[女性誌速攻レビュー]MORE1月号

「MORE」にハマり過ぎる女・藤澤恵麻が、満を持して専属モデルデビュー

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「MORE」2011年1月号(集英社)

 今月の表紙は綾瀬はるか。つい数カ月前も表紙だったし、その理由を考えていたら、15Pに渡って大盤振る舞い出稿しているSK-IIの、新CMキャラクターに選ばれたそうです。誌面では”綾瀬はるかのSK-II14日間サプライズ”を展開しております。SK-IIといえば、”ライバルはドモホルンリンクル”の妙齢化粧品ですから、綾瀬はるかによって若返りを図ろうとしているのでしょう。しかしそれ以上に、MORE娘に忍び寄る初期老化を自覚させんとする狙いがあるようにも思います。稲森いずみや藤原紀香が白髪染めのCMに出て「あぁ、私もそろそろなのね」と自覚するように。若さって何? いつからおばさん? そんなMORE娘の悲痛な叫びが聞こえてきそうな今月の「MORE」。大丈夫、メディアにおけるアンチエイジングなんて所詮大人の事情ですから。新春号ですし、パーっといきましょう。それでは今月のランナップを。

<トピックス>
◎”価値ある”安リッチ服&ブーツ163
◎ご自慢ブランドの「ラッキー財布」で幸せGET!
◎新連載 林真理子「Favorite One」

■バトミントン娘、藤澤恵麻登場

 今月号の「MORE」、あの藤澤恵麻が専属モデルとしてデビューです! あれ? ご存知ない? NHK朝の連ドラ『天花』ヒロインの藤澤恵麻ですよ! マニアの間では朝ドラのキングオブ”どいひー”ヒロインとして、その名をとどろかせる彼女。棒読みを超えたアンドロイド読みのセリフ、てこでも動かないホワンとした表情で、日本中の朝の食卓に恐怖を与えた彼女。その後何作かドラマや映画に出演した後、アメリカへ留学、今年満を持して活動を再開したようです。

 久しぶりの再会に改めてプロフィールまで調べてみると、得意なスポーツはバドミントン。バレーの根性でもない、バスケの躍動でもない、テニスのハイソでもない、バドミントン。そこにあるのは「オグシオ」を見て誰もが感じずにいられない、「そこそこ」感。突出しすぎず、地味過ぎず、見る人に安堵とともに軽いライバル心を覚えさせる絶妙なラインです。

 篠田麻里子のギラギラ野心と、鈴木えみのアンニュイさ、そこに藤澤恵麻の安心感が加われば、出版不況の世にあって、”MORE盤石なり”といったところではないでしょうか。元「non-no」看板モデルという経歴ももちろんですが、バドミントン女子特有の「かわいい顔してあの娘~わりとやるもんだね」気質こそが、まさに「MORE」が求めるもの。今後の活躍に大いに期待です。それでは最後にそんな恵麻ちゃんからのメッセージを。

「大人可愛いMOREの誌面で、Happyの種をいっぱい見つけて、私自身も皆さんと一緒に、素敵に年を重ねていきたいと思っています」

■ホントの幸せ教えてよ

 新春号だからでしょうか、全体的に「Happy」という文字が踊りまくる誌面。若い女性は「Happy」とか「ほっこり」とか、うすぼんやりしたものが大好きなんです。そんなHappyに敏感なMORE娘に贈る、新春人生指南企画が「HAPPYになりたい女性はお聞きなさい!」であります。「恋に、お金に、仕事に不安いっぱいの私たち。でもやっぱり幸せになりたい!と願っています。そこで、今も輝きつづける強力な先輩女子たちに”速攻性があり””持続性もある”ハッピーのヒントを聞いてみました」そうです。

 ゼミナールに登場する先生は、”フランス婚で話題に!愛のすべてを知る”夏木マリ、”爆笑問題を支える事務所社長”太田光代、”永遠のトップモデル”黒田知永子、”時代のアイコンをプロデュースする”佐藤悦子。それぞれが恋愛やお金、美容、仕事というテーマで今すぐハッピーになれて、5年後もハッピーでいられる方法を伝授しています。「彼がいないなら、自分磨きをしろ」「お金=幸せではない」「今の仕事の中に好きな事を見つけろ」「とにかく寝ろ」などなど、「日経ウーマン」(日経BP社)的な自己啓発アドバイスに彩られています。

 なぜ自分磨きが「エステと美術館通い」なのか、そもそも「自分にとってハッピーなお金の使い方」とは何なのかを考える暇もなく、「新婚生活を楽しみたいから博●堂をやめることを決意しました」という事後報告を読まされたり……。読めば読むほど、ハッピーという迷宮から出られなくなる本特集。先生たちは「MORE世代の時はこんなにダメっ娘だったけど、今の私はこんなに輝いてるのよ」とまとめたいようですが、敢えて私は言いたい。「一生懸命仕事して、終わったら飲みに行って、そこで上司の悪口でも言って、帰りにラーメン食べて寝る」これに勝るハッピーなど、今も5年後もありますまい。幸せなんて人それぞれ。徳永英明も言ってます。「ほんとの幸せ教えてよ」と。突き詰めれば新興宗教行き間違いなしの”幸せラビリンス”には、近寄らない方が幸せなのです。

 今月から新連載や新コーナーがスタートした「MORE」。なんといってもキモは林真理子先生の「Favorite One」。ファッション系専門学校仲間の日常を切り取った恋愛小説で、先生の真骨頂である「ムカツクぐらい詳細に描かれる女のエゴ」は第一回からさく裂していました。普段から「金にならない(書籍化のない)仕事は請けない」と公言してはばからない先生。うすぼんやりした”幸せ”を追求するより、先生のように”人生ビジネスライク”と捉えた方が、ど直球で生きやすい世の中なのかも。どうでしょう、MORE娘さん。
(西澤千央)

「MORE」

幸せについて考え過ぎだよ!

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