サイゾーウーマンカルチャーインタビューアパレル業界の新金脈? マタニティウエアのブームの裏側を探る カルチャー 元「ELLE japon」編集者、マタニティショップオーナーが解説 アパレル業界の新金脈? マタニティウエアのブームの裏側を探る 2009/07/29 17:00 ダイアン・フォン・ファステンバーグインタビュー マタニティ業界の立役者でもある青木愛さん (前編はこちら) ――これまでマタニティラインを展開していなかったブランドが、新たに立ち上げています。セレクトショップだとシンゾーンやships、ブランドではX-girlのX-girl nextstage、Ne-net。アパレル業界全体が不況の中あえて新ラインを打ち出すからには、勝算があってのことだと思うのですが。 青木 マーケティングすればするほど、マタニティってビッグビジネスじゃないってわかるんです。ビジネス戦略に長ける大手企業であれば、まずマタニティは始めないと思います。それくらい難しい市場なんです。マーケットとしては、キッズウエアの4/1程度。キッズは0歳から6歳まで人口も市場もありますが、マタニティは臨月までしか着れませんからね。 それに、少子化の現代において、子供には、パパとママ、それぞれの祖母と祖父のポケットからお金が出ることを6ポケットといいますが、でも、ママはそうはいかないですし、生まれてくる子供のために節約もしますので、マタニティで成功することは簡単ではないと思います。だから、ある程度市場に限界があって、その中で魅力的でないものが常に淘汰されていく。 だから通常のビジネス感覚のある人だったら、マタニティは作らない。私もショップを立ち上げてから、そうなんだ、って気付いたことでもあるんですが(笑)。ですから、私も危機感は感じています。マタニティはアパレルの中で新金脈かもしれませんが、いきなり大成功するような新金脈かといわれると、どうかな? と思います。 ――経済的勝算を見込んだものではないのですね。ファッション業界で働く女性自身が、妊娠と出産を経験することで携わるブランドにも影響が表れることもありますか? 青木 それはありますね。女性ならではのファッション目線がなければ作れないものですから。1972年にラップドレスをヒットさせたダイアン・フォン・ファステンバーグという女性デザイナーがいますが、彼女も数年前までマタニティを作っていました。布を巻きつけるだけの体に負担のないものを作れたのも、女性だからこそ。男性では、その発想はないかもしれません。 ――青木さん自身も、出産を経験してマタニティを始めましたよね。 青木 NYで出産をしたときは、現地の妊婦さんがとてもファッショナブルにマタニティウエアを楽しんでいたんです。ところが帰国したら、こんなにオシャレな国なのに、妊婦さんが楽しく着られる服が少ないと感じました。ママになったからって、大人の自立した女性でなくなったわけじゃないですし、そんな「怒り」にも似た想いから私も始めました。 ファッション業界でもマタニティは、日の目を浴びていませんでした。徐々に大きくなるお腹を隠すようなウエアではなく、美しく目立たせるものを着れば、自分のテンションもあがりますよね。妊娠、出産ってすごくハッピーな出来事です。ただ最近、ファッショニスタがマタニティを着なくなってきているので、これからはもっとファッショナブルなものを提案しないと、追いつかないと思ってます。だから本当に地道に頑張って行くしかないですね。 ――テンションのあがるマタニティなら妊娠期間を楽しく過ごすことができますね。ありがとうございました。 アパレル業界の第一線で活躍する女性が増え、彼女たちが妊娠・出産を迎えたとき、自分が着たい、オシャレだ、と思えるものがないことに気がついた。これまで業界の中でないがしろにされていたマタニティの再建というべき思想が、この流れの背景にあった。仕掛けたブームではないからこそ、これからも消えることなく育っていくことだろう。 青木愛(あおき・あい) ファッション誌「La vie de 30ans」、「25ans」、「Vingtaine」で編集者として活躍の後、2003年に夫と共に渡米しNYの「ELLEgirl」で編集者として働く。