[官能小説レビュー]

「港」系オンナからの脱皮!? セックスの要望にノーと言えるか

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『I LOVE』(講談社)

 最近、セックス=恋人、というセオリーは通用しなくなってきた。まずは試し打ち、コレ男の性(さが)。セックスの相性って、付き合う上でもっとも大事な事柄だと思う。そして、もっとも個性が出るのもセックスだと思う。毎晩のオナニーが日課の友人には淡白な女じゃ一週間も持たないだろうし、晴れて恋人同士になっても、今度はフェチの問題が出てくる。

 フェチってけっこうシビアなポイントで、互いの合意があれば最高のエッセンスになるけれど、そうでなければ大問題。だから、恋人になる前の試し打ちもおおいにアリ。女は女でセックスでは受け身の立場だから男の要望にはたいてい答えられるものだし、女の裸はまだまだニーズがある。試し打ちされたら買ってもらわなきゃ。これが女の性。

 今回ご紹介する『I LOVE』の主人公、原田康平はごく普通のサラリーマン。しばらく彼女なしの日々を送っていたが、主任昇進を機に、社内一の美人とべッドイン。以降、男としての運が上向きはじめたのか、巨乳美女や女子大生などと次々と身体を重ねていく。

 友人の紹介で知り合った久美は、康平の彼女候補のひとり。男がベッドに誘うきっかけで、わりとよく聞くのが”好奇心”だったりするんだけど、久美は男の好奇心をおおいにかきたてるルックスの持ち主。愛くるしい顔だちに、ウエスト60センチ、そしてオッパイはIカップ。こんなバケモノみたいなパーフェクトな女、いるわけない。

 彼氏募集中の久美は共通の友人を介して康平と知り合い、その日のうちにベッドイン。オッパイ星人の康平のヘンタイチックな要望を、渋々ながらも受け入れていく。その後も康平は数人と浮気をし、最終的に恋人として選んだのは久美。数ヶ月間ほったらかしていた久美との久しぶりのデート。でも久美は怒らず、責めず、「仕事で忙しかった」なんて平然と嘘をつく康平をにこやかに受け入れる。

 やっぱり「港」系の女って最強だなあと思う。自分以外の女を渡り歩いていてもじっと待ち、自分のトコに帰ってくれば、笑顔で迎える。男にとって港のような存在でいられる女。ただ、港系の女が大事にされているかは別モノで、オンリーワンにはなれないことのほうが多いかも。「どんなに浮気をしても、あの人は私の元に帰ってくるんだわ」と心から開き直れたら港系でもしあわせだけど、それって結局男にとっては”都合がいい”だけの存在。

 そして、ひさしぶりのセックスでも、やっぱり康平のヘンタイ行為を受け入れてしまう久美。レストランでブラを外してオッパイをチラ見せしたり、エレベーターのなかでオッパイの間に顔を埋めさせたり。さすがIカップだけあって、自分のオッパイに自信があるのか、逆にオッパイにしか自信がないのか。康平のヘンタイ的な要求を、渋々ながらもすべて受け入れてしまうあたり、危なっかしくてしょうがない。こんなにエロくて受動的な女、男にとっては最高に都合いいもん。

 けれど久美はただの港系じゃなかった。康平のすべてを受け入れていた久美が、最後にたったひとつ、アオカンにだけはノーと言った。この久美の勇気が康平の心を打ち、久美を”都合のいい女”から”対等な女”にしたように思える。

 セックスって、冷静に考えると、実はものすごく恥ずかしい行為。裸をさらして、股を広げて、陰部を舐めあって……。でも、その行為のなかに未知数の好奇心が詰まっている。康平がオッパイに顔を埋めたくなるのも、オッパイの感触を堪能したい気持ち半分、自分のオッパイで男の顔を挟んでいる久美の困った顔を見たい気持ち半分じゃないのかな。好きな人だからこそ。そのひとことに尽きると私は思う。だからセックスに関する要求を拒むって、ときにはどんな物事よりも深く相手を傷つけてしまう。けれど愛ある拒否ならさらに絆を深められるし、妥協してすべてを許しつづけていたらただのセフレ止まり。

 女だってセックスに対する好奇心はある。でもそれをなかなか口に出さないのは「恥ずかしい」と思っているから。だけど、いざ付き合いはじめたらヘンタイなのは女のほうで、ヘンタイを開花させた女は、それをしていない女とは比べものにならないほど魅力的。そこに至るまでの駆け引きは、恋愛とは別ベクトルの駆け引きで、カップルになる前のお楽しみ。

 恋もセックスも一方通行じゃ成立しない。お互いが気持ちよくならなければ。相手の要求に対して、さらに愛が深まりそうなら受け入れてみて。逆に「どうしてもムリ!」と感じるオーダーには、愛を持ってノーと言う。どこまで共有しあえるか? 心も身体も裸の付き合いができるか? これが、選ばれるセックスと、都合のいいセックスの境界線。

『I LOVE 』

案外男も都合よく使われてたり。

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