『バブル女は死ねばいい 婚活、アラフォー(笑)』刊行インタビュー(前編)

『バブル女は死ねばいい』の著者が語る、現代的”バブル”女の生態

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『バブル女は「死ねばいい」婚活、
アラフォー(笑)』(光文社新書)

 「上昇志向が強い」「古式ゆかしい『男尊女卑』を身につけた最後の世代」と、バブル世代(1960年代後半生まれ)の女性たちを容赦なく斬る『バブル女は「死ねばいい」  婚活、アラフォー(笑)』(光文社新書)。タイトルからしてバブル女への恨みつらみを綴った呪いの書、と思われがちだが、そこにあるのはバブル的な価値観と不況時代の価値観の狭間で悲鳴を上げている団塊ジュニア(1971~1974年生まれ)の悲しい姿である。

 著者の杉浦由美子さんは1970年生まれ。どんな恐ろしい40歳かと思ったら、意外にもごく穏やかでユーモアあふれる女性だった。

――まず、この本を書くことになった経緯を教えてください。

杉浦由美子(以下、杉浦)「アラフォーブーム」と言われていた時(08年ごろ)に、40歳前後の女性について書こうとしたことがきっかけです。当初、「40女はややこしい」というおしゃれな仮タイトルを編集長がつけてくれたんですが、取材していくうちに、40歳前後といっても団塊ジュニアとバブル世代で全く違うことがわかりました。バブル世代は、一般職で年収700万円とか、10歳年下の西島秀俊似の彼氏がいるとか、とにかく華やかで女子力が高い。それに比べて団塊ジュニアは、同僚の前でも堂々と「彼氏は10年いない」と非モテ自慢をしたり、婚活しているのに「一人暮らしが楽しい」と矛盾したことを言ったり、地味。そして彼女たちはバブル世代の話題になると、「やつらは汚い」と憎しみを露にする。その感情がおもしろいなと思ったんです。

――杉浦さんご自身はバブル女から被害を受けたことはありますか。

杉浦 価値観を押し付けられることはよくありますね。バブル世代までは横並びの時代。職業や学歴、年収で人を差別し、その一元的な価値観を他人に押し付けてくる。この本の中でも触れているんですが、バブル期に高卒や短大卒で一般職として入社したお局様は、大卒の団塊ジュニアを批判するんです。「団塊ジュニアは、男女同等の意識が強すぎて、素直さに欠ける」と。そういう指摘は、女の子枠で楽して会社に入った人の特徴だと思います。一方で、団塊ジュニアは疲弊している。「出世しちゃって困る……」なんて言うエリートもいます。中学高校のころはそれほど「自立しろ」とは言われてこなかったのに、バブルが崩壊して社会に出たら急に「自立しろ」という雰囲気になり、その落差に苦しんでいる。団塊ジュニア以降急に子どもが産めなくなってきているのも、その表れ。自立しろと言われると結婚はしにくいし、結果的に子どもも産めなくなります。

――職業や年収で差別したり、女であることをうまく生かして仕事やプライベートで得をする”バブル女”のような女性ってバブル世代に限らずいる気がするんですが。

杉浦 そうなんですよ。「バブル女は死ねばいい」っていうタイトルを大学生女子に教えたら大喜びしたんです。「クラスにもバブル女がいる」って。ヴィトンの今期モノを慶應医学部の彼氏に買ってもらったとか、2、3人の男とつきあって貢がせてるとか。「バブルって知ってるの?」と聞いたら「漫画で読んだ」と。バブルの概念はずっと受け継がれて、同性から嫌われてるんですね。

編集N 私も同世代(20代後半)から「男にうまく媚びて仕事しなきゃ損」と言われて驚いたことがあります。

杉浦 それを言った人も男にうまく媚びれてないと思いますよ。本当に媚びてうまくやっている人たちは「私、女を武器になんかしてないし」って絶対言いますから。

――そうなんですか。でも、”バブル女”のメンタリティーは消えることなく受け継がれていくという説はすごく納得です。あー、いるいるという感じ。

杉浦 ただ、バブル時代はそういう女性の割合が高かったということです。あのときはお金があったから、男性が女性をチヤホヤもてなすことができた。今はお金がないから、男同士、女性同士盛り上がる傾向にある。で、女同士が集まって話をしたら、ジャニーズの話題になって、ソースがサイゾーウーマンというね(笑)。……実は私、赤西仁様の信者なんですよ。

――えっ、”仁様”?
(後編へ続く)

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)
ノンフィクションライター。1970年生まれ。大学浪人後、日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)に入学。卒業後、中小企業社員、無職、派遣社員などを経て2005年にライターとなる。著書に『オタク女子研究』(原書房)、『腐女子化する世界』『ケータイ小説のリアル』(以上、中公新書ラクレ)など多数。

■ニコニコ動画で杉浦由美子さんによるインタビュー企画を配信中。
第一回:『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)の著者・中川淳一郎さん。
中川淳一郎がバブル、恋愛、草食系を語る

第二回:”女彪ライター”の異名を持ち、『人のオトコを奪る方法』の著者・島田佳奈さん。
女豹ライター・島田佳奈に聞く「キャリアと恋愛とバブル」

『バブル女は「死ねばいい」 婚活、アラフォー(笑) (光文社新書) 』

観察対象としてはおもしろい、バブル(的)女。

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