腰痛・肩こり・ヘルニアまで!?

ヒール靴を履くほどにスタイルが悪くなる!? ヒール靴の罪を探る!

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Photo by Markusram from Flickr

 今、大ヒット中の映画『セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)2』。個性的なキャラクターやセックスに関する赤裸々な告白なども支持を得ている理由の一つですが、きらびやかなファッションも物語の世界観を支えています。特に主要キャラクターが「マノロ・ブラニク」「シガーソン・モリソン」など、高いヒールで華奢なデザインの高級靴を颯爽と履きこなし、NYを闊歩する姿に憧れた女性も多いはず。

 日本でも多くの女性はヒールのある靴を好み、それを日常的に履いている人も多いですが、実は最近、ヒール靴による腰痛などのトラブルを抱える人も増加しているとか。とある調査によると、自分が猫背だと自覚している人は全体の6割近くで、その中で「むくみ」や「外反母趾」などの足トラブルを抱えている人も半数以上。ヒール靴は我々が思っている以上に、体への影響が大きいのでは?

 そこで、日本ウォ−キング学会の会長でもあり、東京学芸大学生涯スポーツ・ウェルネス研究室の池田克紀教授に、ヒール靴が体に及ぼす影響について聞いてきました。

――ヒール靴は華やかに見える一方で、履き続けると腰痛や肩こりなど体に不調が表れたり、椎間板ヘルニアになる人も多いと聞きますが……。

池田克紀教授(以下、池田) その通りです。もともと人間は裸足歩きだったため、それに適した体の仕組みになっているのです。それなのにヒール靴を履き続けるせいで、姿勢がゆがんでいき、外反母趾はもちろん、むくみ、肩こり、重症な場合には椎間板ヘルニアにもつながります。
 
――裸足歩きとヒール靴を履いて歩くことでは、それほど体への負担が違うんですか?

池田 裸足歩きの特徴は、不安定な地面の上を歩いても転ばないように、足裏からいろいろな情報をキャッチして体がバランスを取っていること。土踏まずのアーチで地面のでこぼこを調整し、着地のときの衝撃を吸収するようになっています。しかし、ヒール靴を履くと足底が固定され、本来の歩きではない歩行を強いられます。体の中に「正しい骨格」のテンプレートが残っているから、それに近づけようとして、体が緊張した状態に。これが、骨格のバランスを崩す原因になっているわけです。

――確かに、ヒール靴を履くと歩行姿勢がいつもより全体に前のめりになってしまいます。

池田 裸足歩きの時は骨盤の真上から足が振り下ろされますが、ヒール靴だとかかとから着地し、つま先で蹴るというような歩き方になります。これが下半身の骨や筋肉に大変な負担をかけます。ヒール歩きはいつも背伸びをした状態なので、骨盤が前傾してお腹がぽっこりしたり、猫背になったり、太ももの筋肉が引っ張られ、膝が曲がるなど、骨格が変化してきます。だから、ヒール靴を履いている人に「姿勢を正しくしましょう」なんて言っても無理なんですよ、そもそもが歪んだ姿勢になっているわけですから。

――それだけの負担を、これまで気付かずにいたということが怖いですね。

池田 若い女性は筋力もあるし、体も成長途中だからヒール靴を履いていても、歪みに気づかないんです。でも、日常的にヒール歩きをしていれば、徐々に骨や筋肉に負担をかけ、年齢を重ねるたびに骨盤がずれています。歪んだ骨格が体内の血流や筋肉を圧迫するので、冷えやむくみ、腰痛、ひどいときは妊娠機能低下にまでつながることもあります。女性こそ正しい靴を履くべきですね。

――それでも仕事などでヒール靴を履かなければならない、という女性もいるはず。少しでも体への負担を減らすにはどうしたらいいんですか?

池田 まずは、ゼロヒール生活を目指してください。ヒールの高低が問題なのではなく、ヒールそのものがない、「裸足に近い状態」を保つことが大切です。オフィス内や休日だけでもゼロヒール靴を履き、家ではできるだけ裸足でいるようにするといいですね。足の指が中で広がる状態になるようなものが理想ですが、ビーチサンダルなど親指と人差し指の付け根を固定してしまうタイプはNGです。本当の理想は、中足部が一番高くなる「マイナスヒール」の靴を履くことなんですけどね。

――でも、ヒール靴の方が、脚が長く細く、スタイルをよく見せてくれるんですよね……。

池田 いえいえ、それは誤解です。体のバランスが元通りになれば、自然とお腹や下半身のコアマッスルが鍛えられ、ぽっこりお腹や内腿が引き締まるんですよ。ゼロヒール歩きは日常でピラティスをしているようなものです。現代女性の平べったいおしりや下腹ぽっこり、O脚現象もヒール歩きによる骨や筋肉のゆがみが原因ですし。正しい歩行、正しい靴を履いていれば、今よりずっとスタイルが良くなるはずです! ヒール靴を履きたいのであれば、デートの日やオシャレをしたい日など、限定的にしてみてはいかがですか?

■理想の靴”マイナスヒール”を体験!

 さすがに裸足で日常生活を送るのは難しいけれど、ヒールのない靴なら生活に取り入れられそうと思っていると、なんと池田教授が推奨していた「マイナスヒール」の靴が実在するという情報がキャッチ。実際に「マイナスヒール」の靴を体験してきました。

 お邪魔したのは、「マイナスヒール」靴こと「MBT」の輸入・販売を行っているエバニュー本社にあるMBTエクササイズセンター。そもそも「マイナスヒール」とはどういう構造になっているの?

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一見不安定に思えるMBT

「MBTの最大の特長はソールの構造です。中足部が一番分厚くなるように弧を描くようなラインになっており、かかと部分は浮き沈みができる構造となっているんです。なので、ヒール靴のようにかかとに重心が置かれるのではなく、中足部に重心を置く形になるんです」(エバニュー・渡辺憲二さん)

 実際に、MBTを履かせてもらいましたが、不安定で直立をキープしているだけで一苦労。MBTを履いていると「今までどうやって歩いていたんだっけ?」というほど、今までにない足の裏の感覚を覚えました。ちょっと歩いているだけで、足がパンパンになるのですが、「それはいままで使わなかった筋肉が刺激されているので、よい傾向ですよ」とのこと。実際にはじめの一週間は、1日15分を3~4回の使用にとどめていた方がよいとのこと。1日中ずっと履いている必要はなく、社内でのデスクワーク中に履いて、かかとからつま先を揺らしているだけでもいいのだそう。

「もともとヨーロッパでは医療器具認定を受けた商品なのです。日本は状況が異なるので認定されていないのですが、それでも腰痛などに悩む方が藁をもすがる思いで、購入されているようです。MBTは主力商品で3万円前後と決して廉価ではないですし、オシャレなデザインでもないありません。それでも多くの方がリピーターになってくださっているというのは、本来の歩き方に戻してくれて、体への負担を緩和していることを実感してもらっているからだと思っています」(同)

 今までヒールを履いて、足を長く細くすることに苦心していた私にとって、「ヒール靴こそがスタイルを悪くする」という話は衝撃でした。いよいよ腰痛を感じ始めてきた私は、ヒール靴を履いて誤魔化すのではなく、”スタイルのいい自分”を手に入れるために自分の足と体に合う靴を探そうと決意しました。

『腰痛は自分で治せる』

靴が原因なのか~

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