"草食系の応援団長"森岡正博氏インタビュー(後編)

元祖・草食系が恋愛を説く「草食系も学習すれば肉食になる!」

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『最後の恋は草食系男子が持ってくる』森岡
正博/マガジンハウス

(前編はこちら)

――草食系男子になる原因は、何かあるのでしょうか?

森 それは、人それぞれだと思います。私の場合、「傷つけるのが怖い」と思ってしまうのは明らかに母親との関係が影響していますが、それが統計的に多いかどうかまではデータを取っていないのでわかりません。ただ、そういうパターンは確実にあると思います。

――森岡さんはひとりの女性をつかまえて、父親にもなってもいるわけで、草食系からどうやって変化したのですか?

森 20歳くらいまでは草食系でしたが、でも恋愛をしたかったし、セックスもしたかった。それで「マッチョにならなくては」と学習をしたのです。雑誌を読んだり、友達に話を聞いたりすれば、それなりに学習できますからね。その結果、「奥手の中身草食系・外側肉食系男子」になって、ある程度一人前に”男らしく”できるようになってきました。でも、それは楽しいことではなかった。心に大きな負荷をかけて、自分をねじ曲げたという思いがあります。

――学習できる人とできない人、その学習が自分に合っているのかに気づく人と気づかない人といると思いますが。

森 それは、個人差があり、ひとくくりにはできません。ただ、恋愛で成功するために本当に求められるのは、男らしさという規範の解体と、自分を知って人生を肯定すること。その二段階です。それにより本当の自信をもって、女性と関係をつくっていくんです。

――次なる表現として、女性向けに『最後の恋は草食系男子が持ってくる』(マガジンハウス)を書かれたそうですが。

森 『草食系男子~』出版後、男性に癒やされたい女性や、ガツガツした男性が嫌いな女性から、「草食系男子と付き合うにはどうすればよいか、教えてほしい」という要望がすごくありました。『最後の恋~』は、これにこたえたものにしています。たとえば、これまで女性向けの雑誌で提示されてきたことといえば、いかに男の気を引くか、ということ。ヒラヒラの服を着て、ボディタッチをして、答えは曖昧にしてじらして……などというのがそうですが、草食系に限ればそれらはすべてダメです。彼らに女性からアプローチするなら、心のつながりから入ること。まず、ストレートに好きだと伝え、お互いの気持ちを少しずつ理解し合っていくことです。

――草食系男子と恋愛するには、根気と時間がかかるんですね。

森 そうですね。草食系男子と恋愛したいのなら、心と言葉から入って時間をかけましょう。

――セクシュアリティや恋愛について、ご自身のことを語る学者は珍しいですが、森岡さんの言動はアカデミックな世界ではどのように受け止められていますか?

森 この2冊の本は、企画段階から実用書としてつくりました。なぜなら、恋愛学は実用書でないと意味がないからです! しかし、一般の学者からすると実用書は学問ではなく、まじめに議論するジャンルのものではない。それが、学者がこの本に言及しない理由ではないかと思います。一般的に、学問の世界では評価が下がりますね。私の場合、下がりまくっています(笑)。でも、私は、自分の手触りあるところからしか思考がスタートしないのです。

――ライターの桜木ピロコさんが自著に『肉食系女子の恋愛学』(徳間書店)という似たタイトルをつけたことで、森岡さんに「なんだったら、カラダでつぐなうので、ぜひ、ご一報下さい」とおっしゃっていましたが。

森 華麗にスルーしておきます(笑)。
(取材・構成=山中登思子、撮影=迫田真実)

森岡正博(もりおか・まさひろ)
1958年生まれ。大阪府立大学教授。哲学者。著作に『無痛文明論』(トランスビュー)、『生命観を問いなおす エコロジーから脳死まで』『感じない男』(ともにちくま新書)など。公式HPはこちら。ブログ「感じない男ブログ」はこちら

『最後の恋は草食系男子が持ってくる』(マガジンハウス/1,260円)
森岡氏が初めて女子向けに書き下ろした恋愛指南書。リアル草食系男子が語る恋愛・結婚・SEX観、Q&Aで読み解く草食系男子など。

『最後の恋は草食系男子が持ってくる』

そのSな視線がたまりません!

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