[TVツッコミ道場]

『イロモネア』でのたった一言で、観客すべてを敵に回したピース綾部祐二

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公式ブログより

 今回ツッコませていただくのは、『ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア~笑わせたら100万円!!~』(TBS系、12月18日放送分)。

 観客席からランダムに選ばれた5人に対し、制限時間1分の5つのステージで、3人(最終ステージは5人全員)を笑わせるというルールのシビアさ、独特の緊張感から「魔物が棲んでる」などとも言われる番組だが、今回もまた、イロモネアならではの恐ろしい状況が起こっていた。

 それは、「いま勢いがある」「売れてる」と言われる一方で、某巨大掲示板をはじめとしたネット上で「吉本のごり押し」コールを浴び続けている、ピースへの観客の反応だ。ファーストステージで、又吉直樹の「魂を吸う」ネタが出た途端、ランダムに選ばれた審査員たちは吹き出し、瞬時にステージクリア。だが、この後、相方の綾部祐二がなぜかガッツポーズで雄叫びをあげた。しかも、2回も。

「それ見たことかッ!! それ見たことかッ!!」

 誰に言ったのか、何のことだか分からない雄叫びだが、あきらかにヒステリックな空気が流れた。観客たちは、この「空気」に非常に敏感で、そして、残酷だ。

 その後、各ステージで制限時間内に又吉、綾部が交互にネタをやっていくが、見事なくらい又吉のときにだけ笑いが起こり、綾部のネタには怖いほどの沈黙が流れる。明らかに綾部の挑発的な「それ見たことか!」は、観客たちの心にぼんやりとあった何かを「反感」というカタチで意識させてしまったようで、この沈黙にたまらず飛び出した、綾部のひと言「皆さん、僕、見えてます?」だけがむなしく響き、初めて笑いが起こっていた。

 通常、お笑いライブの観客たちは「お金を払って笑いに行く人」であって、モトをとるためにも「笑いたい」と思い、ある程度は笑う準備もしているはずだ。だが、一般人がランダムに審査員となる『イロモネア』では、多くの能力ある芸人たちも普段の力を発揮できず、破れ去っていっている。そんな中、100万円を獲得できるのは、客席のピリピリした空気を崩す予期せぬハプニングか、ネタに入るまでに「笑う空気」を作ることができる人たちだ。

 そして、この日、100万円を獲得したのは、「日村」という天然・天才素材も持ち、かつ計算もできるバナナマンと、内村・さまぁ~ず三村の即席コンビ「三内芸」だけだった。

 「もう緊張で(自分たちよりずいぶん前の)サバンナ(の出番)あたりから、裏で嘔吐いてた」と三村が自虐ネタで笑いをとれば、「以前組んだウド(鈴木)ちゃんよりできない!」「三村の何も考えてないところに賭けてみようと思った」とウッチャンが三村のダメさアピールで会場をほっこりさせる。ファーストステージが始まる前から、客席はもうみんなニコニコ顔になっていた。

 『イロモネア』は特殊な番組だ。優勝した人が芸があるとも限らず、芸があっても惨敗する人たちは数多い。だが、残酷なほどに芸人たちが自らの「好感度」を目の当たりにする番組である。本当は、ネタが始まるまでにいかに会場をあたためられるか、そして、いかに「好かれるか」に、戦いの大きな部分がかかわっているように思う。つくづく恐ろしい番組だ。
(田幸和歌子)

『ウザい奴の話はさっさと終わらせるに限る』

観客全員がこの本を読んでたんだと思うよ?

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