[連載]だから企業に聞いてみた

『KAGEROU』はなぜ書店買い切り制なんですか?

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『KAGEROU』(ポプラ社)

 気になって仕方がない素朴なギモンを直接企業に聞いてみよう、という本連載。

 去年の出版界は、何といっても『KAGEROU』(ポプラ社)である。読んでいないので、内容を語ることができないのだが(むろん、今後も読むつもりはない)。しかし、「だから企業に聞いてみた」的に気になることが。それは以前も岩波書店に直撃した「書籍買い取り問題」である。

「なぜ岩波書店の書籍は買い取り制なんですか?」

 という疑問をぶつけたことがあるのだが、ポプラ社の『KAGEROU』も買い取り制だと報道されている。ポプラ社全体ではなく、『KAGEROU』だけがそのシステムを採用しているらしい。なぜなのだ? 売れる本だと分かっているから、より確実に利益を増やすためだけだとしか思えないのだが……。これは聞かなくては。というわけで、「ポプラ社 宣伝広報部」に直接、聞いてみた。

「『KAGEROU』はなぜ書店買い切り制なんですか?」

担当者(男) はい。まず買い切り制ではございません。ニュースなどで一部買い切り制と言われているのも存じあげておりますが、正確に言いますと責任販売制というもので、返品はできます。

――そうだったんですか! なぜ、買い切り制と報道されているのですかね?

担当者 責任販売制というのが新しい制度なので、勘違いされている方は多いです。他の本と同様に返せるかというとそうではなく、65%で一旦買っていただくんです。それで、返品する時は55%でこちらが買い取る。つまり10%の差額がございます。これがあることによって通常の本よりは返品しにくいです。ただし、買い切り制は一冊たりとも返せないものです。出版業界は100冊注文しても、小さなお店や実績のないお店では販売会社さんの方で「もうここは10冊でいい!」という注文の削減が入ってしまうんですけれども、今回はそれがないようにしたかったので、まず、責任販売制というのをとらせていただきました。

――なるほど。

担当者 買い切り制にしてしまうと書店さんの負担がだいぶ強くなってしまうので、買い切り制ではなく、責任販売制を採用しております。

――本が話題になってしまったから、勝手に「買い切り制だ!」などと、報道されてしまったんですね。

担当者 確かにこちらの予想以上に話題になりました。もう亡くなってしまったのですが、ポプラ社の会長は、全国の書店を一店一店お店周りされた方なんですね。ですので、書店営業に関しては凄く自負がある会社です。なので、他の出版社さんに言うと大変驚かれるのですが、北海道に4人営業が常駐しております。

――書店営業についてさほど詳しくないのですが、それは……凄いことなのですか?

担当者 はい。他の出版社さんは、まず北海道に事務所はございません。というぐらいポプラ社は営業に強い会社なんですね。一般の大きな出版者様が年に1回訪問するかしないかのお店を、ポプラ社では月に1回訪問しております。ということで、一部では話題になったから「傲慢な態度で買い切り制を採用した」などと言われておりますが、あくまでポプラ社としてはそういった姿勢ではないということをご理解いただけると、大変嬉しく存じます。

――分かりました。ちなみに、1冊売れる毎に作者への印税はいくらですか?

担当者 そうですね。弊社の規定によるところなんですけども、何%とは具体的にはお伝えできませんが、出版業界の通常通りだと思います。

――だいたい10%くらいですか?

担当者 それぐらいだと思っていただいて間違いないと思います。

 というわけで「買い切り制ではなく責任販売制」だった。そんなシステムがあったのか。対応が丁寧なポプラ社には好感を持ったが、『KAGEROU』を今後も読むつもりはない。もしかしてもの凄く天然な出版社なのかもしれない……。たぶん、彼の次回作も読まない。気になるとすれば次回作も責任販売制なのかということだけである。

 引き続き、皆さんのフレッシュなギモンを募集中です。ディープでインパクトのある、くだらないギモンをお待ちしています。
(酒平民 林賢一)

『KAGEROU』

いろんな書店営業さんに聞かせたい話ですね……

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