『傷なめクラブ』刊行記念インタビュー

光浦靖子さんと”女の性”について、リアルに傷をなめ合ってきました

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「ほうほう、こんな悩みもあったね」。他人の悩みは忘却も早いのです

 アラフォー女性ならではのシニカルな視点や、淡々とした語り口が人気の光浦靖子さん。そのちょっとひねくれたトークがしみじみツボに入るという人も多いはず。そんな光浦さんが、他人の小さな悩みに辛辣に答えたものをまとめた『傷なめクラブ』(幻冬舎)を発売。

 「名古屋人が嫌い」「ウンコサイクルを変えたい」など、思わず「んなこと知らねーよ!」と言いたくなるような103の相談を、縦横無尽に打ち返す光浦さんの想像力は、笑いと共感が同時にこみ上げてくるような清々しさ。そんな回答を見て、編集部一同「我々も光浦さんに人生相談したい!」と思い立ち、女性だけの取材でリアルに傷をなめあってきました。

――タイトルは『傷なめクラブ』ですが、光浦さんは女友達とどんな風に傷をなめ合ってますか?

光浦靖子(以下、光浦) うーん、何ていうかねぇ、生きてること自体がなめ合いという気がしますねぇ。風の吹かなさ具合とか。だって、同じような仕事を同じようなポジションでやってたら、自分と似てるようなメンバーが集まってくるじゃないですか。例えば、ヒップホッパーみたいな人がヒップホッパーと一緒につるんでるのとかも、なめ合いっちゃあなめ合い? もっと真面目な、カッチカチのサラリーマンの友達とかがいたら、その人自身、常に外(世間)に開いて風を入れてるかもしれないよ。けど、100%ヒップホッパーの友達しかいなかったら、傷のなめ合いになっちゃうんじゃ?本人たちはトンガっているのかもしれないけど。私もおんなじ。(森三中の)黒沢とばっかり遊んでる。外部と接触せず、壁を作って、ヤワヤワな私生活をここ何年もしとります。

――「生きていること自体がなめ合い」とは深いですね……。じゃあ、ちょっとでも「うらやましいな」と思う要素がある人とは付き合わないんですか?

光浦 そうですね~。知らない人と喋るのが苦手とか、私よく言ってるんですけど、ホントは言い訳なんです。この年になると開き直っちゃうんです。一時は「そんなことじゃダメだ、芸能人なんだから人と喋れる人間にならなきゃ」と頑張ってみたけど、年をとるとまた子供に戻るのか、意固地になるのか、知らない人となるたけ喋りたくなくなってきちゃった。着替えもせず、お風呂すら入らなくても平気なメンバーと、ぬるーい環境にいると楽じゃないですか(笑)。

――芸人仲間といえば、最近は女芸人の結婚や恋愛もよく話題になりますよね。そのあたり、光浦さんはどう感じてますか?

光浦 当たり前の話じゃないですか? だって30代の女の人が結婚しないとか、子供を産まない方がおかしいじゃないですか。晩婚で独身率が上がってる今のほうが異常なんですから。だから当然のことなのに、やたら「女芸人が結婚!」とか、なんでみんなそんなに過敏なんだろう。だから、「残された女芸人」みたいなくくりで、「もう~っ!!」と僻んでるみたいな図を期待されてるんだろうけど、面倒臭いよ。みんな、仲間の結婚を「おめでとう!」って泣いて喜んでるくらいなのに、そういうところは一切映さないんだよね。まあ、視聴者的にも見たくないんだろうけど。

――うーん、共感することしきりです! ところで私たちも、光浦さんにこの場で相談したい案件をいくつか持って来たんですけど、お願いできますか。まずはこちらから。

「ジャニーズをはじめとするイケメンが好き過ぎて、現実の男を好きになれません。どうしたらいいでしょうか?」

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光浦 これは簡単ですね。まずはジャニーズの底辺の、そんなに男前じゃないほうを探していただいて、次にトップクラスのイケメン芸人を探していただきます。そうするとこの2つが融合する場所、まあ言ってみれば、海水と淡水が混じり合うところがあるので、とりあえずそこに根付いていただいたら、そのまま男前芸人にシフトしていくのは簡単です。そして男前芸人のライブに行くうち、だんだん「面白いほうがカッコイイ」みたいな価値観に変わってきて、どんどんブスに下がっていくことはできるんです。

――えっ、イケメン好きなのに、ブサイク芸人を好きになれますかね?

