[女性誌速攻レビュー]「Lips」2011年5月号

雑誌名と版元を変えただけ? 新創刊「Lips」はあの雑誌の二番煎じか

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「Lips」(マガジンハウス)2011年5
月号

 マガジンハウスが”青文字系”を作ると聞いた時点で、”ヤバイ”雰囲気を感じていました。「an・an」「Hanako」「Olive」を作り、アンアン族、Hanako族、オリーブ少女という言葉が生まれるほどカルチャーの中心にいて、いまだに女性誌界の中心にいる(のか?)同社が、宝島社の専売特許的な言葉”青文字系”の軒をいまさら借りにいくとは……。まるで、ボディコンでバブル感覚の自分に疑問を感じていなかった女が、ふと時代が過ぎ去ったことを自覚し、慌てて109に駆け込んでしまったような「そっち行っちゃダメだって!」感。キャッチコピーは「一番使える!リアルな大人カジュアル誌」。そんな新創刊雑誌「Lips」を、さっそく取り上げていきますよ。

<トピックス>
◎大人カジュアルはこうして作る!
◎ワールドスナップ2011S/S
◎とれたて春野菜レシピ

■ベタな青文字系直球すぎて……

 まず、一番の驚きは付録がついていること! マガジンハウスの雑誌で、バッグが付くことはこれまでなかっただけに、いかにこの「Lips」がチャレンジしている雑誌か分かるというものです。雑誌の顔となるモデルは、今宿麻美、田中美保、宮本りえなど、青文字系では超おなじみの顔ぶれが勢揃い。ページのレイアウト、スタイリングも当然ですが青文字系。このさっぱりして味気のない感じ、本当にマガジンハウスの雑誌? と思うほどマガハの”カラー”がない! クレジットをチェックしてみても、マガハお抱えの敏腕スタッフが関与している様子は皆無。そういえば、「マガジンハウスお抱えのスタッフ(スタイリスト、エディター)は起用せず、外部のスタッフを取り入れていく」と、同社のお偉いさんが刊行前に話していました。ということは、この”カラーの無さ”は狙い通りということ?

■元ネタを見つけたゾ!

 この「Lips」の見事なまでの青文字ぶりを握っているのは副編集長でした。「Soup」「Soup CRUiSE」(インデックス・コミュニケーションズ)編集長だった同氏が、おそらくそのまま外部スタッフを連れてきたのでしょう。だって、「Soup CRUiSE」のバックナンバーみると表紙がそっくりなんですもの! そしてコンセプトも「大人カジュアル系女性ファッション誌です。MIX感覚のストリートスタイルで育った30代の女のコたち。個性的でオシャレな大人のカジュアルスタイルや、ラフでもハイセンスな大人のコーディネートを紹介」って、これもまんまやないかーい……。もはや、雑誌名と版元を変えただけでは? という疑惑が湧いてきます。そして決して「Soup CRUiSE」は青文字系の中で成功した雑誌ではない(休刊)し、そもそも青文字系というよりカジュアル雑誌という範疇でした。蛇足ですが、決して「Soup CRUiSE」の2009年5月号の表紙と今号を見比べない下さい。そこには恐るべき事実が隠されていますので……。

 と、雑誌全体はこのくらいにして、読み物系企画を見ていきましょう。カルチャーページは、極めて「an・an」的なラインナップです。香取慎吾インタビュー、瀬戸康史インタビュー、ブックレビュー、展覧会紹介、CDレビューにコラム。どうやら現状のレギュラーコラムニストは、山下マヌー、梶原由景の二名のようですが、このお二方は「an・an」でもコラムを書いています。「外部スタッフを取り入れる」というのは、コラム枠に関してはスルーされている模様。その他、料理ページにお部屋拝見など無難な企画もありました。

 ということで、「Soup CRUiSE」と「an・an」が合体したら「Lips」になったというのが創刊号を見ての印象です。これまでマガジンハウスがターゲットにしてこなかった層を得るために、マガハ色を消した青文字系を立ち上げた、というのは納得できても、それが既存雑誌の焼き直しに近いものだとしたら……。そもそも出版不況の”今”出す意味がどこにあるのか分かりません。広告の集まりが良いのでしょうか? とはいえ、編集部ツイッターによるとさっそく来月号の入稿が始まっているとのこと。2号目でどう展開するのか、楽しみにしています。
(二宮まい)

『Lips 2011年 05月号』

550円!

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