[女性誌速攻レビュー]「STORY」11月号

「STORY」で女子会祭り! 大黒摩季×藤原紀香「ソウルメイト女子会」の恐怖

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「STORY」2010年11月号(光文社)

 世界各国から様々なセレブが登場する、人気連載「手は女を語る」。扉に「じっくりと考える文章は必ず原稿用紙に縦書きで」「手書きの原稿をファックスで送るスタイルはずっと変わらないような気がします」とあったので、どんな文豪が登場するのかと思ったら、雨宮塔子でした。雨宮塔子に個人的な思い入れは皆無ですが、丸い刃で心をかすられたような、この小さな疼きは何でしょう。エスプリの香りとともにやって来る無尽蔵なFAXに、編集さんの目が死んだ魚のようになっていないか心配。古くは岸恵子、そして中山美穂……パリという街は、女から現実を直視する能力を奪っちゃう恐ろしいトコなのですね。40代の夢物語「STORY」にも、おフランスに似た魔力が潜んでいるので、今月も注意深く拝読させていただきます。

<トピックス>
◎大研究 「やせたね」と言われる服!
◎「実例」女子会が40代を救う!
◎「働く40代」の最高峰、奥さまは取締役!

■子ども植松登場が意味するもの

 今月の特集は「やせたねと言われる服」です。キャッチに「あなたの体型を輝かせるのは、ダイエットよりファッション!」とあるあたり、さすがは「STORY」。彼女たちの一番キライな言葉は”我慢”。我慢してキレイになるより、補正下着や新しいお洋服などお金にモノを言わせてほっそり見せる方が、精神衛生上いいじゃない? という論理のようです。

 扉ページはまずダメ出しから。どこから引っ張り出してきたのか、”チビ植松”なる小学2年生の少年が4人の読者をズバズバ指摘して回ります。隅の方で元祖の植松晃士が「今日はテレビ出演。私の代わりにファッションチェックを任命するわ~」とご丁寧に説明まで。チュニックにレギンスというスタイルに対し、「レギンスはおばさんの制服だよ!」、ストンとしたワンピースには「まるでドラム缶だねっ!」、白いシャネルジャケットのご婦人に至っては「バブル時代の生き残りかっ!」なんて、ちょっと子どもだからってあんた、言い過ぎよ!

 しかしこれはしたたかな「STORY」戦法。妙齢な女性が大好物な、ファッションアドバイザー的ゲイ。何を言われても許してしまう神的存在の彼ら(彼女ら)に、さらに”子ども”というフィルターをかけて焦点をボヤけさせるとは!

 「STORY」のファッションページに登場する”読者の皆さん”は、読者モデルよりもリアル、実際の購買者よりファンタジーという絶妙なセレクトだから、親しみと憧れのバランスも調度いい。しかもゲイフィルターのかかった子どもだったら、「おばさん」呼ばわりも「んもうっ」って許せるんですね。と感心していると、その後しっかりと元祖・植松が登場し、「おブスおブス」を連発させていました。子ども植松論を力説してた自分が恥ずかしいんですけど!

 また意外とびっくりしたのは、掲載されている洋服の価格帯に比べて、補正下着がプチプライスだったこと。ウン万もするガードルとかロングブラジャーに「よいしょよいしょ」ってお肉を詰め込むイメージがある補正下着。ワコール、グンゼ、セシール……いずれもガードルは4,000円ほど、ブラも6,000円前後です。そこにはあまりお金かけないのね~。

■女子会問題を考える

 メディアでの”大流行”と、実感としてのそれとが大分違う、ということはよくある話ではあります。例えば、一時の河村隆一フィーバーのような……。そこで、「女子会」ですよ。今月は「MORE」でも様々なタイプの女子会を取り上げていましたが、「STORY」も負けじと”味濃め、脂混め”な女子会をぶち込んできましたよ。なんてったってタイトルは「女子会が、40代を救う!」ですから。

 まずは大黒摩季×藤原紀香の、名付けて「ソウルメイト女子会」から。番組での共演をきっかけに大の仲良しになったという二人。いや「ソウルメイト」。「イイこと言い合えるのは知人、盛り上がるのは友達、情けないところを見せられるのは親友、リスペクトできるのが真のソウルメイト」(大黒)だそうです。二人とも頑張り過ぎるクセがあるから、その分落ち込みも激しく、その度にお互い励まし合う、なんて素敵な関係なのでしょうか。「ノリゾー」「マキゾー」と呼び合う二人に、ぜひ「サイゾー」もソウルメイトにして欲しいと思いました。

 その後は、編集部が面白がって名付けたとしか思えない、強烈に「STORY」っぽい女子会がページを占拠。「ゴージャス妖艶女子会」「名古屋セレブ淑女会」「月輝会(※月のように輝く女性になりましょうの意)」「ギャル可愛女子会」などなど。どれもこれも「何をするか?」ということより、「何を着て、何を持って、どこで食べるか」ということに重きが置かれている様子。

 単なる飲み会は”女子会”という名前を与えられ、急に特別なものとして認知されるようになり、価値がついたところで利権が発生する。それはとっくに知られたことですが、「ファイナリスト美魔女女子会」の次のページに、「国民的”美魔女”コンテスト最終選考会開催!!」という告知がスルンと入れこまれているのを見て、なんとなく社会の仕組みを見た気がしました。これはもう、目ぇつぶって輪の中に飛び込んじゃった方が良さそうですね! 踊らにゃ、損損! っと~。

 大好きだけど、一冊じっくり読むと正体不明の疲労感が襲ってくる「STORY」。でも今月何より見るべきは、連載「更年期のクスリ」に登場している山咲千里。先月親しみを込めて”妖怪”と呼ばせていただきましたが、今月はそれをさらに凌駕。パッと見、「どうしてハマのメリーさんがここに!?」と思ったほどです。重力に逆らえず落ちそうになるつけまつ毛……ザキゾー(山咲千里)には本当のことを言ってくれるソウルメイトがいなかったのでしょうか。どうか、ザキゾーもソウルメイト女子会に入れてあげて、ノリゾー!
(西澤千央)

「STORY」

40代で「女子」って、ツッコミ方も恥ずかしい

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