[連載] ドルショック竹下の「ヤリきれない話」

都市伝説「ジジイは××がねちっこい」は果たして本当か?

2010/06/02 21:00
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(C) ドルショック竹下

 自慢ではないがやたらとジジイにモテるタイプである。なにしろこれまでの人生で経験したナンパの7割が60歳以上から、という私。「熟年の性」への興味が湧くのは至極当然といえよう。

 まだシロウト女子大生だったころ、私はインターネットを通じて男と出会いまくっていた。夜中にチャットで盛り上がり、翌朝ホテルのフリータイムにもつれ込むなんてこともザラ。チャットに来るのは大抵、20~30代の学生や社会人だったが、実際会ってみると数日後にすれ違っても気づかないような無個性な輩ばかり。ただ経験人数を重ねるだけの不毛なセックスに私は辟易していた。

 そんなある夜、チャットルームに現れたのが「60歳、写真家」を自称する男性である。某私大で写真の講義をし、詩も書いているという彼はなるほど文学や芸術への造詣も深そうだった。なにより「ベッドで君に文学の講義をしてあげよう」という発言が、文系ミーハー女子大生の私のツボにヒットした。今考えると「それベッドでやる必要ねーだろ!」と思うのだが……。

 待ち合わせ場所に指定されたのは渋谷の名曲喫茶。やれアルタ前だとかハチ公前だとか、出会い系の定番待ち合わせスポットとはワケが違う。ああ、この古くっさい石造りの建物の中で、ロマンスグレーの紳士に知的に濡らされちゃうんだわ――期待で胸高鳴る私の前に現れたのは、チェックのシャツをチノパンにインし、ベージュのベスト(ポケット多め)を羽織ったハゲ散らかした冴えないジジイだった。

 一目見てテンションだだ下がりの私。でも喋ってみたら見方が変わるかもしれない! 案内された席に座り、「どんな写真を撮ってらっしゃるんですか」と話を振ってみるも、「いやその話は後でいいから。ん、おっぱい大きいね。何カップ?」と舐め回すような視線で見てくるジジイ。へこたれずに「詩も書いてるんですってね。読みたいなぁ」と応戦するも、「こういう場所の使い方って知ってるかい?」といきなりディープキスをかましてくる始末。

 ナウなヤングのために解説すると、名曲喫茶の席は二人掛けのベンチが一方向を向いて並んでおり、木製ベンチの背もたれが高くなっているので他の客から見えないようになっている。それを利用してキスやら乳もみ、更には指入れまでと果敢に攻めてくるジジイ。情緒などあったもんじゃない。こんな、「名曲喫茶の間違った使い方」をレクチャーされても……と戸惑いながら時は過ぎる。

 一人で興奮度MAXに達したジジイ。問答無用で近場のラブホ(和室)に連れ込まれる。性急に服を脱ぎ捨て、ベッドインならぬ布団イン。ここまで流れに任せてきたのも、「ジジイは前戯がねちっこい」という都市伝説を確かめるため。きっと、性豪・安田老人も真っ青のテクを隠し持っているに違いない! 高まる期待。息も荒くバスローブを大胆にはだけさせ、乳首を目にも留まらぬ早業で舐め……え? もう乳首終わり? 脚をガバッと広げて……唾つけた指で擦る? で、もう挿入?

 その間、1分。ジジイはすでに己が分身を私の肉に沈め、一心不乱に腰を振っていた。すべてが雑。もしかしたらジジイは年齢の割に経験がないのかもしれない。今でこそAVなどで知識を仕入れ、童貞でもそこそこ前戯ができるもの。だがジジイの世代にはそれすらなかったのでは――チラッと垣間見た、老いた身体に不似合いなほど照りのある濃いピンク色のナニ(硬さは「アルデンテ」)が、そう物語っている気がしてならなかった。

 セックス後、タバコを吸っている私に冊子が手渡された。昔ながらの手で綴じられた詩集、presented by ジジイ。特に名を馳せたわけでもないジジイの詩は、セックスと同じくただただ「残念な感じ」。感心したフリをして読む私にジジイがぽつり。「君は田舎の少女のようだ……」――それ、褒めてるつもりかよ!

ドルショック竹下(どるしょっく・たけした)
体験漫画家。『エロス番外地』(「漫画実話ナックルズ」/ミリオン出版)、『おとなり裁判ショー!!』(「ご近所スキャンダル」/竹書房)好評連載中。近著に「セックス・ダイエット」(ミリオン出版)。

『性豪 安田老人回想録』

この人は別格なんですって。

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最終更新:2013/05/29 16:11
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