[TVツッコミ道場]

続発する笑いの事故、客席から悲鳴まで上がった「天下一品芸人」

2010/12/15 11:45
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たまには外す回もありますよね

 今回ツッコませていただくのは、12月9日放送の『アメトーーク』(テレビ朝日系)。テーマは「天下一品芸人」。京都に本店をもつ、こってり系ラーメンチェーン「天下一品」をこよなく愛する芸人たちが”天一愛”を語り尽くすというもの。かつて大好評だった「餃子の王将芸人」の焼き直しのようではあるが、まず、世界のナベアツがいきなりスベる。

 天下一品のラーメンが唯一無二であることを、「ミスチルのものまねをする人はいないでしょ」と例えるもののうまく伝わらず、シーン……。

「これ……例え100点ですけど……」

 と自己弁護するが、世界のナベアツがスベるなんて。続けて「美空ひばり」に例えたが、やっぱりヘンな空気に。どうした、ナベアツ。さらに、スープを残す客のことをこう例える。

「ディズニーランドに行って……入場券買って入って……」

 探り探りのように言いながら、周りを見渡し、

「何ですか? この空気!!」

 もう一回同じことを言わせて、完全に事故の空気になったそのとき、ますだおかだの岡田圭右が立ち上がった。

「オカダーランドへようこそ!」

 ディズニーランドからオカダーランドへ。この意味のなさすぎる一言で、パーッと笑える空気に一変した。ちなみにオカダーシーも併設されているらしい。”悪夢とスベリの王国・オカダーランド”の住人になったナベアツは、「スベリーマウスとして頑張ります」と宣言。しかし、事故は連続するものだ。同じく下ネタでスベったブラックマヨネーズ小杉竜一も、

「オカダーランドへようこそ!」

 天下一品のこってりスープを好む「ハゲのプーさん」というオカダーキャラになり、ここも岡田によって笑いに昇華。番組オープニングでは、一人だけ吉本じゃないということで「吉本勢の強いコメントの中では動きしかない」と弱気発言をしていた岡田さん、事故処理係として大活躍である。とうとうオカダーランドの支配人以下、「♪チャンチャカチャンチャン……ワオ!」と、「スベリーパレード」まで始めちゃうし。ちょっとしたとっかかりから、パスを出し合いながら、みんなで笑える空気を作っていく。集団芸のいい方向への転がり方だ。

 しかし、この楽園に入れなかったのが、サバンナ・八木真澄だった。おなじみの「ブラジルの人、聞こえますかー?」というギャグを言った直後、オカダーランドに入場を拒否されてしまう。そして、パレードの盛り上がりのピークのさなか、「今何があったんですか?」と分かりづらいボケをした瞬間、思わずお客さんから「ヒー」だか「エー」だか悲鳴が上がってしまった。八木いわく、入場制限されているからパレードも見られないということだったらしいけど……。お客さんに「がんばって!」と言われたワッキー以来の衝撃の大事故だ。

 そして今回一番気になった事故が、小杉が語っている最中に放った「コーンスープよろしく」というたとえに、なぜかみんな引っかかっていたところだ。隣にいたケンドーコバヤシは、「のようにという意味での『よろしく』」と解説的なフォローをしていたが、多くの芸人が、「?」という顔をしている。「広辞苑」には「(接尾語的に)いかにも……のように」とあるが、「……よろしく」という表現、普通に知らなかったりするのでしょうか。

 宮迫博之も、小杉がなぜか天然で挨拶的な言葉を使ったと思ってそうで、「『よろしく』流行り出した」とか嬉しそうだったのだが、そんな宮迫は何ダーランドに行けばいいのか。

 事故多発回の中、地味な事故がもう一件。オープニングテロップの「徳井義実・福田充徳(ブラックマヨネーズ)」って一体!? いろいろ重なるものです。
(太田サトル)

『アメトーークDVD10』

事故が笑いになる時代になってよかったね

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最終更新:2011/03/16 12:44
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