[女性誌速攻レビュー]特別編「主婦雑誌の歩き方」

日本最高峰セレブがゴム手袋の魅力を語る! 「saita」的主婦の世界

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「saita」(セブン&アイ出版)11月号

――独身女性には接点のない、主婦・育児雑誌の世界。書店に専用コーナーはあれど、素通りを繰り返してきた女性たちへ。いつか訪れる”主婦”生活、その日を心穏やかに迎えるべく各誌のママタレントに注目して主婦雑誌の魅力をお伝えします。これでもう迷わない、主婦雑誌の歩き方!

 「生活スイスイマガジン」のキャッチコピーで1995年に創刊された生活情報誌「saita(咲いた)」は、庶民的なスーパーマーケットっぽさが最大の持ち味。それもそのはず、発行するのはイトーヨーカドー系列のセブンアンドワイ出版(旧・芝パーク出版)なのです。ライバル関係にあったダイエーが生んだ雑誌「オレンジページ」(オレンジページ)を真似る形で創刊され、イトーヨーカドーのレジ横のみならず、系列のセブンイレブンやデニーズ店頭にも咲き誇り、鷲尾いさ子出演のCMも話題になりました。「オレンジページ」は独身でも読みやすい料理中心の誌面を長年貫き、月2回発行・発行部数50万部を誇っているのに対し、「saita」は20~30代の既婚女性&新米ママを対象にファッションや美容に重きを置いた月刊誌にシフト。部数は約18万部とやや少ないものの、読者モデルや、旬なママタレントのクチコミを大切にしています。

■エイベックス社長夫人、元「CanCam」モデルもイチ主婦目線

 表紙にもママタレントを起用し、今月(11月号)の表紙はHIPHOPアーティスト、ZEEBRAの妻で「CanCam」(小学館)専属モデル出身の中林美和。2010年はhitomi、三船美佳、中林美和の3人のローテーションで表紙を回し、この3人が「saita」看板娘と言っても過言ではないでしょう。「saita」以外の雑誌ではブランド品を紹介する機会が多いセレブママ中林美和ですが、ここの連載では「サーモンとほうれんそうのグラタン」を作り、特集「ママタレ&読モの衣食住おしゃれ(はあと)SNAP534」の中の「今ハマっているものを大公開!」では、生ガキの魅力やにんにくケースを紹介、羨望を集めるようなセレブな影はナリを潜め、親しみ易さを感じる登場です。

 今月号の付録は、「ARTISAN&ARTIST」とのコラボによるポーチ。ここでも中林がプロデュースを任され、どんなにオシャレな評価を手にするのかと思いきや、「おむつ3枚とお尻ふきが入ります!」と試した主婦に実用面で太鼓判を押され、徹底したイチ主婦目線での仕事ぶりを見せた中林に親近感が持てました。ちなみにエイベックス社長夫人のママモデル・畑田亜希が登場したページも、子供との野菜作りやゴム手袋の便利さについて語っており、日本最高峰のセレブ主婦であることを感じさせない親しみやすさでした。

 オシャレな靴である、モカシン系スリッポン&ブーツの紹介も「saita」にかかると、グッと庶民的なアイテムに。その最大の要因は、スーパーのチラシのようなレイアウトで、オシャレさよりも商品の実用度をアピールするような誌面作りとなっています。誌面には、豪華芸能人が出まくりで、巻頭には藤本美貴、青木さやか、hitomiと主婦タレント、後半にはジローラモの連載が。「ジャニーズとデートしてみたい!」なる連載も抱え、ただのインタビューではなく、本当にデート感覚な取材と写真が贅沢。この号は岡田准一とホテルでデートという設定ではあるものの、ベッドに横たわる写真にいやらしさを連想させる「an・an」(マガジンハウス)的文章は一切添えず、健全なデート企画となっています。

■読者モデルも庶民的+可愛らしさが重要

 多くの女性誌と同じく、「saita」も読者モデルたちを抱え、そのラインナップは顔面偏差値高めな茶髪アラサーママが多め。華やかなようで庶民的、真面目そうでおマセさんぽくもあり、ご近所で「美人ママ」としてもてはやされそうなタイプです。そんな読モの日常は「saita-dokumo新聞」なる連載で垣間みれ、今月のお題は「ハロウィンデコ大公開」。100均グッズを使って室内を飾ったり、パーティーメニューに牛乳パックの型を利用した「お寿司ケーキ」作ったりと、庶民的な中に可愛さを忘れません。今月はミニスカ姿のスナップや、愛用つけまつ毛を紹介するちょいギャルママも多かったものの、実用性や安さを徹底的にアピールし、「盛り」や「詐欺る」といったギャル語は一切使っていませんでした。

 そして、元モーニング娘。の市井紗耶香の活躍ぶりには驚きです。元モー娘。の勝ち組と言えば、藤本美貴、辻希美と認識されていますが、全盛期より美人になった市井ママの「saita」誌面における活躍、カリスマぶりは二人の比ではありません。中林、hitomi、三船美佳よりもページへの登場が多く、タイアップページでの安定感も抜群です。市井が読者と等身大でありつつ、嫌みのない憧れを保持しているからこそ、誌面を任されるのでしょう。ギャラ問題で揉め、半ば干される形でモー娘。を卒業したと言われる苦労人な市井さん。移り気なファンにも、有名税にも振り回されないこの立ち位置は、ようやく見つけた安住の地なのかもしれません。

 ギャルすぎたり、オシャレすぎる存在は出る杭の如く打たれてしまう。それよりも、地味でも実用度のあるアイテムやママタレを起用し、普通より少しだけ「おしゃれっぽい」感じ、そして何よりも「親しみ易さ」を演出するというのが、「saita」流なのです。
(内海敦子)

「saita (サイタ) 2010年 11月号 [雑誌]」

ジャニーズファンもお見逃しなく!

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