『くされ女子! In Deep』著者・竹内佐千子が語る!【後編】

BL、同人誌、コスプレ撮影会……腐女子カルチャーが向かう先は?

2010/03/08 11:45
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『くされ女子! in Deep』(ブックマン社)

(前編はこちら)

■いま暴かれる、腐女子の実生活

――バリバリの腐女子の方がいったいどんな1日を送っているのか、非常に気になります。竹内さんの1日の流れを教えてください!

竹内佐千子(以下、竹内) 別に普通ですよ(笑)。朝は好きなキャラクターの目覚ましボイスに起こしてもらいます。爽快に起きられるんですけど、何回も声が聞きたいので、スヌーズモードにして5分おきに鳴らしたりしますね。起きたらごはんを食べ、PCでメールチェックしてから、お気に入りのサイトを 巡回します。あとは仕事して、休憩時間に音楽や動画を鑑賞するぐらいですね。PSPに動画がたんまり入っているので、時間を忘れてずっと観てしまうこともあります(笑)。

――全然普通じゃないと思いますよ(笑)。なぜPSPに動画を入れるんですか?

竹内 使いやすいんです。メモリースティックに動画を入れまくっているので、それさえ携帯していれば、いつでも好きな動画が観られるから。寝る前にも必ず、PSPで動画を観てますね。たまに興奮して、寝られなくなったりしますけど(笑)。

――ちなみに休日は何をしているんですか?

竹内 一日中DVDやマンガを鑑賞していますね。あとは友だちと遊びに行ったりとか。ノーマルな友だちに腐女子トークをしまくって、「ウザい!」って言われるのが好きなんです(笑)。ウザすぎるからか、最近は私のことを名前で呼んでくれないですよ。「今日、腐女子来るの?」「腐女子、明日どーする?」とか、あだ名が”腐女子”になっています(笑)。もちろん腐女子の友だちとも、よく遊んでいますよ。

――本の中に、腐女子のお友だちとコスプレ撮影会に行ったエピソードがありましたが、あれは本当にディープですね……。絡みが激しいというか……。

竹内 そうなんですよ! 私もあっちの世界はあまり知らなかったので、ビックリしました。特に芝生とか、開放感のある場所で開催される撮影会はスゴいです。またみんなオタクだから、独特の撮影・加工技術を持っているんです。まず写真は、目だけにピントを合わせて、あとは全部ボヤける感じで撮影します。後々加工しやすいように(笑)。フォトショップで肌質や背景を加工して、完成形にするんですよ。加工技術は、プロ並みじゃないですか(笑)?

――ス、スゴい! その技術は、もっと別な方向でも役に立ちそうですね。今回、腐女子の生態について、いろいろお伺いしましたが、竹内さんとしては今後、この腐女子カルチャーがどんな方向に向かってほしいと考えていますか?

竹内 腐女子カルチャーの未来はちょっと予想がつきませんが、個人的には、腐女子カルチャーがこれ以上一般的になってほしくもないし、これ以上廃れてもほしくないというのが正直なところです。今がちょうどいい塩梅の目立ち方なんじゃないでしょうか(笑)。昔のように、あんまり陰のカルチャーになりすぎても楽しくないですからね。この『くされ女子! In Deep』みたいな本が出ても、みんなでワイワイ読めませんし。かといって、”もっとフィーバーさせようよ”っていう動きを起こすのは、ちょっと微妙(笑)。まあ、女子はいろんなもので妄想する生きもの。様々な文化に腐れ要素は含まれていると思いますので、皆さん、温かい目で見守ってください(笑)!

竹内佐千子(たけうち・さちこ)
11月15日生まれ。東京都出身。コミックエッセイスト。腐女子でバンギャル。中学生の頃から女の子が恋愛対象のレズビアンでもある。著書に『ハニー&ハニー honey & honey 女の子どうしのラブ・カップル』(メディアファクトリー刊)、『午後のハレンチティータイム 男を知らないサチコ&百戦錬磨マイの最強エロトーク』(情報センター出版)などがある。Web連載「おっかけ!」も好評連載中!!

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最終更新:2018/08/15 16:30
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