいよ来週が発表なんですから。当たっていたら仕事やめます」だって。ナイスなダメっぷり!! ナイスなキャラクター! 気の毒だとは思うが、なんだか読んでいて癒やされてしまった。テレビ関係者はぜひ「立っているだけでいい」仕事を!!
 
 3位は田中好子さん(享年55)と山口百恵(52)を併せた”高齢”ネタである。いまだ百恵ネタをトップに持ってくる「自身」もすごいが、この記事もまた女性週刊誌の高齢化を象徴しているものに間違いない。4月に乳がんのため亡くなった元キャンディーズ田中好子さん。その死に山口百恵は大変なショックを受けたという。百恵が田中の死を知ったのは、長男・三浦祐太朗からの電話だった。カラオケでは必ずキャンディーズを歌い、日ごろから家庭でもスーちゃんの話をしたことから、祐太朗が母に知らせたのだ。そして百恵は田中の死後、こう漏らしたらしい。「もっと親しくなりたかった」。これらエピソードから分かることはひとつ。二人は大して親しくなかったってことだ。その後記事では百恵の近況が続くのだが、要するに田中の死を取っ掛かりにして、百恵ネタを掲載しかったということだ。

 30年以上前に活躍し、そして引退した百恵がいまだトップ記事を飾る女性週刊誌。雑誌は必ず読者層を意識するものだから、これもまた女性週刊誌の高齢化を象徴しているものだ。一般週刊誌もまた同じ傾向にあるが、今週の女性週刊誌を見て、ほんと、高齢化を実感してしまった。 

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四郎さんが立ってるだけで番組成り立つよ?

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