サイゾーウーマンコラム本当に強いのは女よ! 『ランナウェイズ』でダコタが脱子役宣言 コラム ブルボンヌの映画批評 「女優女優女優!」第10回 本当に強いのは女よ! 『ランナウェイズ』でダコタが脱子役宣言 2011/03/19 17:00 ブルボンヌブルボンヌの映画批評「女優女優女優!」 (C)2010 Runaways Productions, LLC. All Rights Reserved. サイ女な皆さん、今日も不謹慎な言葉を手で押さえてますか~。そこに愛の隠し味があれば、アタシは応援するわ! ところで、サイゾーウーマンってからには、これ読んでる皆さんはアレよね、ウマン子ばっかりなのよね?(まあ、オカマや女装がしれっと混入してるのも間違いないだろうけど……) 皆さん、数々の名曲をお持ちのアン・ルイス姐さんのその名も「WOMAN」って歌、知ってるかしら? 「MY NAME IS WOMAN 悲しみを身ごもって 優しさに育てるの MY NAME IS WOMAN 女なら耐えられる 痛みなのでしょう」 そう。いざという時、本当に強いのは女なのよ! 男のものってイメージの世界にもどんどん殴りこんでいかなくちゃ。政治の世界に行く? いいわね。さぁ、蓮舫姐さんみたいに襟立てて口角下げて!(でも元クラリオンガール) ロックバンドやる? それもいいわ。女の子だけのバンド……ピンク・サファイア! アタシ、今でもたまにメールの最後に「P.S. I LOVE YOU」って付けるもん!(うそ) さらに硬派なSHOW-YAさんも忘れないで。限界までっ限界までっ。 とまぁ日本でも忘れられない面々が並ぶガールズ・ロックバンドの、元祖中の元祖って知ってるしら。その名もランナウェイズ! 今回は、彼女たちの実話を元にした映画『ランナウェイズ』でいくわよ~! 主役はイメチェンに挑むこのお二人。黒髪=攻め×金髪=受けなBLのお約束をしっかり守ってます!(違う) 「チェリー・ボム」って代表曲なら聴いたことくらいはあるんじゃないかしら。「乳、乳、乳、乳、チェリーボ~ム!」ってサビが有名なやつ(英語だっつーの)。ボーカルのシェリー役を演じるのは、なんとダコタ・ファニング! 大人気のハリウッド子役といえば、その後グレるのがお約束だけど(凶悪化の最高峰はリンジー・ローハンちゃん)、ダコタもやっぱり、ヤクやって下品な格好で暴れまくったってわけよ。ってそういう役なのか。ある意味、現実にグレたい衝動を仕事に置き換えたって考えると、ダコタちゃんてばやっぱり賢い娘ね~。 そしてもう一人、実力派ギタリスト、ジョーン・ジェット役には、クリスティン・スチュワート。そう、あの映画『トワイライト』シリーズのヒロインよ。あの映画見てる時はいっつも、「なんなのよこのヒロインは。全然守りたくならない強っそうな顔しやがって。吸血鬼の彼氏に守られてないで、お前がそのアゴで敵を突き刺せ!」と野次を飛ばしてた、あの娘ね。 ちょっと前まで、宇宙人に脅えてた娘さんが、いつの間にか下着ルックで下品な歌詞を絶叫! 成長抑止剤を飲んでるって都市伝説まであった安達祐実ちゃんとは違って、早々に育ちまくったわね......。 そんな主役の二人が揃って「イメチェンに挑戦」と評されるこの映画ですけど、結果、大成功だったわね! 二人とも全く違和感なく似合ってるのよ~。ダコタの世の中をナメてるようなスカした表情は、天才子役の成長した姿と相まって説得力ありまくりだし、クリスティンにいたっては、今すぐ抱かれたいくらいの男っぷり! アタシが思ってた以上に、本人自身が「あ~こんな守られるヒロイン役はしっくりこないわ~」ってずっと感じてたんじゃないかしら。そのうっぷんを晴らすかのような力演よ。現実のジョーン・ジェットさんもレズ姐御全開な方なんだけど、こんな姐さん、2丁目でもよくいるもん。てか、いつもアタシの男本名を呼び捨てにするあのレズタチ姐御にクリソツだわ……ジュン。 さすがに現役でファンだったほどのババアは読者さんには少ないかしら......? 世界中の女性オンリーバンドの元祖だよ! お話はほぼ実話を時間軸通りにたどる構成。まず、ビジュアルだけでもキュンキュンしちゃう、70年代の空気感が心地いいのよね~。やっぱアタシが生まれたのが71年だから?(ババァばれ) ファッションもインテリアもほーんと、かわいい。そして、ロックが完全に男だけのものだった時代に、平均年齢16歳の女の子バンドが切り込んでいくってストーリーにも、自然に引き込まれちゃう。やっぱりこういう先人がいてこそ、今の女の自由があるんだもんね~(ってアタシ、ニセモノ)。 熱狂の’77年日本公演の様子も熱く再現されててニヤニヤしちゃったわ。ダコタちゃんが歌う「チェリー・ボム」は、映画の映像で作ったPVが今MTVとかでも流れてんだけど、しっかり歌いきっててビックリよ。二人ともボイス・レッスンとかすげー頑張ったらしいし、このへんはハリウッドと日本の若手女優の役作りに対する気合いの違いを実感させられるわね。日本のアイドル売り女優も、ぶりぶりしてないで、もうちょっとトチ狂ってほしいもんよ。 