[連載]みかのはらミキ presents ご長寿番組潜入記

ご長寿番組に訪れた激震の瞬間! 『東京フレンドパーク2』潜入レポート

2010/10/18 22:30
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(C)みかのはらミキ

 今回は『関口宏の東京フレンドパーク2』(TBS系)を観覧してきた。1992年に始まった前身番組を含めると、実に18年も続いている超ご長寿番組である。この日は、里見浩太朗、東幹久、的場浩司、雛形あきこの「水戸黄門新レギュラー」がゲストのせいか、観覧客の年齢層は高めだ。ぽっちゃり体型で地味めな雰囲気の妙齢女子ふたり組などが目立つ、その雰囲気は「梨狩り&カニ食べ放題バスツアー」の車内のようだ。

 支配人・関口宏、副支配人・渡辺正行、ホンジャマカ、小林豊アナウンサー、管理人・西秋元喜、田中みな実アナウンサーが登場した。関口宏は大物オーラも偉そうな態度もなく、親しみを感じる雰囲気だ。大沢親分の告別式で語っていた人物とは同じとは思えないほど、頼りなさげでやる気もなさそうだ。何より、覇気がない。テキトーにしゃべり、テキトーにホイッスルを吹いている印象だ。撮影に入っていた雑誌のカメラマンに「まだ撮るの? そんな使わないでしょ」なんてことも言っていた。「衣装が白いのを忘れてカレーうどんを食べちゃったんですよー。危なかった~」なんてのほほんなことをスタッフと会話していたリーダーこと渡辺に癒やされる。

 北島サブちゃんを抜いてゲスト最高齢を更新した73歳、黄門様の里見浩太朗、助さんの東幹久、格さんの的場浩司、楓の雛形あきこが登場する。そう、東幹久と的場浩司といえば決して「水戸黄門ファミリー」なんぞではなく、何といっても月9ドラマ『素顔のままで』(フジテレビ系)だ。90年代のトレンディードラマ全盛期にあって、いまだに色褪せない名作! 米米CLUBの歌う主題歌「君がいるだけで」も名曲だ。そんなナウいドラマで、幹久と的場は安田成美と中森明菜の四角関係ラブストーリーを演じていた。そんなトレンディーだったふたりが今や助さんと格さんとは……。幹久がいくら楽しんごにネタにされようとも、私のなかでは、いまだに幹久はあの頃のイメージのままなのだ! 

 などと思っている間に、一つ目のゲーム。今回は残念ながら壁に飛び付く「ウォールクラッシュ」はなく、急坂を駆けのぼる新ゲーム「ゴー!アップヒル」が登場だ。「ゴー!アップヒル」は動物の着ぐるみを着て急坂を駆け上り、できるだけ高い位置にバトンを置くというゲーム。お年寄りの里見と女の雛形の代わりに幹久&的場が頑張らなければならないはずが、総じて不甲斐ない結果を残してしまう。的場に至っては雛形よりもダメだった。「こんな時、照英がいれば……!」と体力系ゲームにおいての照英(黄門レギュラーでもあった)の存在の大きさを思い知る。

 それにしても宏のテキトーぶりには驚いた。パン教室に通っているという雛形あきこに「なんでパンなの?」と身もフタもないテキトーかつ唐突な質問を繰り出し、「え……それは……パンが好きなので」「なんで?」と、意地悪年寄り面接官あるいは純粋無垢すぎる質問をする宏に雛形は困惑していた。おそらく宏は悪気があるわけではなく、何も考えていないのだろう。タモリにも言えるがそのテキトーな脱力加減が長く番組を続ける極意なのかもしれない。大物司会者ともなれば頑張りすぎない方が年配には安心感をあたえ、番組に重厚感も出て良いのだろう。しかしテキトーすぎた。

 セット組み直しの間、出演者は休憩タイム。スタジオの隅に置かれたテーブルと椅子で宏とリーダー、そして幹久と的場が休憩していた。幹久は的場と談笑したり、的場はタバコで一服したり、幹久は髪型を気にしていたり、トレンディーな彼らの素の姿がみえたのは嬉しかった。

 さあさあ、最後のダーツだ! 会場一体となり「パッジェーロ!」コールをしていこうぜ! と盛り上がる私のテンションを削ぐ事態が発生した。なんと、近年は「パッジェーロ!」コールではなく「パピプペ、パッソ!」と言うミーハーなコールに変わっていたのだ。商品がパジェロからパッソに変わったことによるコール変更ということは分かるが、もう二度と「パッジェーロ!」と言えないのだろうか? だいたい、「パピプペ、パッソ!」は語感が悪い。と腹に据えかねていたのだが、いざ始まると本気で「パピプペ、パッソ!」と叫んでしまう不思議。TFPには魔物がいる。

 しかし、そんなほのぼのタイムに再び激震が! なんと、ダーツの的にあってはならない名前が刻まれていたのだ。「カイヤ様」の下、そして「うっかり八兵衛様」の上に、元極楽とんぼ「山本圭壱」の名が……! テレビ業界から姿を消した山本の名がこんなところに残っていたとは、まさにうっかりではないか。ダーツの的を外したことで、山本の名はこの番組が続く限り刻まれ続けるのだ。なんという運命の皮肉。芸能人になってこの番組に出る暁には、目先のパッソより「ダーツに名を刻む」方がよほど価値があるのかもしれない。ご長寿番組の光と陰を目撃したのだった。

観覧方法:番組公式HPにある観覧応募からエントリー
客層:13歳~70代、中高年女性メイン(ゲストによって客層は変わる)
収容人数:この日は105名
特典:収録後、番組出演者全員と記念撮影した写真をもらえる

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「ご来園いただきまして誠に有り難うございます。」と言葉が綴られた
写真・右の封筒に、集合写真が入り配られる。

【フレパには関係ないけど見逃せない情報】
・観覧客を案内する裏方のADも、フレンドパークの従業員用赤ジャケットを着用。観覧券も「ご招待入園券」と書かれた黄色いカードだ。「フレンドパークは遊園地」という世界観が行き届いているのに感心。

・局内でも1、2番目に大きいスタジオ「Aスタジオ」がTFP2の場所。スタジオに行くまでの廊下には、グランドスラムを穫った出場者がパネル展示されている。見逃すな!

・フレンドパークは観覧客もかなりテレビに映る。「若くて見栄えがよい女の子を前の方」などの操作は(現場では)行われていないようで、その公平性にも感心。

・前説やセットチェンジの待ち時間に観客を楽しませてくれた西秋元喜。西秋の客いじりスキルはハイレベル。オンエアではほとんど画面には映らない、出演者とスタッフの間のような人だが、間違いなく番組の影の功労者だ。西秋元喜に光を!

みかのはらミキ
漫画イラストレーター。80~90年代好きで、有名人を「やや~最大に美化」して描くのが持ち味。「星ぽえ夢」スタッフとしては雑誌イラストや携帯コンテンツなどでも活動中。

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最終更新:2019/05/17 21:09
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