本物と偽物、どちらを選択するべきか(後編)

回転寿司の「代用魚」は不当表示? 知っておきたい食品表示の裏側

(前編はこちら

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初めから代用魚って表示してくれていいのに。
Photo by Distal Zou from frickr

 消費者庁では、消費者からの情報提供や問い合わせ用に電話窓口を設けている。今回、何人かの窓口担当者に「モドキ食品の表示」について、いち消費者として質問をぶつけてみたところ、いずれも面倒がることなく担当部署で調査し、その結果を懇切丁寧に教えてくれた。

――スーパーやレストランで「成型肉」が販売される場合、法的な表示義務はあるのですか?

「まず、食品表示に関しては、主に『JAS法』と『食品衛生法』という2つの法律が規定しています。簡単にいうと、前者は包装された食品について、後者は食品全般における安全性の確保について決めたものです。お問い合わせの成型肉についてですと、スーパーでパック販売されている商品には、成型肉であること、そして加熱処理が必要であることを明記する義務がJAS法によって定められています。ただ、レストランや調理販売においては、どちらの法律でも表示義務の取り決めはありません。これは、『レストランでは、消費者が購入前に訊ねることができる』という前提があるためです。しかし、実際問題として食中毒などが発生していることも考慮し、各自治体単位でも表示指導が活発化しているようです」

――法的には、指導や取り締まりの手段がないということですか?

「いえ。個別の事例によって対応は異なりますが、レストランなどで成型肉をあたかも1枚肉であるかのように表示・販売した場合には、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)における優良誤認にあたるものと考えられます。『優良誤認』というのは、実際に提供する品やサービスよりも、著しく優れているように謳って販売することです。いわば、不当表示です。ちなみに、かつては公正取引委員会の所管でしたが、消費者庁の管轄となりました」

――似たような問題として、低価格な回転寿司店などでは、表示されたネタとは異なる「代用魚」を使った寿司が売られているとも聞きます。

「もしも、現実にそういったことが行われているのならば問題です。魚介類の表記に関しては、いくつかの呼び名が存在することも多く、紛らわしさを排除するために水産庁によってガイドラインが設けられています。それから大きく逸脱し、なおかつ先程のような優良誤認がある場合には、同じく景品表示法の違反も考えられるでしょう。消費者からの確かな報告があれば、消費者庁でもしかるべき調査を行う準備はあります」

 この秋新設された消費者庁では、食品表示に関する疑問に、分かりやすく答えてくれた。ただ、外食産業、特に回転寿司店での代用魚の問題に話が及ぶと、途端に歯切れが悪くなったようにも感じられた。

「消費者から報告があれば調査する」

とのことだが、そもそも食の専門家ではない消費者に、そのような目利きができるわけがない。だからこそ、行政による規定や指導が必要であるのに、これでは本末転倒というもの。穿った見方をすれば、「取り締まるに充分な規定が用意されていないから、手をこまねいているのでは?」とも思えてしまう。  

 結局は、「安いモノには、それなりのワケがある」という認識を持つこと。そして、優良誤認被害を受けたくないのなら、「このネギトロ、本物ですか?」と、いちいち問い質すしかないのかもしれない。

『食品のカラクリ (宝島SUGOI文庫) (文庫)』

いままで無意識すぎました

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