[女性誌速攻レビュー]「an・an」2011年5月18日号

“違いの分かる”女はOVER40男が好き!? 「an・an」が読者にオヤジをオススメ

2011/05/11 21:30
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「an・an」2011年5月18日号(マガジ
ンハウス)

 「春コスメ」特集をして2カ月も経っていないのに、今号は「夏メイク」特集でございます。過去の特集を振り返ってみたら、毎月1冊はコスメ・美容の特集が組まれていました。読者との需要と供給が合致しているとは思えませんが、広告主とマガジンハウスの需要と供給のバランスはゴールデンポイントで合致しているようですね。いつも通り、大特集はスルーしてその他の企画に注目していきます。

<トピックス>
◎夏メイク4大悩みを解決!
◎美人度UPの、夏の香り講座。
◎OVER40男がモテる理由。

■OVER40がアツイ!

 表紙に見つけたときから気になっていた「OVER40がモテる理由」という企画。数号前に「UWAKI」=浮気を推奨していた「an・an」の体質から察するに、オジサンとの「FURIN」=不倫を推奨するんだろう、と期待とトホホ感でページをめくってみました。どっこい、何ら不埒な所のない、純粋にオジサンとの恋愛を楽しみましょうというお話。草食、肉食、理系、はたまた転校生や大学院生など、あらゆる市場を食い散らかしてきた「an・an」、OVER40男に今度は飛びつくとはやっぱりトんでます。

「今、本質を見極められる女子は、40歳超えの男性に夢中!」というリードに流されるまま、”違いの分かる”女たちの座談会を見てみましょう。メンバーは46歳と付き合っている26歳OL、同年代と付き合ったことのない30歳イラストレーター、最近は50代が好きだという34歳デザイン会社勤務のお三方です。

「40歳を越えてる男の人って、私たち女子のことを、きちんと”女性扱い”してくれるよね? そこがすごい好き」
「根本的には女の子を”か弱いもの”として大事に優しく扱ってくれる気がする。前の彼は2つ上だったのですが、全然そんな雰囲気なかった」
「男はかっこよく、そしてちょっとエロいのが女性に対しての礼儀、みたいな美意識を持ってる人が多いよね、40代男性」

 そんなことしているのは石田純一、ジローラモくらいしかイメージできません。実際にいるんでしょうか? 「男と女を意識した関係を望む人には、40代以上の男の人がいいのかも」という言葉もあり、女性陣はまるでロマンティックなお姫様ですね。確かにその思想では、同世代の男性はついていけないかもしれません。というか、同性の筆者もついていけません。

 一方で、40男にハマる20代女性を男性はどう見ているのか。ロンブー淳と恋愛学教授の連載ページで解説しています。つまりは、社会の風潮的に40代で独身男でいるのが許されているから、単純に恋愛現役の40男の総数が増えたということ、だそう。でも「仕事が順調で、寄ってくる女の子も絶えなくて、恋愛するには困らない。つまり選べる立場であり続けているからこそ、そこそこの相手で妥協して結婚に踏み切る必要がない」と、もうすぐ40代の淳が言っていました。なんだかリアリティーがありすぎて気持ち悪い!

■カムバック、小原!

 「an・an」での女芸人枠はクワバタオハラの小原正子か友近だったのに、今号は赤プル(旧:赤いプルトニウム)がドカーンと9Pにわたりフィーチャーされています。補正下着メーカーのタイアップページで、企画は「誰からもうらやましがられるボディを手に入れた彼女の、世にも幸せなダイエットストーリーをお届けします!」というもの。テレビでも雑誌でも、女芸人の幸せな恋話ほど退屈なものはないというのに、「世にも幸せ」「結婚式間近」など大あくび必至なキーワードが連発。誌面をみても美容にストイックで笑いは一切ナシ。かと思えば、インタビューで震災について話を振られ、「芸人としての生き方、自分自身の考え、人生、全てを見直すきっかけになりました」と返答……。さっきまでイイ女風を吹かせて芸人隠してたくせに、いきなり芸人のプライドを見せられても白々しいだけ。ああ、これなら小原の痛々しい恋愛アネゴキャラの方が良かったかも。

 今号はOVER40男の企画が思いのほか濃く、編集の気合いを感じました。筆者の友人も、40男とばかり付き合い上記の女性陣と同様のことを言っているので、今号の内容は「an・an」にしては真っ当なことを伝えていたのかもしれません。これはそのうち、「40男を元気にさせるセックステク」なんて企画も出てくるかもしれませんね!
(二宮まい)

an・an (アン・アン) 2011年 3/23号

江原さんはどう?

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最終更新:2011/05/12 21:41
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