04年に男児を出産。帰国後は「ELLE Japon」に所属。06年、VIRINA JAPAN INC.ヴィリーナ ジャパン(株)を設立し、オンラインショップでシカゴ、ロス、NYから買い付けたマタニティウエアを販売。現在二人の男の子のママ。 ■ヴィリーナ ジャパン公式サイト 青木さん翻訳による伝説のマタニティ・バイブルが復刊!! 『hot mama ~私、妊婦ですが何か?』(講談社/1,050円) カレン・サマンソン著 青木愛訳 妊娠期間も素敵に格好よく、セクシーでいたい女性に向けた一冊。著者カレンは、文学界のキャリー(『Sex and the City』の主人公)とも評されるほど、ユニークでウィットにとんだ文体が特徴。ツワリの対処法や、ヨガ、食生活のことなどを、テンポよく綴り、「妊婦ってこんなに楽しくてよかったの?!」と、嬉しい驚きを与えてくれる一冊です。 【関連記事】 妊婦ヌードで再起! hitomi、リア・ディゾンが狙う”ママタレ”市場 【関連記事】 ハーフブームももう終わり? 女子カルチャー衰退の要因を徹底分析! 【関連記事】 モデルに頼るな! 次代のキーワードは”男に媚びない”雑誌づくり 最終更新:2010/01/28 22:46 次の記事 グラドルは手みやげ持参でご挨拶!? 島田紳助の「名司会道」 > Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する アクセスランキング カルチャー アラフォー婚活、セフレ認定してきた29歳の高校教師 アラフォー婚活「とりあえずホテルへ行こう」商社マン アラフォー婚活、「結婚しよう!」26歳男子からプロポーズ アラフォー婚活、「ラブホ行かない?」タップル婚活の男 過激セックスがすごいエロ漫画 アラフォー婚活、23歳男子から終電間際の誘い 女性に「家庭」を押し付ける24条改憲 アラフォー婚活、押しが強い33歳の男性 悠仁さま成績不振報道は怪しい? アラフォー婚活、30歳外資系男子から温泉の誘い AV男優・しみけんがスパッと解答 天理教の”夏祭り”へ潜入! “行ってはいけない”縁切り神社 宮内庁インスタへの疑問 関西弁男子とのセックスがすごい! “行ってはいけない”パワスポ11選 アラフォー婚活、タップルの20代男子3人 「たけし『天才だね!』」怪しい広告の手口 吉原ソープ嬢の恋愛・セックス・男性観 アラフォー婚活、お見合い中に何度も聞かれた 総合 【焼肉チェーン】ランチ全6種食べてみた 「謎肉放題」ボロネーゼに使ったらおいしすぎ 劇場版『名探偵コナン』歴代最高の初動スタート 【レジ袋収納】プロのリピ買いグッズ 【無印良品】おすすめベスト3 今週の人気記事ランキング ガスト、ヒロミ考案メニュー実食 殺害未遂の女医の告白 KANA-BOON脱退騒動時系列まとめ 「男の宿命的な性」への憎しみ ドラマ『君ゆき』要注目ポイント Number_iCM起用に旧ジャニファン不快感あらわ 【おぼんdeごはん】「鶏南蛮」定食が大戸屋超え? 好きなシリーズものCMランキングベスト3 【コープ】を使わなくなった理由とは? シナボン店舗数増、再ブームの兆し 絶好調チェーン【や台ずし】「最悪」評価は本当? 若葉竜也『めざまし』出演が波紋 芸能人の時代感覚は遅れてる? 【牛タン 仙台辺見】利久より満足度◎のワケ カルチャーの人気記事 アラフォー婚活、セフレ認定してきた29歳の高校教師 アラフォー婚活「とりあえずホテルへ行こう」商社マン アラフォー婚活、「結婚しよう!」26歳男子からプロポーズ アラフォー婚活、「ラブホ行かない?」タップル婚活の男 過激セックスがすごいエロ漫画 カルチャー一覧へ サイ女の精神!過去の人気コラム ダイソーのジッパー袋やポケットティッシュをくれるママ友、「いらない」の一言が言いだせない! コラム 木村拓哉、契約問題はどうなった? 4カ月経過も発表なしーーSMAP再結集報道の背景 神林広恵「女性週刊誌ぶった斬り」 議員秘書歴20年が暴露! 国会中継放送中、クレーム電話が事務所に鳴り響き…… コラム コラム一覧へ