そんなわけで、実話自体の持つパワーと、それを忠実に蘇らせようと頑張ったイメチェンヒロイン二人のパワーが見事に結実した、気持ちよく見られる力作に仕上がってるわ。締めは、実際に解散に向かった流れ同様に、ちょっぴり寂しい雰囲気だけど、それもまたリアルな味。 ポップなラブコメ映画ばっか観てるような甘チャンには厳しいかもしれないけど(何がゆるふわよっ!)、70年代テイストとガールズロックに興味があるのなら、絶対オススメするわよ。女ヂカラ、ばんざーい! ブルボンヌ 女装パフォマー/ライター。『この映画がすごい!』(宝島社)『BUBKA』(コアマガジン)等に寄稿しつつ、フジテレビ『知りたがり!』コメンテーター出演や、新宿2丁目ゲイミックスバーのママ業もこなす。芸能通のゲイたちと一緒にオカマなブログ『Campy!』もプロデュース中。 ・『ランナウェイズ』 1975 年のロサンゼルス。ロックスターを夢見る15歳のジョーン・ジェット(ダコタ・ファニング)は、クラブで出会った音楽プロデューサーに自分を売り込む。ジョーンに十代の女の子だけのバンドを組ませるが、何かが足りない。そんな中、シェリー・カーリー(クリスティン・スチュワート)がボーカルで加わり、「ランナウェイズ」は順調に成功を手にしていく。だが、シェリーは次第に精神が不安定になっていき、さらにメンバー内にも亀裂が生まれていく……。 配給:クロックワークス 公開中! ・公式サイト 【バックナンバー】 ・第一回 ブルース・ウィルス『サロゲート』 ・第二回 メリル・ストリープ『恋するベーカリー』 ・第三回 ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマンなど『NINE』 ・第四回 ガボレイ・シディベ『プレシャス』 ・第五回 『セックス・アンド・ザ・シティ2 』 ・第六回 アンジェリーナ・ジョリー『ソルト』 ・第七回 大竹しのぶ『オカンの嫁入り』 ・第八回 クリスティーナ・アギレラ&シェール『バーレスク』 ・第九回 ヘレン・ミレン『RED』 最終更新:2019/05/17 21:06 次の記事 いちユニットに収まらない活動……EXILEの絶好調に隠された闇とは!? > Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する アクセスランキング コラム フォートナイトの影響が不安 『大奥』が描かない、倫子の幸福だった史実 中学受験の合格手続きでミス タイパ至上主義の若者に思うこと 『大奥』が描かない、倫子の幸福だった史実 メルカリで1.3万のファンデがぼったくり!? 『ブギウギ』男の犠牲になったヒロインと娘 フジ『大奥』よしながふみ版の劣化コピーシーン フジ『大奥』が描かない、家治の“夜”事情 フジ『大奥』松平定信は、史実における田沼意次? 秋篠宮家が「推薦入試」にこだわる事情 鈴木亮平の冴羽獠はなぜ素晴らしい? 石田と東尾は離婚しないと思うワケ 皇室の“セックスマニュアル”? その内容は 『大奥』、倫子の悲嘆ぶりに疑問符 秋篠宮さまの“プロポーズ美談”は全部ウソ? 『大奥』問題がある演出とは? 「女性セブン」の気持ち悪い文章 編集部員おすすめU-NEXT作品リスト 『大奥』、家基少年の溺死シーンは史実ガン無視 総合 大惨事になったアニメ映画は? アラフォー婚活、23歳男子から終電間際の誘い サブウェイが復活した理由は? 急拡大チェーン【感動の肉と米】行列のワケ 【ダイソー】ファイルBOXで調味料収納 消えたチェーン店は今 フォートナイトの影響が不安 から揚げの天才ハンバーグメニュー実食 アラフォー婚活、23歳男子から終電間際の誘い 『大奥』が描かない、倫子の幸福だった史実 中学受験の合格手続きでミス 赤字転落のヒロタはプリンが名品 タイパ至上主義の若者に思うこと ヤオコーで豚ロース爆買い STARTO、ファン困惑の告知なし「変更」事項とは? 【ダイソー】ティッシュBOXはシンク下収納に最適 『Eye Love You』最高視聴率更新 【びくドン】従業員人気の裏セットを実食 『ふてほど』最終回に近藤真彦出る? 【ポッポ】ヨーカドー閉店ラッシュで絶滅危機 カルチャーの人気記事 アラフォー婚活、23歳男子から終電間際の誘い アラフォー婚活、23歳男子から終電間際の誘い 大谷翔平通訳が告白の「依存症」とは? 相手のマンションは◎◎!? 婚活仲間と合コンへ! カルチャー一覧へ サイ女の精神!過去の人気コラム 松本人志に「せこいよ」――ビートたけしの“粋な発言”に見る「被害者女性はカネ目当て」の論理 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 中居正広・浜田雅功・二宮和也……松本人志と周囲の友情や絆を美談に仕立てる女性週刊誌 神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」 スタバやドトールでヤクザの射殺事件! 逃走中の“レジェンド”ヒットマン2人とは? 元極妻・芳子姐さんのつぶやき コラム一覧へ