[TVツッコミ道場]

茶番になればなるほど輝く、オアシズ・大久保佳代子

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日本テレビ『ぜんぶウソ』公式HP

 今回ツッコませていただくのは、11月7日放送分の深夜番組『ぜんぶウソ』(日本テレビ系)。

 オードリーやサンドウィッチマンといったお笑い芸人が、架空の設定でドキュメンタリー風の映像の登場人物として登場。番組説明によると、”いそうでいない一風変わった人たちを演じる 「フェイクドキュメントバラエティ」”とのことだが、番組まるごとドキュメンタリー番組仕立ての映像コントというものである。

 基本的に演者はふざけない。設定とキャラで笑いをとる。友近や次長課長河本のネタとか、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)のオープニングで時々あるノリにもちょっと近いか。その「ドキュメンタリー」を、楽屋にいる女性タレントがモニターで見ながらコメントする。この女性陣も、「春日さん、何やってんの!?」とか、「ふざけてんですよね?」といった”素”のツッコミではなく、「この人、どうなっちゃうんだろう?」とか「大丈夫なのかな……」というノリの感想を漏らしていく。つまり、ここまでが一括りの「コント」なわけで、それゆえの番組タイトルなわけである。

 そのドキュメンタリーコントのシチュエーション設定は、これまで婚活パーティー、声優オーディション、ツンデレ喫茶などがあったが、今回は、「キャバ嬢 よさこい日本一に挑戦」ということで、よさこい踊りに挑戦するキャバ嬢たちと、その店長の物語。店長がオードリー春日。そして、番組の出演者欄にはカンニング竹山とオアシズの大久保佳代子の名が。パターン的に、大久保さんがナンバーワンキャバ嬢だったりすると結構面白そう、と期待。しかし、ナンバーワンは大久保さんではなく、「あゆみ」という女性だった。

 そんな大久保さん、放送からしばらく後のシーンで、出た! 店長・春日が強豪チームの練習の視察に行ったとき、そのチーム内で踊っている。この時点ではアップになることもなく、その他の出演者陣と一緒に踊っている。とはいえ、何か危険なオーラは醸し出しているわけだが、こういった一般の人に紛れ、その「紛れている」ということだけで笑える大久保さんという存在、やっぱり秀逸だ。 

 話は進んで、最初はやる気がなかったキャバ嬢たちも「よさこいのときも給料を出す」という条件で、練習するように。そこへ、「おはようございまーす!」と、練習会場に大久保さんが登場。コーチ役として来てもらったということらしいが、ナンバーワンのあゆみだけ、態度が悪い。

 何かカッコよさげなことを語りながら両手をあげた大久保さんの脇の下に尋常でない汗ジミがあったり、「私もさ、昔ナンバーワンやってたから」と語ったりと、分かりやすいツッコミポイントが多数用意されていて、基本的には茶番としてのお約束が漂う作りなのだが、茶番度が深まるほど輝く大久保さん。そんな中、意表を突かれて一番笑ったのは、大久保さんがあゆみに説教し、ビンタした直後にやり返されたキックのものすごいスピード。大久保さんの尻に思い切りヒット。そして倒れ込んだあとにもうひと蹴り。そして、割って入った春日には、かなり鮮やかなフォームで、腹に思い切り後ろ蹴りをキメた。この蹴りのスピード感、この回の一番ドキュメンタリーだったかもしれない。

 紆余曲折があって、みんなが一つになり、よさこい当日を迎える。ところが……。

 会場で踊っているのは、あゆみ一人だけ……。なんでも、店長以下、前日に前祝いで朝まで飲み過ぎてしまい、全員寝過ごしてしまった、というオチでした。泣きながらひとり真剣に踊るナンバーワン嬢。オチは最悪だけど、あゆみのキックと踊りのときの本気の表情、熱演でした。

 最後に加藤夏希が「あゆみちゃん可愛そうじゃん! ……気分悪いわ、コレ」と視聴者目線のコメントを言い捨てて、番組(コント)終了。

 意図的につくられた30分の茶番劇、付き合ってみるとなかなか面白いです。
(太田サトル)

『不細工な友情 (幻冬舎文庫) (文庫)』

大久保さんが活躍できる日本って、意外と悪くない

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