[不定期連載]同じアホなら、見るだけで。

塀を越えられず、「痛~い」の声が響き渡る「全日本忍者選手権大会」

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それにしてもこの忍者たちの衣装、赤だの緑だの
ピンクだのとカラフルだ。参加忍者はくの一3:
忍者7くらいの割合。

――「踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損々」と言うけれど、どうせ同じなら「見るだけ」の方がだんぜん楽でしょ! ということで、日本中、いえ世界中の「変な大会」をナナメ切り。参加者、観客まで余すことなくウォッチング。

 スポーツの秋である。野球はそろそろクライマックス、各種実業団もスタートし、全国大会なんかもあちこちで開催される季節である。そんな10月10日は体育の日。この、文系人間に対する挑戦状のような祝日に、盛大に行われた全日本大会があった。「全日本忍者選手権大会」である。

 これは一体、どんな大会なのだろう。忍者と言えば、浸透戦術や逃走術などの忍術を極めた達人のことだ。もしかしたら、屋根まで飛び上がるバッタのような跳躍とか、一瞬にして消え去る術とか、大技が次々と見られるのかもしれない。「全日本」大会であるからして、地区大会を勝ち上がってきた大物忍者たちが集合するのかもしれない。めくるめく技の数々が見られるのではないか。行ってみるしか手はないだろう。

 当日、滋賀県甲賀市(ちなみに読みは「こうが」ではなく「こうか」だそうで)にある、甲賀の里忍術村へ向かった。

 村にほど近い道路には、「忍者飛び出し注意」の看板が立っている。忍者だったら飛び出してきたって勝手に避けてくれそうなので、ドライバーに対する「びっくりしないでね」的な注意の看板なのだろう。そして「甲賀警察署」の看板。忍者の住む街の警察署である……夢がふくらむなあ。署長の正体は誰も知らないに違いない。

 忍術村に到着すると、すでに100名もの忍者が、ゼッケンを胸につけてたむろしている。よく考えてみると、ナマ忍者を見たのは初めて。ゼッケン付きは映像でも見たことがない。否が応にもテンションが上がってしまう。いったいどんな技を見せてくれるというのか。

 競技は障害物競走と、バランス競技、手裏剣投げ、それから水上競技。大会主催者が「昨日までの雨で足元がかなり滑りやすくなっているため、ご注意ください」とアナウンス。忍者たちに対し「足元注意」などとレベルの低いことを言うわけがないから、これは観客に対して言っているのだろう、と思うことにする。

 そして忍者たちがスタート地点に集合し、まずは障害物競走が始まった。

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5名ずつスタートし、ぞろぞろと3mくらいの城壁を登って
くるくの一たち。

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城壁を登ったら、次は塀飛び。「飛ぶ」って言うより
「よじ登る」。ここでこの塀が越えられず、半数近くの
くの一がタイムオーバーで失格に。このあたりで、
この大会がしょっぱい大会であることが判明する。

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忍者の里らしく、雨が降ったり止んだりの天気。足元
はかなりぬかるんで滑りやすい。元気に飛び降りたく
の一が足を滑らせ「痛ーい!」と叫ぶ。その声に怯え
たのか、その後くの一たちのパフォーマンスがかなり
地味~な感じに。先ほどのアナウンス、やはり忍者に
対してだった!

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陸上競技とバランス競技、手裏剣を終えたら今度は水上競技。池の上に
つなげられた板の上を、走って対岸へ渡る。このあたりになると忍者選手
権大会というよりは、『風雲!たけし城』(TBS系)を見ている気分に。
参加しているお父さん忍者は、競技前は子どもたちに期待のまなざしで
プレッシャーを受け、競技後は明らかな落胆のまなざしを受けるという
光景があちこちで勃発。それにしても、通常アスレチック的な家族イベ
ントって子どもが主役のはずだけど、ここでは子どもは応援するのみ。
遊ぶのはお父さん忍者とお母さんくの一である。

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最後は「水ぐも」。スタート地点で、2つのタイヤに足をつっこみ、座っ
てスタートの合図を待つくの一たちは、4人ズラリ並んでのM字開脚。これ
はぜひ「芸能人忍者大会」を開くべきである。しかも水着で。そしてワ
イプには「フィフティーン」を歌う西田ひかるを映すべきである。

 優勝者、準優勝者には海外旅行が与えられた。意外と立派な商品である。しかしなぜ忍者大会という日本の伝統的技術(?)を競った商品が海外旅行……? 文化交流的な?

 こうして、怒濤の「全日本忍者選手権大会」は終了した。見終わったあと、観客として思うことは「来年は出ようかな……」である。「全日本」という割には公式HPで「参加者募集」を謳い、「忍者に憧れている人(自称忍者)」でもOKと書かれている。ということは、私でもOKってことか? しかも、くの一参加者30名ほどのうち、2名が海外旅行なのだから、15人に一人は旅行が当たるってことだ。宝くじよりよっぽどいい。

 それにしても、「忍者」なのに「選手」権ってなんだよ……。ぜんぜん隠密感がない。タイトルからしてしょっぱさがありありだ。以後、スポーツ大会を観戦する際には、そのネーミングにも注意である。

和久井香菜子(わくい・かなこ)
ライター・イラストレーター。少女向けのコラムやエッセイを得意とする一方で、ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、就職系やテニス雑誌、ビジネス本まで、幅広いジャンルで活躍中。 『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。

「ときめきのプロローグ」

来年、一緒に出る?

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