『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』ブックレビュー

“Mr.ハーレクイン”まで!? 妄想パラダイス「ハーレクイン」にお邪魔しま~す♪

2010/05/02 11:45
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『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』(洋泉社)

 皆さんは、恋愛小説の金字塔「ハーレクイン」をご存知ですか? おそらく「聞いたことはあるけれど、イマイチ分からない」って人が多いのでは? かくいう私(三十路独女)も、興味はあるけれど手を出す機会がなかった一人。でも最近、実生活での恋愛の方はカラッカラだし、脳内恋愛のシチュエーションも出尽くした感があるし、そろそろ「ハーレクイン」の力を借りて、更なる妄想世界へ羽ばたいて行こうかしら……なんて思うわけです。早速、出版されたばかりのガイドブック『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』(洋泉社)を教科書に、皆さんと一緒にお勉強していきたいと思います。

■エロ要素はどのくらい?

 日本語版創刊以来、約30年の間に刊行された作品数は1万6,000点。現在も毎月約50冊が刊行されているそうです。その物語は、全てが「海外を舞台にしたハッピーエンドのラブストーリー」。ハッピーエンドに安心して読み進められる感覚は、ドラマの『水戸黄門』(TBS系)を見る感覚に近いのかも。よく出てくる男性キャラクターの特徴は、傲慢な性格で、地位や名誉や財力に長けていること。また、プレイボーイの伊達男も定番だとか。そんな男が、最後は1人の女の魅力で一本気な愛に目覚める、なんて展開に女性はグッとくるのです。

 そして、気になるラブシーンの描写はとてもライト。原作には、直接的な表現があるものも多いようですが、エロよりも夢を見たい傾向が強い日本人向けに、翻訳時に軽い表現に直すこともあるのだとか。私自身、少々レディコミと混同していた部分があったので、これは新たな発見。「サイゾーウーマン」の読者様の中には、「え! エロ弱め?」と物足りない方もいるかもしれませんが、まあ、女性もいつでもネットでAV見られる時代ですし、あくまでもロマンスに特化するなら「ハーレクイン」は最適なツールなのでは。

■自分に合ったシチュエーションを探そう!

 さて、大筋は分かりましたが、私のような「ハーレクイン」初心者は、まずどこから手を付けたらいいのでしょうか。最初に読んだ一冊が自分に合わなくて、その後パッタリ……なんてことにならないためにも、ファースト・ハーレクインは慎重に選びたい! そこで、版元のハーレクイン社が、ストーリーのタイプや男性の特徴、舞台設定などから、24の「テーマ」に分けているようなので、まずはそこから私好みの「テーマ」をピックアップしてみたいと思います。

◎「ロイヤル」
 どこかの国(架空の国の場合が多い)の王子や王族、貴族など、男女共に高い地位や、財力を持っている同士のラブストーリー。他に、普通の女性が財力の高い男性に見初められる「シンデレラ」っていうテーマもあったけど、プライド高めの私としては「ロイヤル」の方が絶対好み。

◎「復讐」
 女性の親族などに復讐するために近づいた男性が、女性に愛人契約を求めたり、愛のない結婚を強いたりするドロドロのテーマ。だけど最後は憎しみが愛に変わっちゃうんですって。こういう昼ドラっぽいシチュエーションは日本人向きで、ファースト・ハーレクインにするなら受け入れやすいかも!?

◎「オークション」
 オークションに自分自身を出品した女性が、大富豪に高額で落札されるパターンが多いのだとか。せっかく非日常が醍醐味の「ハーレクイン」を読むのだから、こういう突飛なものから読み始めるのもイイかも。

◎「シークとの恋」
 アラブ・中東の架空の国の王子、王族との恋。エキゾチックなアラブ野郎って結構好きなのよね~。砂漠の真ん中で愛を語らうなんて、ロマンチック以外の何ものでも無いじゃない!

 他にも、「年上男性との恋」「一夜の恋」「スペイン人男性との恋」「ドクターとの恋」など様々なテーマがありますので、皆さんもお好みを探してみては?

■「ハーレクイン」野郎が現実にいた!

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 ガイドブックには、昨年開催された「ミスター・ハーレクインコンテスト」でMr.クール、Mr.ラテン、Mr.ロイヤルに選ばれた外国人3名も登場。まさに「ハーレクイン」から現実に飛び出してしまったようなビジュアルとたたずまいです。彼らのインタビューには、『僕は情熱的、ロマンティック、でも嘘はつかない。たくさんの女性とデートする。(中略)僕はモテるんだ(笑)。ひとりの女性が僕が欲しいものをすべてをくれはしない』(Mr.ラテン)などと、もし日本人が言ったら友達を一人残らず失いそうなセリフもありますが、この「日本人だったらありえない」という感覚が、「ハーレクイン」の世界そのものなのでしょう。

 「ハーレクイン」をもっと深く知りたい人は、『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』を一読されることをオススメします。「ハーレクイン」のディープな世界を知ることで、いきなり小説を読むよりもより一層どっぷり浸かれるはずです。さあ、「ハーレクイン」でレッツ・エンジョイ 現実逃避!!
(林タモツ)

『ロマンスの王様 ハーレクインの世界』

三浦しをんさんも魅力を語ってます

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最終更新:2011/03/13 22:42
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