[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」7月22日号

「ベニアズマを手に……」ますます大胆な「婦人公論」のセックス特集

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「婦人公論」7月22日号(中央公論
新社)

 今号の特集は、「大人を満たす”性”と”愛”」。セックス特集大好きな筆者ですが、さすがに今回は「えーまた?」と思ってしまいました。バックナンバーを調べてみると前々号の6月22日号で「男の性の不思議」、その3号前の5月7日号で「もうセックスレスに悩まない」をやってるんですね。「月イチくらいでセックス特集をしよう」という編集方針になったのでしょうか。もしかして、セックスを怠りがちな中年女性に対して、「最低でも月イチでセックスしないと!」というメッセージを送っているんでしょうか。特集を読んで潤いを取り戻せと。フン、大きなお世話です!

<トピックス>
◎特集 大人を満たす”性”と”愛”
◎氷川きよし「涙もろくなった僕が七夕に願うことは……」
◎嘆息特集 あなたの隣にもいる「モンスター老人」

■アレでイッちゃうなんて……奥深すぎる女の性

 さて、今回のセックス特集は、読者による「匿名告白」と「読者体験手記」がメイン。21ページ中9ページも割いています。

 お祭りで神輿かつぎのメンバーの男性にときめいたという彩音さん50歳。

「お祭りが終わったある夜のことです。役員テントの隅に、紙袋の忘れ物を発見。入っていたのは、例の彼が身につけていたふんどしでした。家に持ち帰った私は、彼のたくましい肉体を思い浮かべながら、股間にそれを巻きつけました。強くしめたりゆるめたりしているうちに……イッてしまったのです」

 自分を安売りするのはまっぴらごめんという、独身の江実さん43歳。

「欲情に火がつき、しかたなく慣れないひとりエッチを始めました。でも満足できず、『なにか、なにか』と探すうちに、つい手に取ったのがベニアズマ。バイブと違って野菜は常備してもプライドが傷つかないし、証拠隠滅も簡単。以降、ニンジン、ナスときて、今はズッキーニが常備菜に」

 同窓会の帰りに男2人と飲んだという明子さん43歳。

「結局、3人でホテルへ行き、元クラスメートと組んずほぐれつ。彼らの高校時代はまるで覚えちゃいないけれど、4本の手で愛撫されて死ぬほど感じちゃって。あげく、前と後ろに入れてもらったら、言葉は悪いけどぶっ飛ぶほど感じた」

 と、笑っていいのかいけないのか、よく分からない体験談がわんさか綴られています。小説家の井上荒野が「いいセックスを続けていくためには、肉体から離れて、どれだけ相手の人間性に興味が持てるか」というあたたかい話を語っているページのあとで、ベニアズマ。そしてそのあとのページでは、中村うさぎが「私という女にとっては、セックスも元を正せば『ナルシシズムの快感』に過ぎない」と難しそうなことを綴っています。なんだこの特集。

 それぞれがそれぞれのセックス観を好き勝手に語りっぱなしで、特集全体が散漫な印象。セックスは十人十色、ふんどしもズッキーニもまたよし、ということなのかな。残念なのは、特集タイトルにある「大人を満たす」感覚がまるで伝わってこなかったことです。そもそも体験記の多くが、「夫とはセックスレス」「夫のセックスではイッたことがない」という不満から出発しているんだもの。ベクトルがひねくれているというか。いったん負の方向を向いてから反動で正(性)へ向かってみちゃった、みたいな感じ。明るくないし素直じゃないんです。「自民がイヤだから民主」というんじゃ根本的な満足感にはつながりませんよね? って、例えとして合ってない気もしますが、なんとなく読み取ってください。

■女が生き抜くことの厳しさを知る

 「ルポ・貧困を生きる女性たち 第2回生活保護」では生活保護を受給中のシングルマザーYさんの例が紹介されています。こういった社会問題や厳しい現実から目をそむけてはいけません。明日は我が身の時代です。ええ、それはわかります。わかりますが、しかし、それにしても「婦人公論」の女性観ってハードですよね。みんな深刻な不安不運不満のどれかを抱えている。生活不安、男運不運、セックス不満などなど……。もともと女性解放をコンセプトに創刊された雑誌だからでしょうか。常にマイナスからの出発。女に生まれてマジいいことないわ、とだんだん暗い気持ちになってきました。

■YOUも脱いじゃいなよ

 きわめつけが、「普通の女性がヌードを選ぶ時」。自分のヌード撮影をプロのカメラマンに依頼する女性が増えているそうです。年齢層は20~30代が中心。誕生日などの記念に、毎年ヌードを撮影していく人もいるとか。「心をオープンにできる体験を求めて」撮影したというある女性(28歳)は、「長く押し殺してきた『もっと自分を表現したい』という欲求や、『変わりたい』という積もり積もった思いをはき出すきっかけがヌードになること」だったそうです。撮影終了後は「世界がキラキラして見えた」とか。変わりたいからヌードになってキラキラって……極端から極端へ振れ幅でかっ!

 結局、女は自分のことが大好きな生き物なんですよね。自分探しも大好き。本当の自分が知りたいから、前と後ろに入れたり、数万円払って男性カメラマンの前で裸体をさらしたりするわけです。男のことなんかこれっぽっちも見ちゃいない。見ているのは女である自分。今号の「婦人公論」を読んで感じたのはそんなことでした。特集内で中村うさぎは「女とはコスプレである」と述べています。

「セックスしてる時も恋してる時もお洒落してる時も、女は『女を演じている』事に快感を覚えるのだ」

 なるほどなーと大いに納得した次第であります。
 (亀井百合子)

「婦人公論」

お母さんからの「野菜も買って食べなさいよ」が素直に聞けなくなる

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