神楽はアイドルでいうところのAKB48!?

伝統芸能にアラサー女子が殺到!? カツマーならぬ「カグラー」増加中

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重要無形民俗文化財にも指定されている、宮崎県椎葉村の神楽

 伝統芸能の神楽を鑑賞するため、全国各地の山間地や神社を訪れる「カツマー」ならぬ「カグラー」が秘かに増加中との噂をキャッチ。しかも一眼レフと三脚を抱えたひげ面のムサいおっさんだけでなく、妙齢の女性も多いという……。

 というわけで、さっそく静岡県の安倍川上流で今年1月に開催された神楽にお邪魔してみると、たしかに女子カグラーの姿が(わんさかというほどではないにせよ……)いた!

 神奈川県横浜市から友人2人と遠路はるばるやって来た30代のミカさんは、「友人の実家があるので遊びに来ました。地元の公民館でやるとは思わなかったのでちょっとビックリ。でもこういったローカル感は都会ではなかなか味わえません」と、静かな興奮を赤く染まったその頬にたたえながら、すっかり神楽の魅力に取りつかれた様子。

 ちなみに、外部からの来訪者に対し地元住民も「田舎の祭りだもんで、がちゃがちゃ来られちゃ困るけど、まあ礼儀さえ守ってくれるんなら文句は言わんよ」(50代の男性)と比較的寛容だ。

 全国各地の山間地で地元住民が演じる神楽を数多く鑑賞してきたライターの松岡絵里さんは、その醍醐味について「学校の先生や地元の農家のお兄さんが舞台に立っているというローカル感がたまりません。AKB48的な素人っぽい感じがいいですね。能や歌舞伎などのショーアップされた伝統芸能より、舞台と観客席の物理的、精神的な距離も近いです」と話す。

 能や歌舞伎が屋内のドレスコード必須なコンサート的イベントとすると、地方の神楽は手作りフェスのようなライブ感が魅力ってことなのかも。

 それにしてもなぜ神楽に今、日本人、なかでも女性たちが引きつけられているのか? 民俗学者の大月隆寛・札幌国際大学教授は、次のように分析する。

「もしそういうブームがあるとすれば、歴史のバーチャル化が背景にあります。彼女たちは神楽の背景には関心がない。歴史という縦軸も地域という横軸も消失してしまっている。ゲームや海外旅行と同列に捉えているんです。”歴女”も同じ文脈上にありますね。神楽は、そもそもどこの地域にもある村の祭りだったんです。地元の人たちにとっては面倒くさいものですらあった。それが、過疎化や後継者不足の問題などで減ってきたからこそ、今になって珍しくなってきているんです。加えて、可処分所得が男性より多く、90年代以降全能感を感じている日本人女性だからこそのブームかもしれません」

 いずれにせよ、「断る力」ならぬ「寿ぐ力」の大切さを、大和撫子は本能的に理解しているってことかもしれません。
(山田タタンカ)

【註】神楽
「古事記」「日本書紀」によると、天の岩戸に閉じこもった天照大神を外に出すためにアメノウズメが舞った舞が嚆矢と伝えられる。時代を経るにしたがって、宮中神楽、里神楽、山伏神楽などに枝分かれしていった。関西圏だけでなく、宮崎県、広島県、静岡県など、各地の山間地に歴史ある里神楽がいまだ数多く残っている。

『結局、女はキレイが勝ち』

あれ!? なんか獅子舞に見えなくもない!

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