ブルボンヌの映画批評 「女優女優女優!」第二回

いい年こいたババアも、たまには弾けちゃおうよ!映画『恋するベーカリー』

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 『サイゾーウーマン』読者の皆さん、今日も揚げ足取ってますか~? 映画レビュー連載2回目、新宿2丁目ママのブルボンヌよ!

 担当編集のナミエ(安室ちゃんというよりは奈美悦子ちゃん)に、「初回評判でしたよ。またすごいキッツい連載が始まったわねって」と言われて、素直に喜べなかったキッツい熟女装どえーす。

 さて、前回はいきなり『女優女優女優!』という連載タイトル無視で、フェロモンハゲ親父ブル~ス・ウィリスちゃんをフィーチャーしちゃいましたが、今回はばっちり女優! それも、とびきりのトップ女優! 世界最高峰のチョモランマみたいな女優!(しつこい)

 メリル・ストリープ姐さんの登場です~!!

 メリル姐さんといえば、アタシの中で強烈だったのが、20年くらい前の映画『永遠に美しく…』。落ち目の年増女優が、ライバルと共に不老不死の薬をゲットするんだけど、効き過ぎて、腹に穴が開こうが首が1回転しようが平気になっちゃうという素晴らしい感動作でした。(全然感動が伝わらなさそうね)

 それ以来、メリル姐さんのノリの良さには惚れ惚れしっぱなし。大人になってメリルリンチという言葉を耳にした時には、「何よ、あんなステキなババアをよってたかってリンチだなんて!」と勘違い憤慨もしたくらいです。

 姐さんたら、普通ならババアになって仕事を干されていくはずが、ここ数年は『プラダを着た悪魔』『マンマ・ミーア!』とか、むしろノリノリで女&オカマ心をくすぐる話題作を連発。おかげでアカデミー賞ノミネート16回ですって! 1回分くらいアタシに分けてほしいわ。助演女装賞とか設けてくんないかな……。

 そんな姐さんの最新作が『恋するベーカリー』です。

 10年前に旦那(アレック・ボールドウィン)と離婚して、3人の子どもを育てあげベーカリー経営者として頑張ってるババアが、うっかり焼けぼっくいに火をつけちゃうという、コミカルなお話。

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↑いい年こいて、エロ全開なお二人。もっとやっちゃって!

 実はアタシ、脚本・監督のナンシー姐さん(『ホリデイ』『恋愛適齢期』)の作品てなんとなく食わず嫌いで観てなかったのね。反省しちゃった。すごくステキな映画だったわ!

 そもそも、まだまだお盛んなババアとジジイの性的コメディってだけで、アタシ的には夢を与えていただける! ほとんどの映画って、若い娘さんばっかり主演してるもんね。でもそんなんじゃ正直、感情移入できないわけー。アンタらは勝手に、肌で水でも弾いてなさいよ!(アタシは染みこむ染みこむ……)

 多分、この映画を撮り終えたタイミングだと思うんですけど、メリル姐さんたらインタビューで

「この年齢で、セックスシーンをやることはほとんどないわ。でも、それは映画が遅れているということ。だって、現実には私たち現役ですもの!」

 と素晴らしい告白をされてるんです。還暦超えのメリル姐さんが

「現役ですもの!」

 若い男性が聞いたら割と迷惑情報。でもアタシには希望の光よ!

 劇中でもショッキングなシーンがたくさんありました。10ン年ぶりにコトを済ました二人が、ベッドの上に並んで寝てるんですが、アレックは毛むくじゃらのオヤジ熊ボディ全開だし、メリルも下着丸見えの姿(さすがにPJ系じゃなくてベージュの下着だったけど)。それだけでも十分に、サスペンス映画級なのに、さらにアレックがメリル姐さんのデリケートゾーンをむんずとワシ掴みにして

「やっぱ我が家はいいよな!」

 なんて、「週刊現代」みたいなオヤジギャグを言うの! もう、観てるだけで排卵しそうになったわよぉ。

 後半のパーティシーンも、セックス描写とは違う意味で、かなりインモラルなネタあり。この映画がR15+指定になってた理由が分かったわ。アタシ的には、ほんといろんな意味でトビまくってて、ゲラゲラ笑っちゃったけど、今の日本の常識からすると、ビックリするノリなんじゃないかしら。

 正直、この映画、『恋するベーカリー』って邦題だし(原題は『複雑ね』ってかんじ)、日本での宣伝ビジュアルもやたらパン絡みだったりするけど、観てみるとベーカリー部分はそんなに多くないのよ。興行的な成功のために、「ステキおば様のパン作りと恋愛を描くほのぼの映画」風に打ち出してるんでしょうけど、いざ観てみたら、デリケートゾーンワシ掴みだわ、主要キャラ全員トビまくりだわでしょ。オホホ状態で連れだって観に来た白金あたりの奥様衆なんかは、相当ドンビキしちゃうと思うわ。ちょっとイイ気味ね~! 新しい世界を知ってちょうだい。

 そして逆に、この映画の本来のノリを十分楽しめる層は、むしろちょっと取り逃がしてるかもしれないから、意外なほどイケイケな内容だってことがもっと伝わってほしいわ。

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↑こういうビジュアルにだまされちゃいけないよ!

 ってもちろん、ちゃんと家族愛とか年増女の覚悟とか、マジメに押さえるべきポイントも押さえてはあるのよ。

 いい年こいたババアも、たまには弾けてヤっちゃおうよと。でも子どものことや、自分自身のことも、しっかり考えようねと。マジメなことと、ハメをはずすことって、両立できるのよね。日本の感覚だと、ハメをはずす部分にどうしてもフタしがちだけど、さすがメリル姐さん。年増女の全部を見せてくれたってわけです。

 皆さんも、マジと遊びが両立できる、人生のいろんな喜びを堪能しちゃうオイシイ女になってね~!

 って人に言っといて、アタシのマジってなんだろう。見た目からしてハメはずしすぎよね。嗚呼。

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ブルボンヌ
全国クラブのお笑いショウや試写会テキトーMCで活躍中の女装パフォマー/ライター。『この映画がすごい!』(宝島社)『BUBKA』(コアマガジン)等に寄稿しつつ、新宿2丁目ゲイミックスバーのママ業もこなす。芸能通のゲイたちと一緒にオカマなブログ『Campy!』もプロデュース中。

『恋するベーカリー』
ジェーン(メリル・ストリープ)は、有名ベーカリーの経営者であり、私生活では立派に3人の子供を育て上げたシングルマザー。シングルライフを子供たちや友人たちと謳歌していたが、何か満たされない日々。そんななか、10年前に別れた敏腕弁護士のジェイク(アレック・ボールドウィン)と再会する。

出演/メリル・ストリープ、スティーブ・マーティン、アレック・ボールドウィン
監督・脚本/ナンシー・マイヤーズ
2月19日(金)より全国ロードショーにて公開中!!
公式サイト

『セックス抜きに老後を語れない (単行本)』

そろそろ考えた方がいいかしら……

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