[TVツッコミ道場]

ブルーハーツ熱唱の宮崎あおい新CMに見えた、計算されたかわいさ

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「earth music&ecology」公式HPより

 今回ツッコませていただくのは、Twitterなどで「かわいすぎる」と話題になっている、宮崎あおいの「earth music&ecology」の新CM 。

 童顔の彼女が大声で元気いっぱいに歌う姿は、確かに本当にかわいい。だが、たとえば「YAHOO!」(3月11日現在)では、”宮崎あおい ブルーハーツ”と入力すると、頻繁に同時検索されているワードとして自動的に”宮﨑あおい ブルーハーツ 下手”と表示されるように、一部ではその”歌唱力”に話題が集中している。

 たとえば、2ちゃんねるでは、「音痴すぎる」「あれはわざと下手に歌ってるんだよね? そうじゃなきゃきれいなジャイアン」「山田花子が歌ってんのかと思ったよ…」「下手なのがかわいいんじゃねえか」などの声が続出。

 自分の声域に合わない歌を地声で、がなるように歌う歌い方は、一部で指摘のあるように、確かに「ボエ〜」でおなじみのジャイアンの歌い方にもよく似ている。そのため、かわいさへの驚きとともに、別の驚きによってついつい”宮崎あおい ブルーハーツ 下手”と検索してしまった人が多かったのも、ムリのないことだろう。

 ただし、この衝撃的な歌は、実はかなり計算されたものではないかと思う。

 というのも、4月3日に公開を控えている主演映画『ソラニン』において、バンドを組んで、ギターと歌を披露している彼女。インタビューなどで「歌は苦手」と語っているものの、そのメイキング映像を情報番組などで観る・聴く限り、ちっとも「ジャイアン」じゃない。そこそこ上手くも思えるのだ。

 では、なぜ「earth music&ecology」のCMではジャイアン歌唱法になっているのだろうか。これは、カラオケで女の子が男性の歌を歌うときなどにありがちな「声域が合わない」曲を選曲すること、それも、”下手うま”に聴こえて実は難しいブルーハーツの曲を選ぶことで、「地声で大声=素朴で元気」イメージを作りだす、けっこう計算し尽くされた演出なのではないかと思う。

 歌手でもない宮崎あおいが歌うCMにおいて、もちろん歌の上手さ・下手さなんて、まったく関係ない。必要なのは、童顔で華奢でかわいいい宮崎あおいと、「骨太ロック」のギャップ感による新鮮な可愛さ。今のファッションでいうと、ヒラヒラの甘いワンピースにゴツいライダースジャケットを重ねるような「甘辛」ミックス感。

 さらに、好きな女性の仕草として男性がときどき挙げる「高いところのものを女性が一生懸命取ろうとしている」みたいな健気さにも通じるところがあるように思う。

 ゴツいシャツにゴツいライダースジャケットを重ねても、ちっとも可愛くないように、歌唱力のある女性がブルーハーツを上手に歌いあげても、また、可愛い女優さんが可愛い曲を歌っても、ちっとも心に響かない。

 CMに触発されて、ブルーハーツをカラオケで歌う女性がまた増えそうな気がするが、このかわいさは、あくまで本人のイメージとの「ギャップ」があってこそのもの。ええ、安易にその気にはなりませんとも。
(田幸和歌子)

『Love,Peace & Green たりないピース2 (単行本)』

でも男には分かんないんでしょうね

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