光浦 なれますよ~。男前芸人がスベッたライブで、ブサイクが爆笑をさらった時は、そりゃあ「笑いをとったヤツが一番カッコイイ」って思いますから。そんなのを何回か見るうち、現実の下界に降りて来れるようになれます。そのまま、今度は芸人のつまらない男と、素人の一番面白い男が融合してるところに行くと、今度は素人のほうにスライドしてゆく。気付けば、至って普通の人を好きになる、まっとうな価値観になってますよ。芸人に比べたらこっちのほうが男前じゃん、収入もあるじゃん、というように、自然といいところを見つけ出せますから。

――素晴らしく合理的! では次もお願いします。

「同僚に、メンタルが弱いのをいいことに、仕事を押し付けてくる人がいて困ってます。助けてください!」

光浦 困るねーっ! でもこれも簡単。こういう人には「目には目を」しかないんだな。必殺”ダメなの返し”です。「私も弱いの~」と言って、よりダメな人間になる。そのうち、向こうから避けるようになったらラッキーということです。ホントはいけないことだけど、相手に自分が価値のない人間だと思わせて、向こうさまに諦めてもらうという大作戦を使うしかないんじゃないかね。

――なるほど! 最後はこちらです。

「友人が不倫の辛さを延々と愚痴るものの、結局『あんたにはわからないだろうからね』と上から目線で言われます。どうしたらいいでしょう?」

光浦 相談相手にならないようにするしかないね。「こいつバカか?」と思われるようなトンチンカンなこと言って、トラブルメーカーになるんです。告白するときにすべてをダメにするような、しゃしゃり出てくるブスっているじゃないですか。それをやることです。「じゃあ彼の家に電話しようよ!」と提案したり、彼に「○○子はこんなに悩んでるんですけど、奥さんと別れるつもりあるんですかぁ~?!」とか言ってしゃしゃり出るブスね。それをやるとたいていの人は「もういいから!」ってなりますよ。

 うんうん聞いて、うんざりしてるだけだからダメなんですよ。自分も無責任にヒートアップしていかなきゃ。そうやって立ち上がれば、人の恋愛も楽しくなるでしょ。どんどんしゃしゃり出ましょう。絶対向こうも「やめて!」って言うから。

――またも素晴らしい解答! あっという間に解決です。ありがとうございました!

 あまりに切れ味鋭いスピーディーな解答の連続に感動していると、「お悩みと言えば光浦、みたいなことで食っていけないかなあ」と一言。どこかの偉い人、光浦さんにぜひオファーを!
(インタビュー・文=井上佳子)

光浦靖子(みつうら・やすこ)
1971年5月20日生まれ、愛知県出身。東京外国語大学卒。92年、幼なじみの大久保佳代子とお笑いコンビ「オアシズ」でデビュー後まもなく、『新しい波』『とぶくすり』(ともにフジテレビ系)などに出演。以後、『めちゃ×2 イケてるッ!』(フジテレビ系)にも参加し、レギュラーメンバーとして活躍中。『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)など数多くのバラエティー番組に出演している。

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「傷なめクラブ」(幻冬舎刊/1,365円)
「TVブロス」(東京ニュース通信社)で好評連載中のコラムをまとめた1冊。「万年猫背」に悩む人に対しては、「猫背を直すことは死を意味します」、「自称チェ・ジウ似」のモテない女性には、「”自称”するところにモテない原因がある」とバッサリ。下ネタから恋愛ネタまで、(時に論点をすりかえながらも)スバっと回答してくれる心地よさに、スッキリしそう。また光浦さん自身の悩みに対しては清水ミチコ、黒沢かずこらお馴染みメンバーと、宇梶剛士、島田雅彦という「なんで?」のメンバーが真面目に(?)回答しています。

『傷なめクラブ』

「母親の冷麦攻めがツライ」というタイムリーな悩みもあり。

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