[女性誌速攻レビュー]「an・an」2月24日号

自社読者を静かに揶揄!? 衝撃的な「an・an」の”モテ”特集

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「an・an」2月24日号/マガジンハウス

 今週号の「an・an」は、「モテる人の秘密」特集です。表紙&巻頭インタビューには米倉涼子が登場しているんですが、米倉と「モテ」の食い合わせの悪さが若干気になります。何度かのキャラチェンジを経て定着した現在の米倉の立ち位置は、「モテ」という言葉が持つ「平成的な軽さ」とは違う、もっと「昭和的な重さ」の方が近いような。と、表紙だけでいろいろ考えさせられる今週号の「an・an」、早速中身を見てみましょう。

<トピック>
◎美人じゃなくても気になる!? 男目線のモテ女論
◎わがまま、高飛車、品がない…? なぜかモテない美人の理由を分析
◎いまポッチャリさんが大人気
◎困ったときの緊急メイク術大公開

■「モテ」る女ってなんだろう

 前下がりのボブとデカめのサングラスのせいで、IKKOさんと見間違った米倉涼子のインタビューはあまりに無難なお答えばかりでしたのでスルーし、女性アンケートから導きだしたという「”なぜモテ女”はココが違う」をチェックしていきましょう。

 よく女性同士でヒソヒソと語り合う、「どうしてあの子はモテるんだろう」という”なぜモテ女”を、分析しているのですが、いつもの「an・an」よりリアルなコメントが並んでいます。

・合コンではいつも1番人気のE代。目鼻立ちもぼやけているし地味な印象だけど、いつも合コン終了後のガールズトーク中、参加した男の子たちからのお誘い電話&メールがすごい。(略)いつの時代も男ってナチュラルが好みなんだなと思い知らされた。

・特にかわいくないけれど男子ウケのいい子の共通点は、メールがマメということ。女同士で居るときも、明らかに男に向けてメールを送っている。正直、キャバ嬢の営業みたいに見えることもあるけれど、積極的に誘われるのって、男はイヤじゃないのかも。

・付き会った人数が自分の年齢より多いA子。何気に男顔なのに、マスカラばちばち&上目遣い、さらに男の服の裾を引っ張る!! そんな恋愛マニュアル通りのベタな行動が恥ずかしげもなくできる才能なのかな。

 どうしてなんでしょうか、リアルな声のはずなのに心をざわつかせる違和感が漂ってます。「男というフィルター」を通した、生の声に感じるというか。「女って、モテる女性のことを、本当はこういう風に思っているんでしょ?」って男性に分かっているフリをされているというか。

 それよりも目をくぎ付けにされたのは、同ページの一角でひっそりと展開された「『好きな女』特集アーカイブ」です。最近は少なくなったけれど、今まで「an・an」が行ってきた「好きな女」特集をちょっとだけ紹介しています。その面々が、和久井映見(95年)、江角マキコ(97年)、中山美穂・りょう・吉川ひなの・松たか子(98年)、深津絵里(04年)って懐かし過ぎ! 時代を掌握していたころの「an・an」の威力と、時代を象徴する女優の不在を改めて感じさせられるコーナーでした。「an・an」が意図するより、意味深かったなあ。

■だだだだ大丈夫!? マガハ読者をバッシングした問題企画

 続いて気になったのは、「’10年版モテ女・大図鑑」です。モテ女を「マネージャー」「女子アナ」など全8タイプに分類し、各キャラクターの「生態」「外見的特徴」「好物」「必殺技」などプロフィールを紹介しています。このページは的を得た辛口コメントが秀逸です。例えば……

「ちっちゃい妹」
生態 小さな体を武器に年下好き男を魅了していく、現代版ロリータ。
必殺技 男のシャツやパーカーを着て、袖や裾を引っ張り、「おっき~い!!」。
天敵 本物の妹。自分より年下の女。自分と同じぐらい体が小さな女。

「突っ込まれ上手」

生態 相手の地位や立場を気にせず、誰彼構わず開けっぴろげで猪突猛進。
外見的特徴 イマドキなギャル風・露出過多の割に、ボディは若干だらしな系。
必殺技 基本バカばかり言うが、たまに的を射た意見を言い、株が上がる。
一言メモ 一時流行したおバカ系女子の系譜。世間知らずの割に自信満々で、そのギャップがおっさんの酒の肴になる。

 ……「突っ込まれ上手」はそのキャラクターといい、イラストといい、misono以外の誰でもないんですが、”モテ女”にかこつけて悪口を言いたかったんでしょうか。今週号のあまりの強気っぷりが心配になります。さらに心配なのが、こちら。

「ほっこり”天然生活”」
生態 暮らしにこだわる自分が大好き。実は元ヤンだったりする率高し。
好物 天然酵母のパン、ベランダで作った野菜。リネンの服、作家の陶器。
天敵 元遊び人なので、色気を出すのも朝飯前。実は天敵なしの最強女。
一言メモ 群れるのが好きなタイプかと思いきや、意外と一匹狼タイプ。女同士で集いたがる森ガールとは異人種である。

 ってコレ、「天然生活」(地球丸)読者をバカにしてるんでしょうか。でもよくよく考えると、このキャラクターってそのまま「kunel」「クロワッサン」と続く、マガジンハウス読者の8割を占める女性のことじゃないですか! リネンを否定したら「kunel」が成り立たないし、ベランダ野菜を否定したら「クロワッサン」が傾いちゃいますよ!! 自社のお客様をここまでコキおろして大丈夫かしら……。心配を通り越して、不安になりました。

■ぽっちゃりさんに金のニオイ

 一色ページで展開された「いま、ぽっちゃりさんが大人気」という企画。柳原可奈子、アジアン・馬場園、森三中ら、ふくよかな体格でも”かわいさ”を売りにしている女性芸人を紹介し、”ぽっちゃり人気”をゴリ押ししています。”ぽっちゃり”をテーマで、渡辺直美にインタビューするというシュールなページまで登場。「ぽっちゃりパブ」に潜入したり、ぽっちゃりカップルにインタビューしたりと読んでいて面白くもあるのですが、全体的に大手広告代理店が絡んでいそうな気配が漂う作りでした。案の定、「アズ ノゥ アズ オオラカ」という広告が入っていましたが、「農業ブーム」「肉食・草食ブーム」のような、もっと壮大な”仕掛け”で、今年の下半期は”ぽっちゃり女子ブーム”とか来ていそうで怖いです。

 今週号も濃過ぎるほど濃かった「an・an」。これだけいろいろ提案して頂いたのですが、結局「モテ」ということがどういうことなのか、まったく分かりませんでした。そもそも現代に生きる女性が、「モテ」をそれほどまでに必要としているのか、「an・an」の方向性が合っているかも不明。でも繰り返し、焼き直し、「モテ」が取り上げられているということは、需要があるんでしょう。またしても「an・an」ワールドからの疎外感を一身に浴びながら、本を閉じました。
(小島かほり)

『天然生活』2010年 03月号

敵視されちゃった……。

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