[女性誌速攻レビュー]「GINGER」9月号

「結婚願望が男たちを不能にした」、賢い女のモテ雑誌「GINGER」が語る語る

2010/07/26 17:00
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「GINGER」10年9月号(幻冬舎)

 今月号の表紙は「恋を呼ぶ夏服」という文字と、それに相応しく「シュアリー・サムデイ」の女・山田優ちゃんの幸せスマイルがドーン。今まで、「男に媚びる女、カッコ悪い」と強がり続けてきた「GINGER」ですが、前号あたりから突如、「モテ」を大プッシュし始め、我々の度肝を抜いてくれました。このプチリニューアルは部数の伸び悩みの表れかしら?

<トピック>
◎26才になった山田優の解体新書
◎恋を呼ぶ夏服
◎本当に恋愛していますか?

■山田優のおのろけが読めるのは「GINGER」だけ!

 8ページ企画「26才になった山田優の解体新書」では、発売日前日に「スポニチ」で報じられた通り、恋人の小栗旬さんについても包み隠さず語っています。その一部がこちら。

・付き合いだした当初は、仕事のことはまったく別次元で想いが募っていた気がする(中略)実は、今の彼が唯一、ひと目ぼれじゃなく友達はじまりなの
・自分ではそんなつもりないけど、彼の前ではいつもと違う、とよく言われる

 また、このインタビューで「結婚したかった年齢も超えてしまったし、子供を産む予定も過ぎてしまい、振り出しに戻っちゃった」と寂しげに語る余裕のない優ちゃん。前号の「GINGER」に掲載された、小栗旬の「監督として結婚式をテーマに映画を撮りたい。それからでないと僕は結婚できない」という発言を受け、心境が語られるかと期待していたのですが、見当たらないのが残念でした。今後、更にこのカップルによる「GINGER」の交換日記化が進めば、ワイドショーも食いついて宣伝効果抜群ではないでしょうか?

■「GINGER」が提示する「大人モテ」とは?

 第一特集は「恋を呼ぶ夏服」。どうしても「モテ=低IQ」というイメージが我慢ならないようで、扉ページのリードで「GINGER」が目指す「モテ」がどれだけ他誌のそれと違うのか、つらつらと述べていらっしゃいます。それがこちら。

・モテたくて必死で、雑誌をよみあさって覚えた”男ウケ服”を無理やり着ていた時期もあった。でも、今は違う。自分の好きなもの嫌いなもの、似合うものそうでないもの……少しずつ確立してきたスタイルを崩してまでしてモテたい? その答えは絶対に、NO! もう媚びたり、自分を偽りたくない。だから、プライオリティはいつも自分らしさ。その上周りから”素敵”と言わせることができれば女として至高のプライズ。自分も周りも幸せにできる服=大人のモテ。そんなスピリットのもとに、GINGERモデルが提案する4つのモテスタイル。頑張りすぎず、ナチュラルに女度を上げて、この夏大人はもっと輝く!

 何だか不得要領さが残るこちらのリード。「媚びたくないけどモテたい」という人間臭いエゴを正当化しようとしたらこうなったのでしょう。ただ一つ確実に言えることは、「リードは、これでも短くなった!」ということです。以前は、もっと長かったのでホッとしました(これでも)。

 誌面で紹介されている肝心の「大人モテ」スタイルを見てみると、シンプルなブラウスに、ゴールドのアクセをプラスした「辛口モテ」、ハイウエストのスカートなどを取り入れた「令嬢モテ」、ジーパンにオフショルダートップスを合わせた「ナチュラルモテ」、モノトーンが基調の「モードモテ」を提案。誌面を見る限りでは、「自分らしいモテ」の答えが「数パターン載せとくから、自分らしいと思うコーディネート選んで」と単純な考えにしか見えず、少々ガッカリ。今後、もっと「GINGER」的なコーディネートをバンッと叩きつけてくれることに期待します。

■草食系男子を作ったのは、日本人女性の強い結婚願望!?

 「GINGER」にて6月号まで連載していた官能小説「アダルト・エデュケーション」(村山由佳著)が書籍化。それに伴う特集「本当に恋愛していますか?」では、著者インタビューに加え、著名人たちが恋愛に関するエッセイを寄稿しています。例えば美容ジャーナリスト・齋藤薫氏によるエッセイの一部がこちら。

・日本をセックスレス、恋愛レスの国にしたのは、女の結婚願望だったということ。(中略)日本は必要以上に強い結婚願望が、女たちをセックスそっちのけで、婚活に走らせ、男たちを奥手にする。結婚できるとホッとするあまり男たちを不能にする。

 「草食系男子を増やしたのは女のせいだ」というこちらの見解、反論したくもなりますが、言い得て妙な気もします……。書籍宣伝の為の特集にしては、「恋愛とセックス」について考えさせられる刺激的な文章も多く、一読の価値アリです。

 長い迷走時代から抜け出し、少し落ち着きを取り戻した「GINGER」9月号。まだ安定しない「大人モテ」を、どこまで確立させられるか、今後はそこが見モノです。あ、そういえば、先月から俳優の吉沢悠さんの連載エッセイ「男目線でつぶやきます」がスタートしたことをお伝えし忘れておりました。「今、なぜ吉沢悠!?」「同じ事務所でGINGERモデルの香里奈のバーター?」とか言わないであげて! 彼、文章の中でいい事いっぱい言ってますから!
(林タモツ)

「GINGER」

いつだって余裕の優ちゃんでいてほしいものです

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最終更新:2010/07/26 17:28
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