[女性誌速攻レビュー]「美STORY」11月号

「MEN’S 美STORY」は期待外れ!? 濃厚な女性の欲望に完敗

2010/09/22 16:00
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「美STORY」2010年11月号(光文社)

 先月号の女性誌レビューでご案内した通り、今月号の「美STORY」ではブックインブックとして「MEN’S 美STORY」が入っております。それだけでなく、今月号には表紙&インタビューの檀れいをはじめ、岩下志麻&かたせ梨乃、たかの友梨、杉田かおる、国生さゆりなど、豪華な面々が登場しております。ここに芸能記者を張りつかせたら、何本記事が生み出されるだろうというくらいの、ゴシップ量産メンバー。美容雑誌という冠にごまかされずに、しっかりチェックしていきたいと思います。

<トピック>
◎同窓会で必勝! 美容&メーク
◎緊急創刊 MEN’S 美STORY 仕事のできる男は美しい!
◎秋の夜長にこっそり観たい、ホルモンアップDVD(はあと)

■役者は揃っているのに……

 まずは巻頭ロングインタビューに登場した、たかの友梨。彼女の出生の秘密や家庭環境、結婚・離婚歴などはちらほらと報道されていることですので、特に目新しいことはないんですが、美容雑誌だっていうのに、突然「夢を叶えるために6つの要素」を、語りだしちゃうから、さあ大変。「とらばーゆ」(リクルート)あたりだと、大歓迎されると思いますよ。一応見ておきますと、その要素と言うのが、1仕事、2家庭、3趣味、4教養、5お金とここまでは割とまともな意見。そして6「美容と健康」。なんでも、「女の顔は請求書。健康で美しかったら、男に何でも請求できるんです(笑)」だそう。こういう発言を見るにつけ、バブル的だとか、林真理子的な世界観だとか、林真理子はいつまでダイエットしてるんだとか、おっしゃる方がいます。でも正直、たかのぐらいの成功者と対等な人間関係を作っている男性(及び、それに群がっている女性)を見ていると、これが最短の成功の道なのだと悟ったのだろうと思います。でもやっぱこれ、「とらばーゆ」に載るべきインタビューですよね。

 表紙&インタビューに登場している檀れいは、可もなく不可もなくの受け答えをしているのでスルーしますが、相も変わらず美容家・齋藤薫が檀れいの美しさを分析しております。ただ、女性誌レビューよりも妄想&偏見が多く、なぜ檀れいが女性に嫌われているかを一生懸命考えておられます。興味のある人はご一読を。

 そして「緊急対談 まだ女40、たるんだら、あんた終わりやで!」に登場しているのが、岩下志麻&かたせ梨乃。個人的には大好物のお二人ですが、特に番宣や告知はないのですが、なぜこのタイミングに? 「中年に見も心もたるませないために、二人の対談で気合注入」らしいのですが、だからと言って美容対談の内容はそこまでストイックでもないんですよね。女優という商売なら普通のレベル。というわけで、サイ女的なお楽しみポイントは、岩下が『極妻』が始まった時はまだ45歳だったと告白したことでしょうか。何作目だったでしょうか、岩下の小林稔侍とのベッドシーンを思わず二度見してしまいましたが、なるほどまだ現役の頃だったのですね。気合と貫禄に負けて、年齢設定を考える余地もありませんでした。

 そして、「たるんだ心に『メントレ』ビンタ!」という謎のコーナーに登場した、杉田かおる、国生さゆり、中村あゆみについては……よく分からないけど、健康的で美容を気にした日々を過ごせば、性格もよくなるみたい! とだけ言っておきます。本当に、なぜか急に性格よくなったことになってるんですって!

■同窓会という言葉がもらたす不幸

 去年も美SOTRYで掲載されていた「同窓会」企画が、ドラマ『同窓会~ラブ・アゲイン症候群』(テレビ朝日系)のヒットを受けて、さらにパワーアップして帰ってきました。「美STORY」世代前後でも、同窓会というと「再会→やけぼっくり→不倫」という期待も高まるのですが、「美SOTRY」世代はバブル謳歌世代。いくつになっても見た目を繕わなくてはいけない世代ですもんね。「同窓会で必勝! 美容&メーク」でも2週間前からのカウントダウン形式で、死に物狂いの美容法がレクチャーされています。何のためにそこまで……と思いのアナタ、それは同窓会当日のメーク紹介ページにしっかり書かれています。いわく、「共学同窓会:圧倒的な清潔感と美肌力で『憧れのマドンナ』に返り咲き!」、「女子校同窓会:堂々たる華やぎと現役感で『幸せな私』を印象づけます」。モテたかったり、幸せな自分アピールしたかったり、同窓会という魔物はかくも人の心を惑わすのですね。恐ろしや~。

■やはり女の欲望の方が濃厚!?

 ジョージ・クルーニーが表紙の「MEN’S 美STORY」ですが、正直物足りなさを感じてしまいました。分かりますよ、ブックインブックなんて、本誌では拾えないクライアントを見込んだ、広告目的だっていうのは。どの雑誌でもブックインブックはその扱いですよ。でも「美STORY」という媒体なだけに、期待していたのです。

 中身はというと、冒頭はNYエグゼクティブの日常を紹介し、「仕事のできる男は美しなければならない」と言わせています。ちなみにこのエグゼクティブ、「ウォール街の銀行を顧客にしたデザイナーとして活躍中」となるのですが、何のデザイナー? 怪しい! そして、ザ・ペニンシュラ東京の社員やトガブロでお馴染みの「メンズクラブ」編集長・戸賀敬城さんを引っ張り出して、愛用化粧品を語らせています。その後は「H・D・K」(ハゲ・デブ・クサイ)を回避するためのシャンプー、整体、歯科医療などを紹介しつつ、最後は美容・健康にいいメニューを持つレストランを紹介して終了。ああ、虚しい。

 そんな物足りなさは、「秋の夜長にこっそり観たい、ホルモンアップDVD(はあと)」で解消されます。無駄にムーディーなイメージ写真とともに、官能的なDVDを紹介しています。ちなみに、『アイズ・ワイド・シャット』の読者リコメンドには「珍しくいい雰囲気になり、1年ぶりにエッチしました」というおめでたい報告付き! やったね、赤飯炊いてね!

 というわけで、うまいこと役者と記事が絡んでいなかった今月号の美STORY。今月号の一番のセールスポイントは、山下真司、ケイン・コスギ、丹下段平(『あしたのジョー』)という次元を超えたメンバーによる、「顔と心のたるみに 気合注入カード」という、訳の分からないページがあるということでしょうか。表にタレント写真が、裏に一言が書いていあるのですが、「NEVER GIVE UP」(ケイン)、「勝ってから泣け!」(山下)という、こちらが泣きたいよレベルの一言が並ぶ中、あの人が言ってました「OK牧場!」と。美容雑誌にガッツ石松が登場……それもまた「OK牧場」なんでしょうね。
(小島かほり)

「美STORY」

檀れいとガッツの奇跡の共演

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最終更新:2010/09/22 16:00
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