[女性誌速攻レビュー] 「CanCam」1月号

サイバーエージェント内定式と結びつく、リクルートラブの実態

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「CanCam」(小学館)2011年1月号

 先月号のレビューで、「CanCamにおけるかわいい教確立の瞬間を見た」とお伝えしましたが、布教活動は加速しています。その名も「CanCam流=Can流」とのこと。ご丁寧に「読み方はキャンりゅうです」って説明してくれてますよ。いわく、Can流は「幸せスパイラル」なんだとか。「?」しか浮かんできませんが、とりあえず中身を見てみましょう。

<トピック>
◎幸せスパイラル巻き起こせる! Can流でいこう!
◎Can流お泊りメーク術
◎冬の細見え服大研究

■「かわいい」と「HAPPY」を語る辛さ

 今月号は「Can流」特集に、創刊29周年記念号(中途半端!)とあって、誌面も大忙し。まずは「AneCan」へと移籍した先輩二人が、現役「CanCam」モデルと対談し、「CanCam」マインドたるものを語っています。まずは押切もえ×舞川あいくが「カッコいい」を語ってるんですが、

もえ「突然だけど、あいくちゃんはカッコいいってなんだと思う?」
あいく「う~ん、(略)やっぱり生き方を思い浮かべちゃうな」
(略)
もえ「あいくちゃんって負けず嫌いなんじゃない?」
あいく「なんでわかったんですか?(笑) そうなの、できない表情や決まらないカットがあると、くやしくて必死になっちゃって」
もえ「(略)私も着こなせない服があると『絶対かわいく見せる!』ってすごく燃えるよ。負けず嫌い、カッコいいと思うな」

 と、ツルっつるーな表面的な会話。しかし、蛯原友里と安座間美優の「かわいい」対談もすごい。

友里「憧れだし、目標だよね。『かわいい女の子』。色で例えるなら、白とピンクと、モノトーンとか?」
美優「確かに!」

 白&ピンクとモノトーンは対極でしょ? つうかモノトーンは「カッコいい」んじゃ? などなど、年増の筆者なら嫌な感じに上げ足を取っちゃう内容ですが、信者ならうんうんと頷きながら読めるはず。先月号も思ったのですが、ファッション誌は漠然とした理念を語ることに向いていないんだから、無理に「かわいい」や「カッコいい」を語らなくてもいいのでは? 語る程にスカスカ感と、場当たり感が出過ぎてしまいます。頭でっかち女性誌「GINGER」をもってしても成し得なかったことを、「CanCam」で出来るとも思えません。

 それが如実に出ているのが、「Can流ってこういうこと」という解説ページ。曰く、

「かわいくなるとHAPPYになれる!」→「HAPPYな女の子は、周りもHAPPYにする!」→「周りがHAPPYだとさらに自分もHAPPYになる!」→「HAPPYになるともっとかわいくなる」→最初に戻る

 という好循環なんですって。「HAPPY」と「かわいい」で完結する世界、住人になったらきっと人生がシンプルで楽しいんだろうな~。

■寝る時も化粧するのかい?

 クリスマスが近いからなんでしょうか、「Can流お泊りメーク術」という企画も普通の顔して、ページを与えられていました。何でしょうね、「セックスって言わなきゃ、卑猥ではない」という風潮。「お泊り」という言葉に丸めこまれていますが、要は「セックス前後のメークを紹介します」ってことです。一番すごいのは、「彼との記念日に憧れホテルお泊り」というシチュエーションでのメークを紹介してるのですが、目尻だけのつけまつ毛、不自然なツヤの肌、アンニュイな表情……。セックス前から、「終わった顔」していて、男性的にどうなんでしょ?

■イベント化しないとアガらない若人たち

 あれは10月のとある日、サイバーエージェントの内定式の様子がアメブロにアップされ、ネット住民たちの羨望と嘲笑があちらこちらで聞かれましたが、この企画はどう響くのでしょうか。「噂の恋愛『リクラブ』って何!?」というページがありましたので、現在の若人のあり様を見てみましょう。「リクラブ=リクルートラブ」は就職活動中の男女が、会社説明会への参加などを通して出会い、恋愛に発展することだそうです。実際に読者のリクラブ体験が掲載されていますので、一部ご紹介します。

「説明会会場で隣の席の人から『相談相手が欲しかったら連絡ください』とメアドが」
「まだ1社も決まってなかったころ『同じ境遇の人と飲み明かそう』っていう合コンが(笑)。異常なまでに盛り上がって、カップルも誕生!」
「就職氷河期をお互い闘った同士としてなんでも言い合える友達みたいな絆が自然とできてる最高の関係!」
「内定の親睦会で一気に盛り上がって交際スタート! …が、2週間後カレの浮気が発覚してケンカ別れ。そしてその翌日は入社式」

 空回りなポジティブ思考、恋愛体質、内定率57.6%という氷河期時代……例のサイバーエージェントの内定式を見た時、我々は無意識にこの空気、正しくはリクラブが成就する土壌を嗅ぎつけてしまったのでしょうか。「就職活動」もイベント化しないと、切り抜けられないんでしょうか?

 文字にすればするほど、雑誌に流れるひんやりとした空気とかけ離れてしまう、今月号のレビュー。同じ赤文字系の「JJ」が、これまでの「お嬢様→上昇婚」レールを捨て、「おしゃP」を軸に男性目線を排した流れに乗っかっているのに、「CanCam」は「かわいい」と「HAPPY」で、自ら男性目線に飛び込んで行っているように見受けられました。「JJ」が売り上げを伸ばしている今、「CanCam」の路線は吉と出るのか……今後も見守っていきたいと思います。

「CanCam」

とりあえず読んで!

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