[女性誌速攻レビュー]MORE10月号

「MORE」400号記念で、「谷亮子研究」を掲載した意味を考える

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「MORE」2010年10月号(集英社)

 2週間ほど前でしょうか、『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で「MORE」と「sweet」(宝島社)の「二大女性誌の人気の裏側」を特集しておりました。「sweet」は何といっても付録の豪華さ、一方「MORE」は究極の実用性が女性の心を掴み続ける秘訣だそう。街角でおしゃれさんを調査するひたむきさ、「それじゃ一般の子が真似できない!」と決まりかかった企画をひっくり返す情熱。BGMとして「風の中のすぅばる~(by中島みゆき)」が流れていても違和感ゼロというくらいの『プロジェクトX』っぷりでした。敢えての地味、敢えてのポピュリズム。400号に積み重ねられた、突出しない、尖がらない生き方がこんなにも受け入れられているのは、混沌とした社会状況への不安の表れなのかもしれません。迷えるアラサー女子が安堵を求める「MORE」400号記念号をさっそく読み進めてまいりましょう。

<トピックス>
◎More&More…!!嵐
◎秋服5着で見違え!9月のお仕事コーデ20
◎「20代離婚」のリアルすぎる事情

■「MORE」=大野智という新方程式

 「MORE」が400号かけてたどり着いた結論「突出しない・尖らない」生き方というのを、どんなモデルや女性タレントよりも体現しているのが、嵐なのかもしれません。他のジャニタレにはほとんど興味を示さない「MORE」が、男性でありながら「MORE世代の代弁者」として崇める嵐。嫌みのなさ、屈託のなさ、仲の良さ、横並び感……その全てが「MORE」が求めるポピュリズムです。「MORE」が嵐に欲するものは”フツー”な格好よさなんですねぇ。そんな「欲のない(とされている)」5人に、「More(もっと)」というテーマでインタビューしています。

 松潤は「More Performance」、ニノは「More Pleasure」、相葉ちゃんは「More Sensitivity」、翔クンは「More Action」とそれぞれに何だか分からないキャッチが付けられているのですが、なぜか大ちゃんだけ「More Far away」……。

 5人まとめてのインタビューでも、大ちゃんこと「ミソニィ(三十路の兄さんの意。メンバーからこう呼ばれているらしい)」のFar awayがさく裂。ニノの「リーダーはまだオレとふたりでご飯食べにいってくれないよね。百万回誘い続けてるのに、一度も!」という言葉に「行きたいよね……」「タイミングがねぇ」とどこ吹く風のミソニィ。さらに「でも、その前に相葉ちゃんとふたりで行かなきゃ。先に約束してるから」。結局、「それなら5人で行こう」と最終的には伝家の宝刀「仲良し」でフィニッシュ。しかし、ミソニィのFar away力こそ、「普通だけどちょっと違うと思われたい」MORE娘たちの目指すベクトルなのかも。「MORE」が、KAT-TUNでもなくNEWSでもなく、嵐でなくてはならない理由はミソニィなのか。

■読者の結婚願望に揺さぶりをかける「MORE」

 全体的に400号御祝儀タイアップの匂いがぷんぷんする今号。しかし、「MORE」は単なる祝賀ムードでは終わらせません。「甘いだけじゃない、それが結婚生活」というキャッチの「20代離婚」特集。前号まで「結婚! 結婚! 出産! 出産!」と騒いでいたのに……。

 離婚理由のベスト1は「相手の人格の問題」。ストーカー、DV、マザコンなどなど「気づかんかったんかいな」と思われる内容のものも。2位は「価値観の不一致」。夫が家事を全くやらないという不満多し。3位は「金銭問題」。実は夫に借金が……などはよくある話ですが、「なかなか定職につかず、夢ばかりを語っていた元夫。(中略)無職になって約1年で離婚」という28歳・派遣社員の貴女! 結婚前、「彼って、少年みたいなの~」とか言ってなかったですか? 女友だちはやんわりと反対しなかったですか?

 しかし、次ページに続く「私たちが『離婚』を決意した理由」を読み進めていくと、離婚理由というのはあってないようなものなんだと気付かされます。もちろん、DVや借金、浮気は到底我慢できるものではありません。ただコレという理由が明確にある人は踏ん切りがついてまだ幸せな方なのかも。大抵は少しずつ少しずつ目に見えない不満が堆積していくようです。そう考えると、20代の離婚には元気があります。「婦人公論」(中央公論新社)の離婚特集は、怨念が渦巻いてますから。それでは最後に「今、結婚する前の自分に会ったら言いたいことは?」という質問に対する、離婚経験者からの秀逸なコメントをお届しましょう。

「目を覚まして!」

■乗り越えるべき、ヤワラコンプレックス

 たぶんこの人は何があっても離婚はしないでしょう。「(ある意味)最強の日本女子!? 谷亮子徹底研究」を巻末にモノクロでドーンと持ってきました。企画の並びにストーリーをもたせるところも、老舗「MORE」の安定感ですね。

 「恋も仕事も家庭も、私たちの”欲しい”を、実は全部持ってる」谷亮子。(ある意味)や「実は」と表現されるところに、どこか釈然としないけど認めざるを得ないというような、複雑な乙女心が隠されています。最強女子の理由を、「勝利力」「女子力」「言霊力」「笑顔力」と4つに分類して考察。軒並み外れた勝負勘、意外な美肌伝説、嫌でも注目してしまうキャッチ、自己演出力……どれをとっても持って生まれた天賦の才なんです。ネガティブな意見も多かった政界進出などを踏まえても、やっぱりヤワラちゃんは最強。ハイ。

 「谷亮子が好きですか?」という質問をしたら、おそらく大抵の女子は「キライ」と答えるでしょう。それはなぜか。誤解を恐れず言わせて頂けば、不美人なのに全てを手に入れているから。この”不美人なのに”というところに、女子のコンプレックスの全てがあるのです。「私の方がかわいいのに、どうしてあの子に彼氏がいるの?」「私の方が仕事ができるのに、どうしてあの人ばかり認められるの?」。「MORE」を愛する”普通”の女子たちの世界ほど、この”ちょっとの差”が大きいのです。今までもその僅差に頭を悩まし続ける女子たちが、誌上でドロドロした内面を吐露してきました。美しい女優やタレント、または人生経験豊富な作家や知識人たちにはもろ手を挙げて”憧れ”のフラッグを振ることは出来ても、全てを持ってると認めるのにことヤワラちゃんになぜかそうできない。その僅差コンプレックスこそ、「MORE」娘たちが乗り越えるべき壁であるのだと編集部は判断したのでしょうか。だとしたら、やっぱり「MORE」は『プロジェクトX』っす。

 今月号では鈴木えみも大活躍の様子で、えみっチャー(えみウォッチャー)としてはうれしい限りです。相変わらず黒ラインの囲み目でこちらを睨んでおりますが、不思議なことに「MORE」との喰い合わせの悪さも、見慣れると伝統芸のような趣。対照的な篠田麻里子と並んで、定例の着回しコーデもやってます。今月のえみはアクセサリー会社のPR担当。「後輩のアシスタントをランチがてら説教」っていうシチュエーションも似合ってるぅ。どれを見ても同じ笑顔の麻理子OLよりも、ぎこちなく笑ってるえみの方が、「本当は笑顔ではいられんのじゃ」という複雑な「MORE」娘を象徴しているようでリアル。来月号もぎこちない笑顔を期待してます。
(西澤千央)

「MORE」

サイ女的な谷亮子問題は、もうちょっと違うところにあるんだけどな。

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